第10話 駆逐一派以外の次期当主は?
二人が真剣な表情をして私を見つめて来る。とても言いづらいが、言うしかないだろう。
「だが、そんなことはあり得ないんだ。」
「先ほども思ったのですが、どうしてですか?なぜあり得ないと断定できるのですか?」
「うん・・・それについて話す前に私の昔話が必要になるんだよね」
「またですか・・・」
私だって好き好んでこんな複雑な出来事に巻き込まれたわけじゃないんだがね・・・
「まず、私は集会を無視してダンジョンに潜っていた。ここまでは良いね?」
「うん」「さっき聞きました」
「で、派閥争いがあったのも話したよね?」
「そうですね」
「反対派としての行動と桜の行動に我慢ならずに不満噴出してクーデターに反発した次期当主が駆逐さん達なんだけど、別方向で不満噴出した次期当主もいるわけよ」
「まぁ、全員ではないようですし、そうでしょうね」
「そう。全員が全員駆逐さんに従って反旗を翻したのではなく、『親父達が好き勝手やるなら俺等も好きにやらせてもらう』って言いだして欲望のままに行動しようとした阿呆たちがいたのよ」
「え?」「そんな話、聞いたこともないですけど・・・話に聞いた当主級の力の持ち主が自由気ままに行動したらニュースになりますよね・・・?」
「まぁ、阿呆たちが行動に起こす前に叩きのめして部下にしたのは良いんだけどさ?」
「そこ重要じゃありません?」
「まぁ、そんなこんなで猿・戌・松・椎・灰の次期当主達と私で、現当主達が挑んでるS級ダンジョンに同じ日に挑んで、先にBOSS倒しちゃうぜって話になってさ?」
「話になってさ?じゃありませんし、つまりロキと一緒だったんですね?」
「藍田君、そんなに睨まないでくれ。当時は術至上主義者じゃなかったんだ。いや、隠してただけかもしれないけどね?そこに至るまでの話は長いし君たちに直接の関係はないから省くよ。で、先回りして潜ったんだけど、当時S級50層のフロアボスは人類未踏破だったから、私の一族の男衆、まぁ、男しかいないんだけど、を出口に配置して、もしも万が一死んだときに呆然としたまま表層のモンスターに殺されないようにしておいたのよ」
「は、はぁ・・・」「無謀に挑戦したんじゃないんだね」
「結局私たちが先について、S級50層のフロアボスを何とか討伐できたんだけど、」
「できちゃったんですか」
「うん、できちゃいました。で、その後どうする~?って話してたらシックスカラーズが来たからさ?当然のように煽ったんだよね。特に親より先にたどり着いたロキ君が」
「煽ることを当然と言わないでください」




