第92話 島の真実──女神が語る“創造の理由”
山頂の遺跡に現れた“島の女神”は、静かに4人を見つめていた。
その瞳には、海の深さも、大地の重さも、風の優しさも、すべてが宿っている。
サーヤは緊張で背筋を伸ばし、ミィは静かに拳を握り、リュミナは風の流れに耳を澄ませ、壮真は一歩前に出た。
女神は柔らかく微笑む。
「まずは……あなたたちに謝らなければなりません」
「……謝る?」
女神は静かに頷いた。
「ええ。あなたたちを──無断でこの島へ召喚したのは、私です」
サーヤは目を丸くした。
「むぅぅぅ!?やっぱり神様が連れてきたのだ!!でも……なんでなのだ!!?」
ミィは女神をじっと見つめる。
「……むりやり……?」
リュミナは胸に手を当て、少し悲しそうに言う。
「私たち……いきなり連れてこられて……大変だった……」
女神は深く頭を下げた。
「本当に……申し訳ありません。あなたたちの意思を尊重できなかったこと、心からお詫びします」
壮真は息を吸い、静かに問いかけた。
「……じゃあ聞くけど。この島は……いったい何なんだ?どうして俺たちはここにいる?」
女神はゆっくりと顔を上げ、遺跡の中心に視線を向けた。
「この島は──四つの世界から選ばれた者たちを集め、協力し、家族となるように創られた島です」
「むぅ!?家族になるための島なのだ!?」
ミィは小さく首を傾げる。
「……なんで……?」
リュミナは風の流れを感じながら言う。
「四つの世界……私たちの世界と……サーヤの世界と……ミィちゃんの世界と……壮真の世界……?」
女神は優しく頷いた。
「そうです。あなたたち4人は、それぞれ違う世界から来た。違う文化、違う価値観、違う生き方。けれど──共に生きれば、必ず“家族”になれる」
「……それが、この島の目的?」
「はい。この島は“調和”を学ぶための場所。異なる世界の者たちが、互いを理解し、支え合い、新しい絆を築くための……試練の地です」
サーヤは腕を組んで唸る。
「むぅ……でも、なんでそんなことをするのだ?家族になるために……なんでわざわざ島を作るのだ?」
女神は少しだけ表情を曇らせた。
「それは……この島だけが特別ではないからです」
「……どういう意味だ?」
女神は静かに語り始めた。
「この島のような“試練の島”は……この世界に、いくつも存在します」
「むぅぅぅ!?いくつもあるのだ!!?」
ミィは目を細める。
「……ほかにも……ひと……?」
女神は頷く。
「はい。この島は“私”が創った島。しかし──別の神々が創った島も存在します」
「……つまり、俺たちみたいに召喚された人が……他の島にもいるってことか?」
「その通りです。それぞれの島には、それぞれの神がいて、それぞれの“4人”が召喚され、生活し、協力し、家族となるように導かれている」
リュミナは風を感じながら呟く。
「……私たちだけじゃないんだ……同じように……頑張ってる人たちが……」
サーヤは拳を握りしめる。
「むぅ!!じゃあ……なんでそんなにたくさん島があるのだ!?何のためにそんなことをしているのだ!!?」
女神は静かに目を閉じた。
「それは──この世界が、いずれ“選択”を迎えるからです」
「選択……?」
女神はゆっくりと目を開き、4人を見つめた。
「あなたたちが家族となり、絆を深め、互いを理解し合うこと。それこそが──“選択”の鍵となるのです」
風が静かに吹き抜け、遺跡の光が揺らめく。
サーヤ、ミィ、リュミナ、壮真──4人は言葉を失い、ただ女神の言葉を待った。
女神は続ける。
「あなたたちには……まだ伝えなければならないことがあります。この島の真実の“続き”を」




