第37色 マガミ=クレス
...ここは...。
白い空間...。
自分自身以外は、何もない...。
此処は何処?
...さっきまで何か重要な事を...。
何も思い出せない。
確か...。
急に、後ろに気配がして、振り返ると一匹の巨大な銀色の綺麗な毛並みの、狼がいた。
神聖な生き物は、見て直ぐ理解出来る。
モンスターなんかでは、絶対にない。
...何故か言葉が、通じるのは、直感でわかった...。
「此処は?何処でしょうか?」
「...怖くないのか?」
とても優しい声...温かみがある。
「全然怖くない...です。
何故か安心して落ち着きます。」
目を瞑り、優しい声で笑い声をあげた。
「くっく、そうか...やっぱりアイツの血なのか...。
そうか...。」
...?凄く嬉しそうな表情が見て取れた。
「...まぁ初めまして...も、おかしいが...。
私は犬神...。お前と魂を共にするものだ」
...魂を共に?
「...そうだ、お前と私は、一つの魂だ...。
所謂、魂の同化と言うヤツだな。
お前が死ねば、私も死ぬ。
まぁ、祟落ちの様な、とって代わろと、言う訳ではない。
昔...だいたい1000年ぐらい前の話だが、お前の先祖と契約していてな...。」
契約ですか...?
「そうだ。
お前の祖先の血縁関係は、全て私の魂と同化している。
気付かずに死ぬ奴が殆どだが...。
お前は...自分が犬の獣族と思っているだろうが...。
お前は、獣族ではない。
元々の種族は、魔族だからな...。
驚いたか?」
...驚いては、いない...かな?
何となくだけど、そう思っていた。
「そうか...鋭いな...。
獣族の割には、魔力量も、質も圧倒的に多いしな。
気付ける点は多いだろう。」
...何で急に...私は、この空間に来たんでしょうか?
「今お前は、死に掛けている...。
と言うより...死んだ。
強い未練を残して死ぬ事...が私が再契約する...事が出来る...。
覚えていないか?」
...死んだ...。
...確か...キングがイキナリ現れて、サラやエリーゼを守った...時に...。
「そうだ、お前は、友人の盾となり、強い未練を残したまま死んだ。
お前が、守った甲斐あり、友人は無事生きているし...未練のもう一つ...お前の母も生きている...。」
えっ!?母さんは生きているんですか?
「生きている...。
ただタイミングが悪かった...。
ダンジョンで味方を守る為に、殿となり、そして逃がす為に囮となり、その時に命は1度尽きている...。
未練の末...私と再契約して、復活を果たした。
パーティメンバーは、カードや形見を探していたみたいだが...勿論、見付からない...生きているからな」
...何で私に会いにきてくれなかったんですか?
あれだけ必死になって探して...攻略者にまでなったのに...。
「...母も一緒の理由だな...。
アイツも母を探して...お前の祖母を探して、攻略者になったんだからな...。」
おばあちゃん...?そんな話聞いた事ない...。
そうだったんだ...。
「お前の祖母を探す為に、母は攻略者になった...。
だが探す理由は違った...復讐の為だ...。
だから言えなかったんだろう...」
...そんな...復讐なんて...何で...。
「その理由は、言えない...。
口止めされているからな...。
だがお前に会えたら、伝言を頼まれている...。
『本当にごめん...愛していると』」
...そうだったんだ...母さんは生きていたんだ...。
また会える...。
やっと会える...。
早く会いたいな...。
「直ぐにでも会える...今アイツは、第4大陸の秘境にいるからな」
第4大陸?秘境っ??
...直ぐに会えないじゃないですか?
「そう...だったな。私にすれば短いが、お前にとっては、長い時間だったな...。
だがお前の仲間に、四天神のシュラバナ=テン様のお気に入りがいるからな...。
そいつと共に在れば間違いなく、最短で達成できるだろう...。」
...誰ですか?
何となく想像は、出来ますけどね...。
「そうだ...そいつは、世界を変える可能性を持っているな...共に闘い、生きろ...。
それが母を助ける力にも、近道に変わるかもしれんしな」
そんな凄い力を、ユキさんが...。
でも、本当に無事で良かった...。
「そうだろ?そいつは、お前にとっても、おもい『さっきから、思考を読んで話さないで下さい!!』」
「すまない...。以後...気を付け様...。
だが...魂が一つになっておるからな...。
どうしても...。」
「それを口に出さなければ、良いですよ。
私にも分からない事や、気付かない事もあるんですから!」
...まぁ自分の事は、自分が一番分かっていますからね...。
「...では、そろそろ...。
友人が、絶望の淵に、多々棲む時間は、短い方が良いだろう...。
どうする?再契約するか?」
...答えは決まってる...。
大切な人を守る為に...。
「お願いします」
犬神は、再び笑い語り出す。
「了解した。
やっぱりお前はアイツの血筋だ...良く似てる...。
『我オオクチノマガミの魂は、汝と一つと也て、力と也、血肉と也、魂と成り至る』《魂共鳴》」
力が溢れる...。
より強くマガミの力が感じられる...。
凄い...。
「...良し成功だ。
私の力は、お前の力と也、お前に合ったモノに変換される...。
その内容は...」
声が聞こえる...。
呼び掛ける声が聞こえる...。
サラの声かな?
「...クレス!クレス!!」
薄らと目を開ける...。
涙を流す、サラが見えた...。
そっか...1度死んだんだった...。
...早く起きないと...。
「...サラ」
「えっ!?クレス!?
クレス!生きてる!?」
ゆっくりと起き上がる...。
胸には、大きな怪我...剣で右から斜めに切り裂かれたであろう傷は、跡すら無く、裂かれた服と血が、自分に負っていた傷の深さを物語っていた。
...これで...この傷で私は死んだのか...。
「クレス!?怪我はどうしたの?
何で!?大丈夫!!?
何で途切れた魔力が溢れてるの?
見た目だって少し変わってるし!?」
サラは気が動転してるのかな...ワザとしてる言葉使いが...普段通りになっている。
...髪や尻尾もが伸びている様な気がする...。
魔力も異質...生まれ変わった...様...。
「怪我は、大丈夫...。
あとで、ちゃんと説明するね。
今の状況は、どうなってる?」
「えっ?うん...今は、アオイが食い止めてくれてる。さっきの転移の連続攻撃で色んな所に被害が出たけど、全滅は間逃れてる...。
統率が取れていない、ゴブリンとホブゴブリンは敵ではないわ...。
でもキングの所に残りのナイトとメイジが集まってる...。
転移するメイジは、アオイが倒してくれたけど、魔導書から黒魔力が溢れてキングを繭の様に包んでるみたい...。
サクヤが早く向かって欲しいと行っていたわ...。
先にエリーゼを向かわせたけど...。
...クレス...クレスは、大丈夫?」
...大丈夫...。
寧ろ死ぬ前より、調子がいい...。
それにこの魔力...。
「大丈夫だよ...もう平気...。
早くしないと主役が登場するのを見逃しちゃう...行こう」
「えっ?主役?」
この魔力...匂い...間違いない。
やっと帰ってくる...。
遅くなり申し訳ございません。
これから大体2~3日に1度の投稿になります。
宜しくお願いします。
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