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己がため  作者: 助殺
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宿とクエスト

更新が不定期ですいません。これからも不定期で更新となりますが、よろしくお願いします。精一杯書かせていただきます!


アシュについていくと、古びた三階建ての宿に案内された。外見とは裏腹に、中は掃除がしっかりとされてあり、清潔感にあふれていた。


カウンターで女性を呼び、連れてきた。


「女将さん、一部屋空いてたでしょ?そこにこいつを入れてあげてくれない?女将さんと同じハザマ人だしどうかな?」


どうやら、彼女は俺と同じプレイヤーでこの宿の店主らしい。そして、アシュは彼女に宿の交渉をしてくれているみたいだ。


「あんた、今いくら持ってんの?」


「70ペルだな」


「ここは一泊朝夕食付きで最低でも100ペルはするんだけど、アシュの頼みだし、明日の朝までってことなら夕飯付きで70ペルにしてあげる」


「それは有り難い」


こうして俺の宿はなんとか確保できたのだった。

アシュは俺の部屋が決まると何処かに行ってしまった。その日は宿の暖かい夕飯を食べ、すぐに眠った。ゲームの中とはいえ、一日過ごしたことで相当疲れていたのだろう。


翌朝目覚めると、見慣れない天井に少し驚いたがゲームの中であると思い出した。今日の予定は、当面の資金調達と情報収集だ。資金がないことにはこの宿も借りていられないし、何よりゲームの世界を満喫することはできない。可能であれば、アシュから色々と聞きたいと思っている。アシュはどこにいるかわからないが、プレイヤーだという女将さんに聞けばいいだろう。早速、一階のカウンターに行き、女将さんを呼んだがログアウト中のようでいなかった。


「いないなら仕方がない。ギルドでクエストでも受けて資金を集めるとするか」


冒険者の朝は早い。クエストは基本的に早い者勝ちである。そのため、良い条件のクエストを求めて冒険者は早朝からギルドにくる。我先にとボードからクエストを取る様子は、波のようだ。


その波ににのまれないように、少し距離をとりクエストを見ていた。


「F1の俺が受けれるクエストは、昨日倒したゴブリンの討伐依頼・薬草の採取・スライムの討伐依頼の三つだけか。カレンさんに、ゴブリンとスライムの討伐依頼を二つ同時にできるか聞いてみるか」


依頼書を二つ取り、カレンさんのところに持っていく。


「レインさんおはようございます。依頼書を二つ持ってどうなさったんですか?」


「おはようカレンさん。実は、二つ同時にクエストを受注する事は可能なのか知りたくて」


「それは可能ですけど…。大丈夫何ですか?失敗したら、ギルドとしてはレインさんの評価を下げなければなりませんが…」


「大丈夫ですよ。ゴブリンは何度か倒した事がありますし、スライムくらいゴブリンが倒せるなら余裕ですよ」


楽観的な俺に対して、カレンさんは心配そうにしている。


「そうですか、わかりました。では、ゴブリン10体とスライム10匹の討伐依頼頑張ってくださいね!」


さて、無事クエストは受注できたわけだが、ゴブリンとスライムの生息地がわからない。一応、俺が最初にスポーンした森にゴブリンはあるが馬車で1時間半はかかるだろう。流石に遠い、まず文無しの俺には馬車を乗る金さえない。


「どうしたもんか…」


「今日はあそこのダンジョンの3階層目指そうぜ!」


3人の冒険者達の会話にダンジョンという言葉が聞こえたが、近くにダンジョンがあるのだろうか?


「すまん。君たちダンジョンって、今言ってたが近くにダンジョンがあるのか?」


「知らないのか?町から出て西に徒歩で1時間くらいの村に小さい踏破されたダンジョンがあるんだよ。なんなら一緒に行くか?」


「まだ、F1なんだがいいのか?」


「気にすんなって!俺たちもまだFランクだからな!」


リーダーらしき青年は、笑いながら了承してくれた。


村まで行く途中、彼らの話を色々と聞かせてもらった。彼らのパーティは男子2人女子1人の3人パーティだ。俺と話していたのは、リーダーで剣士のハルト、もう1人が重戦士のヤイル、そして紅一点魔法使いのマナ。彼らはF15、まだまだ新米といわれるランクだが、何もわからない俺にとっては冒険者の心得を教えてくれる良い先輩達だ。


「んで、今から行くダンジョンは一層、二層が天然の洞窟みたいになっていて、明かりが一切ないから松明は絶対持ってけよ」


「その言い方だと、三層目からは明かりがあるのか?」


「あぁ、あるぜ。道の両脇に水晶が埋め込まれていて、それが光源になってんだ」


「あ、見えてきたよー!あれがダンジョンのあるカル村よ。それで奥に見える山にダンジョンがあるの」


まさか、ここであんな出会いがあるとは思わなかったが……



面白い、続きが気になる!と思ってくれましたら、ブックマーク等よろしくお願いします

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