引き抜き 3
やっと投稿出来た。
「どうしたもんだか」
昼休み。
教室内で頬杖をついている僕は途方に暮れながらそんなことを呟く。
その原因は他でもない。
昨日の生徒会室での一件だった。
「南条会長は風紀委員会と喧嘩をするつもりなのか?」
白川先輩を引き抜けば確実に風紀委員会とは険悪になる。
夢宮学園内において最大勢力である風紀委員会。
彼らを敵に回すことは法と敵対するに等しい行為だった。
「誘われなかったと嘘をついておくべきかな?」
もしくはアリバイ作りに白川先輩と適当な話をして終わるべきか。
そうすれば余計な騒動を起こらずに平穏な学生生活が送れると考えるけど。
「それは僕らしくないな」
僕の根源から鑑みると何かを続かせるのは性に合わない。
むしろ積極的にアクションを起こして事態を動かせるべきだろう。
「よし、そう決まったのなら善は急げだ」
僕は決意も新たに立ち上がる。
今、この時間帯なら白川先輩は食堂にいるだろう。
そこで白川先輩に会いたい人がいることを伝え、生徒会室に向かうよう仕向ければ良い。
まあ、他の風紀委員が聞いていた場合のことも考え、今後白川先輩の立場が悪くならないよう具体的な内容は避けるか。
「さて、行くか」
僕は弁当箱を持ちながら食堂へと向かった。
食堂は良い時間のせいかどこの席も空いている席がない。
この混み合った中で白川先輩を探すのは骨が折れると一瞬顔が歪む。
「……一度教室に戻ろうかな」
よく考えたら今すぐに会わなければならない用事でもない。
しかも内容を考えると、時間を置かずに生徒会室へ誘導した方が賢明だろう。
「仕方ない、出直すか」
直感は絶対でない、外れる時もある。
僕はそう納得させるように頷き、踵を返した瞬間に。
「あら、御神楽さんですか」
僕の背中に投げ掛けられるメゾソプラノボイスの持ち主は。
「白川先輩ですか」
「はい、その通りです」
手に盆を持った白川先輩は正解と微笑んだ。
「白川先輩は少食なんですね」
偶然二つの椅子が空いたので僕と白川先輩は相対して座る。
「ふふ、私はあまり動かないのでこれぐらいが丁度良いのです」
ポテトサラダを口に運びながらそう笑う白川先輩。
ポテトサラダはオカズだろう。
どうしてそれだけで足りるのか首を傾げてしまうのだけど、確か妹も白川先輩と同等かそれ以下だった気がする。
「女子は本当に燃費が良いんだね」
「ん? 何かを言いました?」
「いや、何でもない」
思わず漏れてしまった独り言を聞かれてしまったので僕は首を振った。




