街並みは古くも新しい
トワのギルドカードの作成と私の分の更新が済んで、私たちはギルドを出た。
「ソウちゃん、あそこって何するところなの?」
「主に人間の仕事の依頼が集まるところだな、そこで仕事をして生計を立てるらしい」
「なんでちょっと曖昧なの?ここに住んでたんじゃなかったっけ」
「私は別に寝なくても食べなくてもいいからな」
「ソウちゃんやっぱり健康的じゃないなー」
トワがあきれたような視線で私を見てくる。どこにあきれる要素があっただろうか?
「それで次はどこで何をするの?」
「今日はもう夜になってしまったから宿をとって寝る、といった感じだ」
「嘘、ソウちゃん毎日寝てないでしょ」
「トワの場合の話だ。私は寝なくていいと言っているだろう?」
「……不健康」
やはりどこにあきれられているかわからない。
「……宿はここにしようか」
「おー、これはまたまたワクワクする作りの建物ですなー」
「それは口癖なのか?」
「そうかも?」
私達は宿に泊まることができ、自室へと向かった。
「おおー!これはすごい部屋ですなー」
「このような部屋は一般的だぞ」
「それでもわたしからすると珍しいものなんですー」
「それもそうだな」
トワが早速ベッドに飛び込んでゴロゴロと回転し始める。
「おおおー!ベッドもちゃんとしているものですなー」
「この宿は気に入ったか?」
「それはもちろん」
「なら、この街での活動拠点はここにしようか」
「異議なし!」
トワが元気な声で答えてくれた。よほど気に入ったのだろう。気に入らなかったら私が創り変えようとも思っていたがその必要はないらしい。
「とりあえず、食事をとって寝ようか」
「はーい!わたしお風呂も入りたいでーす」
「あるぞ、この部屋にある物は何でも使っていいぞ」
「やった!」
そうしてトワが食事をとり、風呂で私がトワの背中を流し、寝る準備をさせた。すっかり寝静まったと思った頃、トワが話しかけてきた。まだ寝ていなかったらしい。
「ソウちゃん、ありがとね」
「何に対しての感謝だ?」
「旅に連れて行ってくれたこと」
「なら、その感謝は集落に戻った時に君の母にするといい、この旅を提案したのは君の母だからな」
「……そっか、お母さんが……」
少しの間、トワは黙っていたが、また話しかけてきた。
「ねぇソウちゃん。私は何をしたらいいかな?」
「トワがやりたいことなら私は何でも付き合うさ、これは私の旅であり、トワの旅なのだから」
「そっか、じゃあたくさん冒険したいなー」
「冒険……か」
「そ、いろんなところに行っていろんなことをしたい」
「ならば私はそれに付き合おう」
「ソウちゃんはなにかしたいことある?」
「私は……そうだな、人類について知りたいと思った」
「えー、ソウちゃんはなんだか固いなー。私は十分ソウちゃんは人らしいと思ってるよ」
「私は人らしいのか?」
「……」
「……トワ?」
どうやら寝てしまったらしい。それにしても私が人らしい、か。トワと一緒にいたこの数年で人について詳しくなれたのだろうか?
「明日も早い、よく寝るんだぞ」
トワは聞いていないだろうが、私はそう声をかけた。




