怒涛の武道会、閉会式~前編~
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さてさて。
~怒涛の武道会、閉会式~
ぶすくれた人間界代表のお姫様と
その隣で青い顔をした神官の男。
神官の隣には、妖精界のお姫様と、お付きの妖精が。
姫様の隣には、魔界の大魔王と何故か勇者様。
魔王と勇者の手首は、光の(様に見える)鎖で繋がれている。
(因みに、魔力の高い神官の目にはどす黒い魔力の塊に縛られている様にしか見えないのだが……)
『人の姫?「平和の式典」するんじゃないのかい?』
「……解ってるわよっ!!!」
こんなハラハラした「平和の式典」は、きっと前代未聞だろうw
「私達人間と妖精族、そして魔族の和平の継続の証として・平和の式典をここに開会する!!!」
人の姫の宣言により、式典は開催された。
「妖精族長の代理で申し訳ないが、人の女王に成るであろう姫に、妖精族より和平の手紙を進呈する……」
「ありがとうございます」
隣の神官が、恭しく受け取りそれを姫へと受け渡す。
……昨年まで、それはメタボ……否、王様の片腕である大臣の役目であったのだが……
その元・大臣は負け犬と共に控え室に軟禁状態である事は伝えておこう。
チラリ。
神官が魔王を見る。
と、同時に姫様も横目で魔王を見ていた模様。
『クク……』
「Σ?!」
「Σヒッ……(飲み込む)」
その小さく漏れる笑い声……
2人の背中にゾクリと悪寒が走った。