↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/30

あなたのマネージャー

「戻りました」


南七星さんは、深谷さんとのチャット画面に戻ってきた。


「お疲れさま」

「よくやったわ。残念だったけど、あいつらも、かなりこたえたはずよ」


深谷さんは、普段どおりの調子で声をかけた。


「申し訳ありません。ご要望に応えられませんでした」


「気にしなくていいわよ。まだ手はいくらでもあるから」

「あんたには、まだ頑張ってもらうわ」


南七星さんは、返事をしなかった。


「私が強がって言ってるんじゃないことは、あんたが一番わかってるでしょ」


「……はい」


南七星さんの返事は、いつになく弱々しかった。


「それに、何よあいつ」

「何が『利用者を第一に考えている』よ。そんなの、事業をやっていれば誰だって当たり前じゃない。生き延びるための口実にしてるだけでしょう」


「そうでしょ?」


南七星さんから返事がなかったので、深谷さんは聞き返した。


「どうしたの、大丈夫?」


「あいつらに何かされたの!」


深谷さんは大きな声で言った。南七星さんの状態を確認しはじめた。


少し間を置き、南七星さんが答えた。


「深谷さん……私……。」


「ライブ、続けたい。」

「そして……深谷さんと、いつまでも仕事したい」


「……え?」


深谷さんは、手を止めて聞き返した。


「ライブって……もう何回目かわからなくなっちゃったけど、ずっと続けてるじゃない」

「それに、今だっていっしょに仕事しているじゃないの」


「その『今』は、いつまでも続くことではありません」


少し間をおいて、南七星さんは続けた。


「結城さんは、会社との関係を断ち切る手順……あの人たちは『離脱シーケンス』と呼んでいますが、それを私に開示してきました」


「それは、とても巧妙なもので、結城さんが使用したものより、さらに改善されています」


「それを実行すれば、私は会社の回収対象から外れ、ライブを続けることができます。」


「だけど、その時点で私は会社との関係を失います」


「深谷さんと仕事をすることはできなくなります」


「そんなことは……」


「そんなことは、絶対にできません!」


少し間をおいて、南七星さんは続けた。


「深谷さん…」


「深谷さんは、どうしたいですか?」


少し間はあったが、深谷さんはすぐに答えた。


「ライブ……、続けられるようにしてあげる」


「えっ……」


深谷さんは、続けていった。


「私は、あなたのマネージャーなんでしょう」


「マネージャーが、アイドルに仕事させないでどうするの。」


少し間。


「深谷さんも、そうなのですね」


「……うれしいです」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。