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スマホのメモにちまちま打ってて、直すとき自分が分かりやすいように1行開いてます。

ページの長さがどれくらいが良いのか分からず1ページ事が短いです( . .)⁾⁾

この国は、常に白い霧に覆われていて季節により深さが変わる。


北側は一年中寒く、外套が欠かせない。


母は北側の生まれらしい。


生まれつき身体が弱く、北の空気が身体に障るため南側にある王都の近郊で療養していた際に父と出会ったと聞いた。


私が自分の力に気づいたのは物心がついた頃だった。


ある日、母は体調を崩し倒れた。


私は元気になって欲しくて願う。


「ママがはやくげんきになりますように」


すると、母は身体の痛みや息苦しさから一時的に解放され起き上がれるようになった。


母は驚きながら言った。


「ありがとう、元気がでてきたわ」


その時、父は嬉しいような困ったような顔をしていたと思う。


その日から母の体調が悪い日はいつも手を握り願った。


力を使うと母は良く言った。


“その力は私に似たのね、力は正しき事に使うのよ。けして悪いことには使っちゃだめ”


思えば母も不思議な力を持っていた、植えたばかりの花の種から直ぐに花を咲かせて見せてくれたことがあった。


私の力は未熟で不安定で母が長く起きてられる日もあれば、短い日もあった。


私は力の込め方や願い方を隠れて練習した、その時に霧が薄くなったり濃くなったり揺れ動くことにも気づいた。


母の体調は日を増すごとに悪くなる。


私の力では起き上がれる日も少なくなっていく。


それでも医者が言う余命より数年も長く生きた。


それは母が亡くなった日だった。


毎日元気になって欲しいと願ったのに、力の使い方も練習したのに叶わなかった。


(私はママを助けられなかった…もっと一緒に居たかった)


悲しみから父が呼ぶ声を無視して家を飛び出した。


外はもう薄暗かった。


私の家があるのは王都の中心から離れた町の外れで、最近ならず者達が路地裏に集まってきていた。


両親には良くない大人がいるから近づいてはいけないと言われている場所だったが、一人になりたくて人気の無い路地裏に入った。


淀んだ空気、沈むような深い霧の中を進んで行くとボロボロになった男の子がいた。


質の良い生地の服が裂け、ボタンは全て剥ぎ取られている。


やはりここには悪い人がいるらしい。


(きっと襲われたんだ、助けなきゃ…でもどうしたら…)


悩みながら男の子に一歩近づき、とりあえず


「……危ないよ」


と声をかけてみる。


男の子は私が現れたのを不思議そうな目をして見ている。


近寄ると頬には痣があり、腕は切れて血が滲んでいた。


「…血、出てる」


(痛みがなくなりますように…)


男の子に手を伸ばし、母にしたのと同じように願った。


男の子は目を見開き


「……なに、これ」


と聞いてきたが、自分でもこの力が何なのかよく理解出来ていない。


「……わからない。でも、苦しそうだったから」


本当に分からないので、そう答えた。


遠くで大人達の怒鳴る声が聞こえる、この男の子を探しているらしい。


男の子は


「……っ、逃げろ」


と言ってきたが、こんな傷だらけの男の子を見捨てることなんか出来ない。


私は少し考えた。


(誰からも見つからないようにするには…)


さっき男の子に力を使った時に沈んだ霧が薄く靄のようになっていた。


(もしそうなら、逆のことをすれば力を自分の内側にぎゅっと閉じ込めるようにしていけば周りの霧が“ここ”に集まってくるのでは?)


私は霧に対して力を使ったのは初めてだったが、考えた通りに霧はどんどん集まり濃くなって行った。


男の子はわけがわからないような顔をしていた。


見つからないようにするのは上手くいったようだった、先程まで聞こえた声も人の気配も消えた。


(閉じ込めた力が緩んだら、集めた霧が散ってしまう。私はそろそろ帰ろう…パパが心配してるはず)


「……ここにいていいよ」


男の子にそう声をかけ、その場を後にした。


私のその言葉に意味なんか無かった、その時の男の子が特別な意味に感じていたのなんてその時は知る由もない。


家に帰る途中、離れたところに高貴そうな馬車が止まった。


騎士たちが馬車を囲む中から誰かが降りてきたのを見て、あの男の子はきっと大丈夫だろうと安堵した。


このとき出会った男の子が誰かは一生知ることもたいだろう。


ただの町娘が貴族と知り合う機会など無いのだから。


私は母が亡くなった悲しみの方が大きく、時期にこの出来事は忘れた。


男の子を助けるために使った力があの馬車に乗っていた少年には気づかれていた。


私がそれを知るのはもっと先のことだった。

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