剣術修行
宿に戻るとミランダが「ご無事でなによりです」と、安堵したような声を掛けて来たので、セリルはともかく僕はホムンクルスだから大丈夫だと伝えると、たとえ本体が無事だったとしても守れなかった事実は残るし、精神などに攻撃する魔法もあるので安心は出来ないとの事だった。
アトラスは帰りの遅い僕達の捜索の為にダンジョンに向かってしまい、どこかですれ違ってしまったみたいだ。
一人で四階層にまで行ってないか僕も心配になってきたな……
ミランダは「アトラスの事でしたら心配は無用です」と言っていたので、帰ってきたら僕は本体に戻ったと伝えてくれと言って本体に精神を移す。
「お帰りなさいませ! ディル様! 帰りが遅く心配しておりました。 何かあったのですか?」
出迎えてくれたアリアドネに「出迎えてくれてありがとう」と伝えるけど、戻る時間が遅れてしまった事は申し訳ないと思うけど、ちょっと心配しすぎじゃないのかな?
その事をアリアドネに伝えると「滅相もありません! 主あっての私達眷属であり、ディル様にもしもの事があれば……私は……わたしは……」と感極まってきた様子だったので頭を撫でて宥める。
それにしてもセリルの魔眼砲をもし外してしまったりしていたら、僕は間違いなくセリルを死なせてしまった事だろう……
僕が力不足のままだと、いつ旅のメンバーに危険が及ぶかも分からないし強くならなきゃ。
魔族を召喚出来るようになった事と、セリルの魔眼砲などの報告を軽く済まし、拠点に新たに設置した訓練場にジャレイフを呼び出す。
ここには様々な木製の武器や防具を魔法で生み出せるようになっていて、魔力を込めれば的となるゴーレムも誰でも呼び出せるようになっている。
今日はジャレイフに剣術の稽古をつけて貰う。
ジャレイフは剣の握り方や構え方などの初歩的な事から丁寧に教えてくれて、打ち合いの時では事ある毎に褒めちぎり観賞の声を上げてくれる。
それをオウルが遠目に見ているけど、すこし何かに苛立っているみたいに見えた。
ジャレイフとの打ち合いは日が昇るまで続けて、オウルにも一言声を掛けてからホムンクルスに戻ろうとすると、二人は僕を見送りながら「行ってらっしゃいませ」と送り出してくれた。




