トワの素質
私はこのトワと名乗る少女と出会っていきなりソウと呼ばれることになったわけだが、まずはトワの身元を確認して親に引き渡すためにとりあえずギルドに向かうことにした。
「トワ……だったかな? 親のこととか教えてもらってもいいかな?」
「うーんと、お父様とお母様がいるよ?」
どうやら私では会話にならないようだ……
「君は何歳なんだ?」
「わたしはねー、五歳!」
……まぁ、無理もないか……
………
ギルドに着いてこの子の身分を調べてもらう。
「えーとですね、この子エルフの子じゃないですか、知り合いの子どもだったりしないんですか?」
「……? まぁ、そうだ」
自分がエルフに化けているのを忘れていた…… 数年も生活すれば気にしなくなるものだったからな。
「そのですね、特に情報がないんですよ、エルフの子の行方不明届は出ていませんし、まずここらへんの地域ではエルフという種族自体が少ないんですから……」
「そうだな、トワ、お前はどこから来たんだ?」
「うーんとね、森の方から出てきたら迷っちゃって人間の街まで出てきたんだよ!」
「そうか、すみませんがギルドでは何もわからないようなのでこの子は私が親を探します」
「そうですか……森の方はエルフの領域ではあるとされていますが誰も所在を知らなくて……あ、でもあなたもエルフでしたから関係ありませんでしたね」
隠蔽されているのか、これはまた厄介なものを仕掛けているな。まぁ、すぐにこの子を帰らせることもできるだろう。
「トワ、お前の親のところに行くぞ」
「帰るの?」
「そうだ、帰るんだ」
こうして私達は街を出て森に向かうことにした。
……
街を出てから約半日が経った頃、道端の魔物を狩りながら進んでいた私を見てトワが魔法を習いたいと言い始めた。
「わたしもソウちゃんみたいに魔法使ってみたい!」
「……魔法が使えないのか?魔力の量は今まで見てきた誰よりも多いと思うが」
「魔力量?」
「知らないのか、なら教えてやろう」
この世界で魔法を行使するためには魔力がいる。この魔力の量は弱い魔法ほど消費が少なく、強い魔法ほど消費が多い。また、魔力量の素質は生まれた種族、育ち方、鍛え方によって差が出る。この子は人類の中でも今まで見た上位に食い込む魔力量を幼いながら持っている。
……魔力に関しては私は自力で生産できるから人類の魔力量なんて気にしてはこなかったが。
「ソウちゃんは魔力がたくさんあるってことだよね!」
「そう捉えてもらっても構わない」
「ソウちゃんの周りにはきれいな光がいつも見えていいよねー、それが魔力なんでしょ?」
「……」
いや、違う。トワは精霊が見えている?本来普通の人間には見えないはずだが、ただしこれでこの子に教えるべき魔法も決まった。
「トワ、それは魔力じゃない、精霊と言うんだ、君には《精霊魔法》の素質がある」
「せいれいまほう?」
「そう、この光を自分の意志で操るように念じれば次第とできるようになるはずだ、この光には意思がある、それは人を見極める」
「じゃぁこの光は大切にすればいいってことね!」
なんとも飲み込みが早い子だ。人類にもこんな者がいるのだな。乗りかかった船だ、この子に《精霊魔法》を教えてから続きは進むことにしよう。
「トワ、せっかくだし練習していくぞ」
「うん!」
私はとても気分が良かった。




