人口の減った家
明るい空を飛んで家に帰ると、ちょうど大量の洗濯物を干し終えたかんながレポートのためにも残りの家事をさやかにお願いして家を出たところだった。
慌ててドアの隙間めがけて全力で飛ぶ。
「いってきます、よろしくね」
「わかってます。いってらっしゃい」
バタン、とドアを閉じられるが、滑り込みセーフ。普段結城が窓を網戸にして開けているのだが、オレにとっては結構重労働なんだ。あの網戸、最近ガタがきてるのか開きにくいんだ。今度結城に言っておかないと・・・。だんだん冷えてくるこの時期、家に入れないのは身体的にはぜんぜん大丈夫だが、精神的にはかなり嫌だ。
さて、何もすることがない・・・・。
家にいるもう一人、さやかの仕事は買い物用のメモを書いておく事と食器を洗っておくことのようだ。
早々に食器を洗い終えると、冷蔵庫と床下収納庫を確認して必要なものを最低限書いておく。ちなみ達が無理なく持てる量にしておくところがとても優しくて○だ。値段もちゃんと考えて予算をたて、特売のチラシも数枚おいておく。ある程度の用意をしておけばちなみの天才的な頭による短時間の計算と、るりこの時間配分や注意力で自分たち以上の成果を挙げてくれることもある為、今日も期待大だ。
さやかも決して少なくない期待をしながら用意を終えると、自分の勉強へと入る。
でも、そんな真面目なさやかもやっぱり勉強は好きにはならないらしい。早めに切り上げると、最近始めた仕事に取り掛かっていた。
就寝時とは違う静けさはお昼寝にも室内冒険にも絶好なときである。
でも、今日は天気もいいから日当たりのいい場所でお昼寝したい。結城の部屋から柔らかいオレ専用にと買ってくれたクッションを引っ張り出して窓際で寝た。いや、朝寝れなかった分であっていつもこんなにグータラじゃないからね!?