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第六話 お食事時

 金をあらかた使い尽くした俺たち(正確にはゼンのみ)は、日が沈む前に無事本部に戻ることができた。

 以前までは家に戻るまでに盗賊に拉致・監禁されたり、川で返り血を落としたりといろいろあったが、今回は何事もなかった。


 だんだんと暗くなっていく空を見ながら、俺たちは屋敷の敷地に入る。

 なぜ敷地で話を再開したのかというと───


「日没ギリギリですね。後もう少し遅かったら私的には罰則でした」


 と、アーノさんが空を見ながら玄関に立っていたからだ。

 いや、まあさっきゼンに命があると良いわねと言われていたので少し身構えてはいたが、どうやら間に合ったらしい。


「それはよかったです」


 俺は、平然を装ってそう返事する。

 実際のところ殺気を出しながら、アーノさんが空を見ていたからもしかしたら間に合っていなかったのかもしれないと思ったが、そんなことなかったらしい。


 母さんと交代で、これはまた大変な人が出てきてしまった。

 立ち位置が全く同じじゃないか。確かに場面は変わったが母さんはいるし、なんならその立場の人の代わりは望んでいない。


「はい、私も約束が守ってもらえてうれしいですよ。世の中どれだけ約束をしても破る一番隊隊長もいますから」


 ガフィールは一体どれだけの掟破りをしたのだろうか。

 少なくとも、アーノさんが思い出しだけで不敵な笑みを浮かべる程度にはやりまくったらしい。


「夕食の準備はできています。団員の皆さんも食べているのでどうぞ来てください」


 俺は、そう言われてアーノさんの後ろをついて行く。

 本部の建物は把握しきっているわけではないのでありがたい。実際食堂(正しい呼び名か不明である)で夕食を食べるよと言われても、どこに食堂があるか分からないのでありがたい。


 アーノさんを刺激しないように俺たちは黙って後ろを歩く。

 ついさっきまであんなに食べたゼンがすぐに食べられるのだろうか、とも思ったがゼンの事だ。心配するだけ無駄だろう。


 余計なお世話という奴だ。

 胃袋に無限大の可能性を秘めているコイツなら、いくらでも食べられるだろう。


 食堂は、団員の部屋のある屋敷の奥の部分にあり、増設された感が満載だった。

 元々屋敷ではあったが、大勢が使う場所として設計されたところではなかった証拠ようだ。


 騎士団のために建てられて改装できなかったせいで古い見た目なのかと思っていたが、どうやらこの屋敷は誰かの使っていた物を買い取った物らしい。

 それを騎士団の使いやすいように改築したのだろう。


「あちらに見える木のトレイを取ってまっすぐ進んでください。そしたらお皿に入ったご飯がのせられていきますので、食事はどこか机で適当に、トレイとお皿は使い終わったらあそこに返却口に戻しておいてくださいね」


「なんかショッピングセンターのフードコートみたいね」


 その読者にはとても分かりやすいが、絶対にこの世界にないモノを並べるんじゃない。

 少なくとも王国では最先端というか、新技術だ。


「おそらくそうだと思います、団長発案です」


 アーノさん、テキトーに流した。

 ゼンのものすごいバクダン発言を、ものすごくテキトーに流して見せた。


 すごい。すごすぎる。

 脱帽だな。


「それでは、質問もなさそうなので私は」


「はい、ありがとうございました」


 そう言って、アーノさんは立ち去っていく。

 俺はお礼を言って、食堂に入る。


 騎士たちが楽しそうに食事をしており、みな仲が良さそうだった。

 この騎士団ならではの光景だろう。普通騎士団内の上下関係のせいでここまで盛大に騒いで食事なんてできない。上官の目にとまりたくないばっかりに静かに食事をして早々に去って行くのが、大体の騎士団での食事の基本だったりするのだ。


 それと比べると……


「うるさいな」


「そうね、耳が痛いわ。どうしてこうも子供みたいに騒げるのかしら」


 と、ゼンもこれにはさすがに苛ついているようだ。

 もともと子供と相性は良くない性格なので、子供のような者とも相性はよくない。


「その苛立ちをぶつけるなよ」


「いくらなんでも私もそんなに子供じゃないわよ。これ位のことでキレないわ」


 そうだと良いのだが、俺はそう思いながらトレイを持ち食事をもらっていく。

 キッチンの方を進んでいくとそのトレイに即時が置かれていく感じだ。これなら混雑もしないし、進んでいくだけなので誰でも分かって楽だろう。


「本当にフードコードじゃない、主に有名なドーナツ屋の奴。」


「さっきからうるさいぞお前、思った事をすぐ口に出すな」


 俺はゼンに注意しながら、進み食事をもらっていく。

 騎士団の財政難はここにも影響しているらしく、全体的に野菜が多い。体の栄養を考えれば良いのかもしれないが、筋肉を付けるのなら肉を食べた方が良いだろう。


 申し訳程度にソーセージの二つあるが、これは気持ち程度だろう。

 ないよりまし、おそらくそんな気持ちで乗せられた物だ。


 そんな王都のように緑豊かなトレイを手に持って、俺たちはどこに座ろうかと食堂を見渡す。

 すると新人たちアーテーご一行が見えたので、俺たちはそこに向かうのだった。


 ここまで見ていただきありがとうございました。

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 それではまた次のお話で会いましょう。

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