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でっっ

 ◇◇◇


 陰陽師協会埼玉県支部は突然の一級以上の妖怪の出現に蜂の巣をつついたような騒ぎとなっていた。


「おい! 一級陰陽師の要請を!」


「していますが、どこも一級陰陽師は予定が埋まってます! 県知事から早急な対応要請が十分置きに来ています!」


「どう見ても一級以上だろ、あれ。誰が出るんだ?」


「誰も出さない訳にも行かないですからね……副支部長である春野二級陰陽師が出ることになりそうです」


「やはり春野さんか……もう動いていらっしゃるのか?」


「三級陰陽師五人と共に、支部を出ました」


「見た目だけで、二級以下の可能性も……」


 そう言った職員の顔は暗い。

 そして春野を乗せた車が現場に到着する。


「ええ……でかすぎるでしょ、あれ。絶対無理だって……超〇型巨人並に大きいじゃん」


 春野はがしゃどくろの大きさを見て、そう呟いた。

 顔は大きく歪み、自分の不幸を呪った。


「テレビの中継だらけですね。そこら中にヘリ飛んでますよ」


「見世物と勘違いしやがって」


「見た目からして、恐ろしすぎる……控え目に言っても化物」


 無理やり呼ばれた六人の士気は低い。

 正直人身御供とすら思っていた。


「幸い、まだ暴れては居ませんからね。支部から貰った護符と勾玉を消費して最大の陰陽術をぶつけましょう」


 がしゃどくろはおとなしく、何かを探しているかのように首だけを動かしている。

 六人は護符と勾玉の準備を済ませ、呪を唱え始める。


「「「「「「——―――全てを焼き尽くし、灰塵とせよ。火行・蒼天龍火(そうてんりゅうび)!急急如律令!」」」」」」


 六人の数分に渡る呪が唱え終わると同時に、勾玉が割れる。

 そして、巨大な蒼炎の龍が六人の間から現れた。

 二級陰陽師の春野他六人は全てを使いつくしたように、膝をつく。

 その顔色は悪く、戦闘可能とは到底思えない姿だ。


(頼む……これで祓ってくれ……これで祓えないとなると、千葉県に大きな被害が出る)


 蒼炎の龍は意思を持っているかのように動くと、そのままがしゃどくろに襲い掛かった。

 がしゃどくろはそれを片手で受け止めると、その龍を握りつぶした。

 龍は一瞬で爆ぜ、周囲に蒼炎をまき散らし、消えた。


「なっ!? なんだと⁉」


「嘘だろっ!?」


 六人が全てを込めた一撃は一瞬で潰されてしまった。


「どうしますか……?」


「て、撤退だ。俺達の勝てる相手ではない……! こ、殺される!」


 春野達は格の差を感じて、すぐに撤退を表明した。

 春野二級陰陽師の撤退はすぐさま全国に報道され、がしゃどくろの見た目も相まって日本中を巻き込む騒ぎに発展した。


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