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たぶん、それは紅葉よりも赤い花  作者: 松乃木ふくろう
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第9話 ゲリラ豪雨と酒匂川

 音楽室の前まで来ると外が一段と暗くなった。


別所べっしょくん、一祈かずきちゃん」

 そう音楽室の前で手を振るのは能美由香のうみゆか。隣には2年生らしき女生徒が1人立っている。

「あなたが見学希望の和泉いずみさんと別所春久べっしょはるひさくんだよね?」

 上級生らしい少し上からの聞き方だ。何故か春久だけはフルネーム。

「遅くなり申し訳ありません。1-Aの和泉一祈いずみかずきです」

 一祈は深く頭を下げて自己紹介をしていた。

「はじめまして。自分は1-Eの別所春久べっしょはるひさです」

 続けて春久も軽く頭を下げる。


「は・じ・め・ま・し・て。私は2年でピアノ担当兼ソプラノパートの反町そりまち。どうでもいいけど、女の子連れで見学なんて良い度胸よね。別所くん」

 急に反町の声のトーンが一段下がり、態度も憮然としたモノになった。どうやら歓迎されていないらしい。


「見学は私が誘いました。お供とかそんなつもりではありません……」

 一祈の声は少しだけ震えていた。


「一応、僕らもココの生徒ですから、ちょいと顔を出すくらい自由だと思うのですが……」

 少しだけ嫌味をこめて言葉を返す春久。

「ちょいと顔を出すなんて、まるで冷やかしね。アナタの趣味なの?」

 引きつり気味の反町が言葉を繋いだ次の瞬間、ドラムを叩く様な音と供に凄まじい量の雨が降り出した。


 その雨音の強さに驚いたのか、何処かで微かな悲鳴が聞こえる。


 緊張が続く中、不意に音楽室の扉が開く。

「そんな所でいつまでも話していないで中に入ってよ。音楽室は防音が整っているから、雨音も気にならないよ。」

 ジャージ姿の小柄な女の子はにこやかに笑うとそう告げた。


「わかりました、さくら副部長。あなた達も入りなさい」

 視線に鋭さを残したままの反町はそう告げると、そそくさと音楽室へと入って行ってしまった。所在の無くなった春久たちもその後に続く。


 音楽室に入ると、あれだけの雨音も防音壁の効果か殆ど聞こえる事が無かった。が、しかし、代わりに何か異物でも見るような視線が自分に向いているのが分かった。

 それはそうだろう、7,8人ほどの女性の中に男は自分だけ。しかもひとりの女の子は明らかにハーフ、もしくはクォーター。これじゃあ一昔前のラノベだ。


「はーい! みんな注目。さっき、ゆかっちが話してくれた本日見学のお二人でーす」

 先程の小柄な女の子が2、3度手を叩きながら声を上げ、コチラを覗き込んだ。

「わたしは副部長でアルトのパートリーダー獅子ヶししがやさくらだよ。部長のケイちゃんは、三木みき先生と打ち合わせで少しだけ遅れるみたい。ほら、2人もみんなに自己紹介して」

 くりくりとした瞳にマニッシュショート、そして150㎝ほどの身長、それに加え、なぜかジャージ姿の副部長は集団の中で少しだけ浮いて見える。


「1-Aの和泉一祈です。入部を検討しています。宜しくお願いします」

 一祈が頭をさげる中、春久も続く。

「1-Eの別所春久です。入部はしませんが見学くらい自由だと思い参りました。趣味は冷やかしみたいです」

 春久は目線を上げたまま軽く会釈する。殆どの生徒が怪訝な顔をする。


「んっ!? よくわかんないけど、まぁ、いいや。ゆっくり見学してってよ。わかんない事があれば何でも聞いていいかね。ほら、みんな拍手ぅ~」

 そう言いながら小さな手をパチパチと重ね拍手をする獅子ヶししがや副部長。他部員のパラパラとした拍手がそれに続く。それにしても、部員たちが春久を見る目がやたらに冷たく感じるのは気のせいだろうか?


「それじゃあ、そこの椅子に腰掛けて見ていてね」

 春久たちに笑いかけつつ、指差した方には2脚の椅子。椅子に上には紙コップとペットボトルのジュース、それに楽譜をA4にコピーしたものが見えた。


「すいません、見学するだけなのにジュースまで用意して頂いて」

 一祈は再び頭を下げた。春久もそれに習い軽くお辞儀をする。

「気にしないでよ。これでも副部長だからねぇ。部員確保の為ならば、この位、朝飯前のキントキサンだよ」

 一瞬、春久は小田原にそんな方言あったのかと錯覚してしまったが、恐らくは副部長の造語なのだろう。当の副部長は既に春久たちの側から離れ、部員達になにやら指示を出し始めていた。


「座ろうぜ」

 軽く声を掛ける

「うん」

 一祈は軽く頷きゆっくりと席に座った。春久もその姿を確認した後、腰を降ろし楽譜を手に取る。


べにしらべ”


 譜面にはそう楽曲名が記されていた。恐らくはこれから歌う合唱曲なのだろう。声楽部の打ち合わせはまだ続いおり、手持ち無沙汰になった春久は譜面に眼を落とした。


 暫く譜面を眺めた上で春久の中途半端な音楽の知識で分かった事と言えば、この“紅しらべ”は転調が多いかなり高度な合唱曲であるという事と、歌詞が旅立ちを意味している事くらいだった。


「ハルちゃん、これどんな曲かわかる?」

 不意に隣に座る一祈から声を掛けられた。廻りに聞こえないほど小さな声。

「良くわかんないけど、紅しらべはたび……」

 春久がそこまで話すと音楽室のピアノ周りが何やら騒がしくなった。


「うーん、そうは言っても、今日は見学さんだからねぇ」

 先程の獅子ヶ谷部長が腕を組みながら困り顔をしている。

「入部する気持ちが少しでもあるのなら、和泉さんにも同意してもらえると思います」

 そう力説するのは先程の反町そりまち

「反町先輩、なにも歌声を聴くのは今でなくても……」

 少し下がった場所で能美由香のうみゆかが珍しく慌てた表情をしている。

「あなたの推薦だから聞きたいのよ。魅力的な歌声なんでしょ? 彼女」

 明らかに雲行きが怪しい。


「私が何かしたでしょうか?」

 ふいに起きた大きな声。

その声の主は一祈かずきだった。多分、少し怒っている。


「いやあ、そのね和泉さんの歌声を聞いてみたいとの声があがってねぇ」

 獅子ヶ谷副部長は眉間に皺を寄せこめかみを掻きだした。顔に困ったなと書いてある。一祈同様、顔に考えが出るタイプらしい。


「実力者の能美が推薦する位なんだから是非聞きたいの。どう?和泉さん」

 反町の言葉は穏かだが視線は鋭い。しかもその視線はなぜか視線は春久に向けられている。


「……何を歌えば良いんですか?」

 一祈は静かに尋ねた。

「なんでもいいわ。ポップスでもジャズでも、何なら箱根八里はこねはちり小田原小唄おだわらこうたでもいいわ。でも、曲によっては伴奏がないわよ。私にだって弾ける曲と弾けない曲があるから」

 あからさまな嫌がらせにしか思えない。


 沈黙が流れる。


「ピアノ借りても良いですか?」

 そう声を上げたのは春久だった。音楽室内でざわめきが起き視線が春久に集中する。


「キミ、ピアノ弾けるの?」

 獅子ヶ谷副部長の問いかけ。

「まともに弾けるのは1曲しかありませんけど……」

 自分がイラついている事は自覚していた。

「あなたピアノやめ……『いいよ、使いなよ。睦美むつみっちもそれでいい?』 」

 獅子ヶ谷副部長が反町の言葉を切りつつ肯定の旨を告げた。


「はい」

 声の迫力に押されたのか反町は静かに頷く。


「ありがとうございます」

 春久は敢えて反町に頭を下げ、続けて一祈に話しかける。

「和泉。童謡の『赤●花 白●花』で良いか? あれなら俺、今でも弾けるから」

 一祈がいつも鼻歌で奏でている童謡だ。


 春久は母からピアノを習っている時に、この曲だけは不思議と熱心に練習を行った。しかも、今でもなぜか定期的に弾きたくなり、自宅にあるアップライトの電子ピアノにヘッドフォンを挿して、こっそりと練習すらしていた。


「譜面なくて大丈夫なの?」

 小声で尋ねてくる一祈。

「この曲なら、なんとかな」

 春久は一祈を見ずそう答える。

「お願い」

 そう小さく頭を下げる一祈を確認すると春久はピアノ前に腰掛ける。グランドピアノを弾くのは小学校のピアノ発表会以来の事になる。


 グランドピアノのもつ独特の圧力に押され、春久の背筋に軽く鳥肌の様なものが走った。


 瞳を閉じ、ひとつだけ息をつく。


「いくぞ。和泉いずみ!」

 春久は声を抑え気味に、そう声を掛ける。


 背を向けたままの一祈は無言で大きく頷いてくれた。


 春久は、もう一度だけ大きく深呼吸をし、鍵盤にそっと指を乗せる。瞳を閉じて、一つ目の音を奏でそれに音を重ねていく。


 前奏の終わりと供に、一祈の少し霞かかった歌声がゆっくりとそして静かに音楽室に降りていく。いつものどこか能天気な雰囲気すら漂う声とは真逆の灯火のような歌声が広く深く、そして優しく音楽室に沁みていく。


 誰かが息を呑むような声がする。


 瞳を伏せるような姿で静かに歌い上げて行く一祈独特の歌い方。


 それは人付き合いの良い一祈が、友達と行くカラオケで色酔いを誘発させない為に身につけた歌い方で、モニターに写される映像や室内の照明をいなして見るための対処法。ある意味悲しい歌い方だ。


 切なげなメロディーと歌詞が一祈のその姿に不思議とかみ合う。


 いい歌だな。


 改めてそう感じた春久が最後の音をゆっくりと奏で終えて、誰にも悟られないように小さなため息を一つだけつく。


 何とか弾きあげることができた。前に立っていた一祈も大きく息をついていた。


 ―― 静寂


 外のゲリラ豪雨の音が防音壁越しに僅かだけ聞こえてくる。音から判断するに恐らく雨足は先ほどより強くなっているはずだ。

 この勢いの雨だと酒匂川(さかわがわ)の水量も相当なものになっている。春久はふと、昨日見た老人と犬が今日は河原を散歩できないなと場違いな事を考えていた。


 もう少し沈黙が続くかと考えていた中、音楽室の後方からパチパチと誰かが拍手をする音がした。


「独特な歌い方、それに独特な歌声ね。ワタシは好きだわ」

 声の方向には女性が1人、そして、その隣には何故か春久のクラスの委員長である井土ヶ谷順いどがやじゅんが立っている。


「あっ、ケイちゃん」

 子供が親に擦り寄るが如く、獅子ヶ谷(ししがや)副部長がその女性に駈け寄る。

「……桂子部長けいこぶちょう、勝手なマネをしてスイマセン」

 深く頭を下げる反町そりまちを軽く片手で征するその姿は何処か女王を思わせた。

「構わないわよ。かえって手間が省けたわ。ワタシこそ、遅くなってごめんなさい」

 そうにこやかに笑いかける姿はやはり女王然じょうおうぜんとしている。


「あなたたちが見学、そして入部希望の一年生? ワタシは3-Aの井土ヶ谷桂子いどがやけいこ。声楽部の部長よ」

 春久たちに視線を向けそう語りかける井土ヶ谷部長。

「はじめまして1-A和泉一祈です」

 緊張からか出来の悪いマリオネットの様に不器用に頭を下げる一祈。

「オマケで冷やかしに来た1-E別所春久です」

 頭を下げた春久の視線の隅には渋い顔をする反町が映っていた。


「和泉さん、ウチは見ての通り少人数。合唱コンクールに参加するには、最低あと1人の部員が必要なの。今年はワタシのエゴでチャレンジしたい事もあるし、わがままに付き合わせるみたいで申し訳ないんだけど、今すぐ入部してくれない?」

 取り敢えず春久の事はスルーらしい。しかし、なんとも潔い勧誘の仕方だ。同時に春久にはもう結果も見えていた。


「私で宜しければ喜んで入部致します」

 熱量のある人間に何処か憧憬の念を抱いている一祈がこの手の誘いを断るはずもない。ちなみに一祈の一人称は自身の家族、そして別所家の人間以外の前では“《《私》》”だ。


「ありがとう。これで漸く8人ね。今日は良い日だわ。部員は集まったし、顧問の三木みき先生から例の件の許可も下りたしで良い事尽くめ。それに加え、思わぬ掘り出しモノまでが出てきた……そこのキミ、別所くんだったかしら?」

 何となく嫌な予感が春久の脳裏を過ぎる。


「はい」

 こう言う時には余計な事を言わずやり過ごすのが春久のモットーだ。


「キミ、ピアノを弾けるのね」

 コレ、絶対にまずい話だ。それだけは直感で分かった。

「弾けるというレベルにはありません」

 事実、姉や母の腕に比べれば、稚技に等しい。しかも弾ける曲は1曲。

「だがピアノは習っていたのでしょ? 音楽の素養は持ち合わせているのよね?」

 尋ね方に迫力がある。答え方によっては、さらにまずい方向に話が行くだろう。


「……小学生時代の話です」

 最小限の情報で逃げ切りを図る。


別所春久べっしょはるひさ君のお母様は高名なピアノの先生です。彼には音楽の素養があります。それは私が保障します」

 後方からそう声を上げたのは、なんと反町そりまちだった。

「なんで、さっきからアン……いえ、反町先輩がそんな事を……」

 思わず抗議の声を上げる春久。


「……やっぱり、完全に忘れているみたいね、結構凹むわ。昔、アナタのお母さまのピアノ教室で時々顔をあわせたでしょ?」

 冷めた視線と言葉を春久に投げかけてくる反町。

「えっ!?」

 背筋に暑さが原因では無いは汗が流れ出る。


「本気でムカついてきたわ。まだ思い出してもいない! 澄ました顔してるくせにぐムキになる所や皮肉ばかり言う所、それにクセのあるピアノの弾き方も昔のままのクセに!! 冬美子ふみこ先生や美夏みかさんはお元気かしら?」

 当にムカついているうえ、プライバシーの侵害のような気もするが、姉だけではなく母親の名前まで知っているとなると恐らくは春久の昔を知る人物である事に間違いは無い。隣では先程まで一緒にイジられていた一祈かずき能美のうみが不思議そうな顔をしている。


「これでどうかしら? “ハルぼう”」

 反町はそう言いつつ、左手で前髪を掻き揚げおでこをあらわにして見せた。そして、同時に春久の脳裏に昔その呼び方で自分を呼んでいた人物の影がぼんやりと浮かんでくる。


「……!」

 おぼろげな記憶が鮮明に色づいてゆく。


「思い出したみたいね」

 呆れ顔の反町。


「いや、その、すいません。あまりにも、その、見た目が変わっていたので……むっちゃ、いえ、反町そりまち……睦美むつみ先輩」

 彼女、反町睦美そりまちむつみは確かに春久の母親のピアノ教室に通っていた生徒の1人だ。とは言ってもサボりがちなうえ、小学校5年でピアノ教室を辞めてしまった春久と顔を合わすことなど月に2度あるかどうかのはずであり、忘れた事を責められる道理は無い気もする。


 何より本人の外見が変わり過ぎだ。春久の記憶の中での反町睦美は、おでこ全開のおさげ頭に太い眉、そして少しサイズの大きめの服を来たチンチクリんの田舎娘というイメーなのだが、今、目の前にいるのはそれとは真逆のオシャレな女の子だ。

 肩のラインに掛かる亜麻色の髪は、左右アンシンメトリーにふんわりと纏まっており、眉は派手すぎず地味すぎずキレイに整えられている。やや下がりぎみの眼には薄い青色のカラーコンタクトも入っているように見えるし、加えて制服のタイもナチュラルに緩く結んでいる。

 つまりは上級生に目を付けられない程度に各所に小さなオシャレを散りばめており、どこから見てもちんちくりんの田舎娘ではない。


「まったく、コッチは能美から聞いて久しぶりに会えると思って、スゴク楽しみにしていたら、“はじめまして”なんだもん。失礼しちゃうわ! おかげで腹が立って、能美や和泉に当たっちゃたじゃない! 二人ともゴメンね。お詫びはハル……別所がするそうだから!」

 どうやらアノ機嫌の悪さは春久のせいだったらしい。母もヒステリー位がピアニストには向いていると言っていたが限度があるのではないだろうか。


 一祈や能美は顔を若干引き攣らせながらも笑っていた。


「よく分からんが、旧知なんだな」

 井土ヶ谷部長は一人何かに納得したようで頷きつつ、言葉を続けた。


「校内随一のピアノの腕前を誇る睦美むつみの推挙、そしてキミが素人ではない裏づけも取れたわけね。で、別所君、キミはうちに入部するのよね!?」

 かなりひどいキメつけだ。


「そのぉ、自分は陸上部に行こうと思ってまして……」

 なんとなく水を差す事となり思わず言い淀む。

「陸上!? かのえクンの所?」

 腕を組みながら何やら意味ありげな言葉。


「別所君、中学の時、陸上で関東まで行ってるんです」

 そう、フォローしてくれたのは能美のうみだった。春久は少しだけテンションがあがる自分が恥かしかった。


「関東!? それはスゴイ!」

 そう言葉をもらしたのは獅子ヶ谷副部長だ。


「まぁ、どちらにしても陸上部であるならウチには好都合ね! アラ!? もうこんな時間じゃない! まずは大会に向けて練習を始めましょう。和泉さんは今日から参加してもらえる? それから別所くんと順には後で話があるから、どこかで時間を潰してなさい。そうね……ウチがいいわ。じゅん、頼むわよ。」

 それに対し、井土ヶ谷弟おとうとのほうは何も言わず、軽く右手を上げて姉に答えている。


 どんどん話が進んで行ってしまう。流石女王、わがままだ。反論の余地もない。


「別所、行こう」

 井土ヶ谷順いどがやじゅんに肩を叩かれ、一緒に音楽室を出る。


 窓から外を見つめるとゲリラ豪雨は既に止んでおり、西の方には晴れ間も見えはじめていた。


「委員長、どうすんだよ?」

 黙々と階段を降りていく井土ヶ谷に春久は声を掛けた。

「委員長は止めてくれと言っただろ。 姉貴の言うとおり俺んちで時間を潰す」


「おまえん家って何処だよ」

 移動するとしたらそれなりに時間も掛かるし、場合によってはお金も必要となる。


「別所はいつも昼休みにウチを眺めているだろ?」

「 ? 」

 言っている意味がまるで解らない。


剰願寺じょうがんじ・・・…俺の家は高校前のお寺だよ。お前の言う()()()()が姉貴とオレの父親だ」


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