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一緒に泣くから(3)



 この訓練施設の正式名称は、ケイス修練所というらしかった。ケイスというのはここの創設者の名で、僕の面接を行ったのも、この人物だった。


 ケイスは戦争の経験が全くない、小太りの男だった。民間施設と聞いたときに、金儲けこそが最大の目的であることは、何となく察していた。そして、僕は金儲けに役立てる人間ではないかという自負があった。


「レンド、貴様の実績には目を見張るものがある。いや、数字以上に、人々の印象に残る戦いをしてきた」


 ケイスは砂糖菓子を舐めながら、僕を睨みつける。


「集客力は十分にあるだろう。貴様を採用するのも吝かではない。だが、一つ条件がある」


「生徒を殺さないこと、とか?」


「そのふざけた態度を改めることだ」


 ケイスは切れ味鋭い声で僕を叱りつける。


「貴様がここにいれば、早かれ遅かれ記者が押しかけてくるだろう。貴様はこの施設で訓練を受けることが、いかに戦場で生き抜くのに役立つのか、宣伝しなければならない。台本を用意してやってもいい。失言は許されない」


「そんなことか……。分かったよ」


 僕は了承した。もう僕の躰の大半は死んでいるようなものだった。今更、口先だけ他人に支配されたって、痛くも痒くもなかった。僕はこうしてケイス修練所に採用されることになり、数か月後には正式に生徒の受け入れが始まった。


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