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武士の子孫、異世界を制す  作者: ふみぃ


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白の一団

「国境を越えれば別の世界だとはよく言われているが」


 中心である|聖都«せいと»を目指している道中、二十個目となる女の石像を見つけた。


「この国は光の女神を|祀«まつ»っているそうだ」


 右手にはあらゆる方向へ|棘«とげ»が伸びた|穂先«ほさき»の着いた|長物«ながもの»、左手には多くの実が着いた枝を持っている。


 頭からは顔が見えない程の長さをした布が被っており、その頭の上には十二の方向に|棘«とげ»が伸びた輪が乗せられていた。


「ふん、神などと」


 アキが|不機嫌«ふきげん»そうに|呟«つぶや»く。


「お前達|妖«あやかし»は神と争っているとあったが、本当か?」


 妖は人間を襲い、神は人間を守る、向こうの世界では基本的にこのような構図だと書かれていた。


 だとすれば|衝突«しょうとつ»する機会は多いのでは無いかと考えられる、|悪戯«いたずら»程度の物であれば|出張«でば»る事は無さそうだが。


「そのような事が出来る者は|極一部«ごくいちぶ»の|上澄«うわず»みだけよ、全く|忌々«いまいま»しい……」


 どうやら神に対してあまり良い記憶は無いようだ。


 再び現れた石像の足元に、果実や花束が置かれているのが見えた。


「|供«そな»え物だ、人里が近いか」


「石像の場所を覚えておけ、それで何時でも腹を満たせる」


「腹を壊すぞ」


「ふん、人間とは作りが違うわ」


 確かに|頑丈«がんじょう»なのだろうが、拾い食いは褒められるような事では無い。


「この世界ではなるべく|控«ひか»えてくれ」


「ならば我を|飢«う»えさせない事だな、そうすれば考えてやる」


「分かった、共にいる間は腹を満たしてやろう」


 食べる量も酒を飲む量も大体|把握«はあく»出来ている、|余程«よほど»放置でもしない限りは起こり得ないだろう。


――

 |暫«しばら»く走り続けていると、人がいるであろうな建物が|幾«いく»つも見えてきた。


 だが、本当に人が住んでいるのかは分からない。


「街を|囲«かこ»う外壁が無い」


 街に必ず設置されているような外壁が無く、|何処«どこ»からでも|侵入«しんにゅう»が出来るようになっている。


 例外として私の村にはそういった物は設置されていないが、それは|武«ぶ»に自信のある者達が多くいたからであり、王国であれば小さな村であっても|大抵«たいてい»囲いはあるものだ。


 |国境«こっきょう»で見た白い鎧を|纏«まと»った騎士が数人|巡回«じゅんかい»してはいるようだが、昼は遠目の相手を目視できるとして夜の間はどうするのだろうか。


 街の中へ足を踏み入れるが騎士達は此方を|一瞥«いちべつ»するだけであり、特に警戒などをされている様子もない。


「なんだ、あの|薄気味悪«うすきみわる»い|白染«しろぞ»め共は」


 アキの視線を追って見ると、全身を白い服で|揃«そろ»えた集団が外で見た石像の前で祈りを|捧«ささ»げていた。


 周りを見渡せばここの住人らしき者達は皆一様に白い衣服を身に着けており、白の無い私達の方が異質なのだろう。


「出身地の目安にはなりそうだ」


「それを知ってなんになる」


「相手を知れば物事を|円滑«えんかつ»に進めることが出来る」


 だからといって特別何かをする訳では無いが、|些細«ささい»な問題を回避する事には役立つだろう。


 視線を集めながら街中を進んで行くと連盟の看板が見つかった、だが向こうで見てきたものよりも大分小さく、中から騒ぎ声も聞こえて来ない。


 荷台を置き中へはいるが、|迎«むか»えられたのは人々の声ではなく、歩く度に|軋«きし»む床板だけだった。


 |併設«へいせつ»された酒場は無く、冒険者の姿も見えない。


 あるのは何も貼られていない依頼板と、人の立っていない受付だけであった。


「見事にもぬけの殻だな、夜逃げでもしたか」


 アキは我が物顔で受付の台に座る。


「連盟がそのような事をするとは思えないが……」


 連盟の組織にも大小あるとは聞いているが、人がいる限り依頼は産まれるものだ、|廃業«はいぎょう»まで追い込まれる事は無いだろう。


「この国の地図が手に入ればと思っていたが仕方が無い、他を当たろう」


 本当ならば連盟で地図を受け取り次第街を出るつもりであったが、明日出ることを視野に入れておくとしよう。


「ちっ、面倒な」


 他の連盟へ向かう為に建物を出ようとすると、扉の前に人の気配が現れた。


 足を止め扉が開くのを待つと、|中肉中背«ちゅうにくちゅうぜい»の男が|酒瓶«さかびん»を片手に中へ入ってきた。


 そして、視線がぶつかるとその動きが静止する。


「……な、なんだお前ら、この国の出じゃねえようだが」


 |酷«ひど»く|困惑«こんわく»した様子だが、|舐«な»められないようにしているのか口調が強い。


「私は連盟員だ、ここには地図を買いに来たのだが他に誰もいないのか」


 信じてもらう為に連盟具を見せると、|警戒«けいかい»した表情が|幾«いく»らか|和«やわ»らいだ。


「……連盟員か、地図ならあそこから勝手に持ってけ」


 男は紙の束が置かれた机を指さすと、入り口とは別の扉を開ける。


「ここには依頼は無いのか?人も居ないようだが」


「依頼なんかずっとねえさ、ここだけじゃなく他の連盟もな」


「どういうことだ?」


 だが男は話は終わりだと言いたげに、扉の向こうへと消えてしまった。


 一先ず|埃«ほこり»の被った紙の束から地図を一枚引っ張り出し、綺麗に|拭«ぬぐ»ってから|懐«ふところ»にしまう。


 その後も幾つかの連盟を|巡«めぐ»ってみたが、どこも状況は似たようなものであり、人も依頼もごく|僅«わず»かといった状況となっていた。


 唯一残っている依頼も庭の手入れや倉庫整理などの力仕事ではあるが、戦う力の不要なものぐらいであった。


「依頼を受けないんならどいてくれ」


「ああ」


 依頼板の前から離れ、今は使われて居ない酒場の席に座る。


 観察を続けて分かったことは、誰一人として私のように|武装«ぶそう»を身に着けていないといった事だ。


 連盟員達が依頼を引き受けて出発していくのを見送ってから、受付の方へと足を動かす。


 職員も最低限の数しか雇われていないのか、受付嬢と依頼などの書類を|纏«まと»めている者の二人しかいない。


「どうかされました?」


「この街には魔物や賊の討伐や、移送護衛などの依頼は無いのか」


「……もしかして、国外から来られた連盟員の方ですか?」


「ああ、王国から来た、向こうでは主に戦闘の依頼が多かったがこちらでは違うのだな」


 戦闘以外の依頼も確かにあったが、それは新人や引退間近の人間に任されるものであり、連盟員が主とする仕事ではなかった。


「そうですね……、この街、いえこの国の連盟は戦闘以外での依頼が多くなっています」


 多くなっている、昔からそういった事をしていた訳では無いということだろうか。


「かつては違ったということか?」


「はい、以前は他国と同様に魔物や盗賊の討伐依頼が多く出されていました」


 以前は多くあったのならば、街にはなぜ外壁が設置されていないのか。


「ですがある日を|境«さかい»に魔物がパタリと消えてしまったそうです」


「魔物が消える……」


 それまで|頻繁«ひんぱん»に現れていた魔物が急に消えるなどあり得るのだろうか、人類史が誕生するより以前から存在した事が確認されているというのに。


「そして騎士の戦力を|治安維持«ちあんいじ»に|割«さ»く事が出来るようになった結果、盗賊も数を減らしていったそうです」


「理由は分かっているのか?」


「いえ、私もこの件についてはそこまで詳しい訳ではないので……」


「そうか」


 なぜ街の守りがこんなにも薄いのかは分かったが、原因を探るにはまだ調べる必要がありそうだ。


 とはいえ今は優先すべき事がある為、これ以上深入りするつもりはないが。


 連盟を後にし、腹が減ったと言うアキに食事を|摂«と»らせてから街中を歩いていると、白の一団を率いている者に声を掛けられた。


「君達は国外から来た人かな?」


「ああ」


 背中には白い装飾のされた美しい大剣を背負っているが、使用する事は考えられていないのか持ち手と|鞘«さや»に|鎖«くさり»が巻き付けられている。


 後ろに控えている者達は皆石像が持っていた槍と同じ物を持っており、皆共通して白い布で顔を隠されている。


「もし良ければこの国に来た理由を教えて貰えないかな」


 この服装からして騎士と同じ国側の人間であることは分かる、だが|安易«あんい»に妖刀の事を話して良いものか。


「そんなに|警戒«けいかい»しなくても大丈夫、僕等は君の味方だよ」


 いや、国側の人間であるならば、大聖女に会う為には話を通す方が事が進みやすいだろうか。


「お前達は何者だ」


「僕達はラクスラチア聖会の聖人さ」


「……」


「ふふ、よく分かってないって表情をしてるね」


 口の辺りであろう位置に手を当て|愉快«ゆかい»そうに笑う男。


「良ければ|聖導会«せいどうかい»に来てみない?この国ついて色々と教えてあげるよ」


 興味はあるが、ここには学ぶ為に来た訳ではない。


「私は大聖女に会う為ここに来た」


「だ、大聖女様……!?」


「大聖女様に会うだと……!」


 背後に|控«ひか»えていた者達が急にざわめきだす。


「うーんどうかな、あのお方には限られた期間に限られた人しか会えないんだよ」


 それ程までの人物なのか、大聖女という者は。


「どうすれば会うことが出来る」


「聖導会に来てくれるなら教えてあげるけど、どうする?」


 この場では話せない内容ということか、それとも何か別の|狙«ねら»いがあるのか。


「案内してくれ」


「うん、じゃあこっちに付いて来て」


「おい……」


「安心しろ、前のような事は起こさせない」


――


「ここがラクスラチア聖導会だよ」


 天を突くような鋭い構造をした塔が八本が|連«つら»なり、白一色に染め上げられた外壁は、日の光を|浴|«あ»びて輝いている。


「さあ、中へどうぞ」


 扉が開かれると同様に白で埋め尽くされた内部を、|硝子«がらす»を通ることで色の変わった光が照らしていた。


「美しいな」


「ありがとう、白と光はこの国の伝統であり|誇«ほこ»りなんだ」


 |信仰«しんこう»の気持ちだけでその姿をしていると考えていたが、彼等は自国を本当に|想«おも»っているようだ。


 聖導会の中では奥に建てられた巨大な女神像に向けて、人々が|祈«いの»りを|捧«ささ»げていた。


「こちらの部屋にどうぞ、僕は隣に入るから」


 開かれた部屋の中には椅子が一つだけ置かれ、壁に空けられた小窓には|垂«た»れ布が掛けられていた。


「お前は外で待っているか?」


 アキは返事もせず中へ入ると、一つしかない椅子に座り込んだ。


 ここにいるという事なのだろう、分かりやすい意思表示だ。


 部屋の扉を閉めてから、アキごと椅子を持ち上げてて|端«はじ»に寄せ小窓の前に立つ。


「早速話をする前に、一応この部屋について説明するね」


 小窓から男の声が聞こえてきた。


「ここは|授«さず»け部屋、分かりやすく言うならば人生相談が出来る場所だよ」


「授けというのは|神託«しんたく»か」


「ううんそうじゃないよ、神託が受けられるのは聖女様だけだからね、ここは僕達人間が最大限に|知恵«ちえ»を集めてどうにか幸せに向かってもらう場所」


 幸福にするのではなく、幸福に向かわせる。


 救おうとする意思を否定する訳ではないが、無責任に救うと言うよりも信用が出来る言葉だ。


「もちろん外に声は聞こえづらくなってるから、安心して話してくれていいよ」


「私は人生相談をする為に来た訳では無いが」


「分かっているよ、でも聖国に来たのは何か目的があっての事でしょ?だったら今の状況は悪くないと思うな」


 確かに妖刀については|公«おおやけ»で話したくはない、それに大聖女の関係者と邪魔をされずに話せると考えれば良い環境と言える。


「さて、まずは自己紹介から、僕はラクスラチア聖会の聖人『サンドラ』」


「私の名はアルマ=リュウガンジ、訳あってこの国に来た」


 アキは名乗る事も無く、腕を組んだまま瞼を閉じていた。


「じゃあ、何が聞きたいかな」


「大聖女にすぐ会える方法が知りたい」


「うん、まず言っておくと、明日明後日で会うというのは不可能だよ」


 聖国にとっての重要人物だ、それは分かってはいる。


「でも近道と言えるものは二つある」


「教えてほしい」


「まず一つ目はラクスラチア聖会に入って聖人になる事、だけどこっちはお|勧«すす»めしないかな」


 聖国出身ではない人間であっても入ることは出来るのか。


「僕の立場で言うのも何だけど、他国の人には聖会の|戒律«かいりつ»は|厳«きび»しいだろうからね」


 |宗教«しゅうきょう»にはしてはいけない事を|縛«しば»る|戒律«かいりつ»というものがある、私の生まれである王国でも信仰されている宗教はあるが、そこまで厳しいものでは無いと聞いている。


「どのようなモノがあるんだ?」


「例えば|生涯«しょうがい»において|伴侶«はんりょ»を作らないとかかな、これは聖人になった男性に限定されるけどね」


「ふん、|随分«ずいぶん»と|嫉妬«しっと»深い神も居たものだな」


 アキが小馬鹿にしたように鼻で笑う。


「あはは、そうかもね」


 主神を馬鹿にされたというのに男の余裕を感じさせるような口調のままで、声音も変わらず|穏«おだ»やかに聞こえる。


「それでどうする?聖人になってみる?」


「決めるのはもう一つを聞いてからだ」


「あれ?この戒律は嫌じゃ無いんだね」


「それで目的が果たせるのならば構いはしない」


 |婚約者«こんやくしゃ»などが居るのならば選ぶべき選択肢では無いのだろうが、そのような相手の居ない今の私の状況ならば誰にも迷惑を掛けることも無い。


「おおカッコいいね」


「神にくだるなど止めておけ、ましてや|下僕«しもべ»共に|嫉妬«しっと»して|番«つが»う事を禁ずる|狭量«きょうりょう»な女だ」


「言い過ぎだ、|信徒«しんと»の前だぞ」


「ふん、我の知った事では無いわ」


 |随分«ずいぶん»と神に対しての当たりが強い、それ程までに嫌うとは一体何があったのだろうか。


「はい|喧嘩«けんか»しない、ところでアルマ君は仲良くしてる女の子は多かったりする?」


「友人と呼べる相手は居るが、それほど多くは無い」


 |故郷«こきょう»に居た間や旅に出た後も女性と|交流«こうりゅう»をする機会はあった、だが友人となる程に言葉を交わしたのは数えられる程度だ。


「なるほど、やっぱりアルマ君は聖人にはならない方が良いね」


「どういうことだ」


「僕達ラクスラチア聖会には人を幸福に|導«みちび»くって教えがあるからだよ」


「そうか……」


 人を幸福にする場所と言われてしまえば、少なくない数の命を|奪«うば»った私には|相応«ふさわ»しくないように思えてしまう。


「ではもう一つの方は」


「……もう一つの選択肢は|聖騎士«せいきし»になる事」


「聖騎士、街に居る白い|鎧«よろい»を|纏«まと»った者達か」


 |聖騎士«せいきし»の中に故郷の出身の者が居ると以前聞いたことがある、であれば私であっても入れるかもしれない。


「そう、彼等の役割は聖国の治安を守る事、そして聖女様や大聖女様を|御守«おまも»りし支えること」


 聖騎士になり大聖女の|護衛«ごえい»の|機会«きかい»が|巡«めぐ»って来たとして、果たして会話をする事が許されるのか。


「お前達からすれば大聖女は|尊«とうと»い存在なのだろう、私が聖騎士になったとして願いを聞き入れて貰えるのか」


「そうだね、大聖女様は|主神«しゅしん»様の|代弁者«だいべんしゃ»と呼べるお方だから、目を合わせる事さえ難しいだろうね」


「ならばどうすればいい」


「まずは聖騎士として|功«こう»を立てる事、そうすれば直接の|護衛«ごえい»を任せられる可能性が高くなる」


 とは言えど魔物は出てこなくなり、盗賊もその数を減らしている|筈«はず»だ、騎士なったとて果たして|戦果«せんか»を|挙«あ»げる機会など|訪«おとず»れるのか。


「そしてアルマ君にとって|都合«つごう»が良い事に、聖都では近日『|豊穣祭«ほうじょうさい»』が開かれてね」


「豊穣祭……」


「一年の|収穫«しゅうかく»を感謝し次の年の豊穣をお願いするお祭りで、そこで聖女様方から聖騎士対して守護の感謝を伝える習慣があるんだ」


「そこで大聖女に伝えろということか」


「そういうことだね」


 確かに近道とも言える、|尤«もっと»も実際に会う為には問題が起きる事を願わなければならないという心苦しさはあるが。


「聖騎士になるには何処へ行けばいい」


「近くに聖騎士団の支部があるからそこで入団試験を受けるといいよ、|紹介状«しょうかいじょう»は僕が書いてあげるね」


「よろしく頼む」


 国外から来た者にここまで世話を焼くとは、これも聖会の教えなのか、それともただ人が良いだけなのだろうか。


 どちらにせよ出会いに感謝しなければ。


「聞いても良いだろうか」


「もちろん、いくらでも質問してくれていいよ」


「なぜ街の外に魔物が出現しなくなったんだ」


「ああそれはね、大聖女様が産まれたからだよ」


「どういうことだ?」


 幾ら大聖女とは言えど、たった一人が産まれただけで魔物が現れなくなるなどあり得るのだろうか。


「大聖女様は主神様の代弁者と言ったけど、力を継ぐ者でもあるんだよ」


「それは、主神の力を|振«ふ»るえるということか……?」


「そう、主神様は光と|豊穣«ほうじょう»の女神、その光は魔を|祓«はら»い命を|芽吹«めぶ»かせる」


「だから魔物が出てこなくなったと」


「そういう事だね」


 それが事実とすれば正に神のような力を持っていると言える、ならば妖刀の呪いを|祓«はら»う事も出来るだろう。


 だとすれば街に壁が作られていないという状況にも一応の納得は出来る。


 とは言えど大聖女も人間であるならば|寿命«じゅみょう»も無限では無い|筈«はず»だ、私からすれば不意に命を落としてしまう事に|備«そな»え、戦う力の無い者が居るならば壁は立てえおくべきだと考えてしまうが。


 この国の人間では無い私が言うべき事では無いだろう。


「聞きたい事は聞けたかな?」


「ああ、次に行うべき事が分かった、感謝する」


「どういたしまして、僕も役目が果たせて嬉しいよ」

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