修学旅行3
「いいね、君は、彼女いて。僕なんて修学旅行、鬱でしょうがないよ。彼女どころか、友達もいないし。」
「こんなつまらない修学旅行に高い金払ってくるなんて、馬鹿馬鹿しいよ、ほんと。」
背後から壮大な愚痴を言う男子がいた。
「いや、俺も友達いないし。彼女ではまだないし。」と反論したが、確かに穂乃果がいなかったら、あんまり面白くは、ないかもしれない。
「はっ、まだ彼女じゃないって言うけど、彼女でしょ。ちくしょう、君が羨まし過ぎて、吐きそうだ。あの西条穂乃果さんでしょ? 理不尽だな、世の中。」
そう彼は、愚痴をぼやく。しかしそれぐらい、俺に不満をぶち撒けれる度胸があるなら、そのうち君も、彼女出来るよ。と心で励ました。
そう思ったのは、陰口じゃなく、堂々俺に言ってきたからだ。本当に彼女出来ない人は、陰でコソコソ言うから。
「じゃあ友達いない者同士、友達になる? それと、自分と他人を比較しても仕方ない。
「俺なんて、中学の頃、西条透と比較しまくって、自分は駄目な人間って追い込んだし。」
実体験を言って彼に伝えた。
「いや、君と僕じゃ、釣り合わない。友達になっても、僕は気後れする。気持ちだけもらうよ。」そう俯いて彼は言う。
「そうか、まぁ、気が向いたらまた、声かけてくれれば。」
「ふっ、君優しいすね。ほっときゃいいのに。」隣の男子が笑って言った。
「晴人君、聞いてたよ、優しい!」穂乃果が褒めた。
「別に、普通だけど。」ちょっと余計なこと言わない。と穂乃果に心で言った。
「晴人君かまちょ。」穂乃果が寂しそうに言う。
「かまちょって、中学生が言うことじゃない?」
「そんなことないよ〜高校生でも言うよ。多分。」
「多分か、それは草だ。」
「その返しは、マジ卍」
「はは、穂乃果のがマジ卍だ。」
「でもちょっと古いよね。」
「そんな古くないけど、まぁ、今は使わないかもな。」
「ちっリア充どもが。」
背後のさっきの人が乗ってきた。それを聞いて笑ってしまった。
「真壁君、君も羨ましいだろ? 僕と同じ意見なはずだよ。」
「沢田君、羨ましがってもしょうがないよ。そんな暇あったら、自分を磨く。僕は行動して後悔なし。」
背後の席の2人が話していた。
「ふん、綺麗事は、好きじゃない。そんなの、持って生まれた者には、敵わないよ。スタートラインが違い過ぎるんだ。」
「それはそう。けどさ、それで諦めたってどうにもならないじゃん。」
「諦めが、肝心だよ。頑張りすぎて、挫折してみなよ。適当に生きてくのが理想だよ。」
「晴人君〜友達とお話し中?」
穂乃果が寂しそうに言う。
「はは、俺なんにも、喋ってないよ。」穂乃果に伝えた。
「じゃあ、私と喋ろ?」
「ふふ、かまちょめっ、いいよ、何喋ろっか。」ほんと、可愛いな。俺はそう思った。
そして背後の席の2人の話も気になってる。
「それじゃ、成長しないよ。挫折もそりゃ、つらいよ。けど、それを乗り越えたら、多少の挫折も乗り越えていける様になる。」真壁さんが言う。
真壁さんと沢田さんか。名前を知った。
「あっそう、僕は、君と議論するつもりないし。したいならすれば良いじゃん。僕には押し付けないでね。」
「はぁ、まぁ押し付けるつもりないけど、なんかおじいちゃんみたいな考え方だね。」
「いや、普通だけど? 僕は、君より、世の中を知ってるんだ。それだけの違い。」
「そーだね、晴人君今、悩みとかない?」彼女が真剣な表情で聞いてきた。
「悩みか、いきなりダークな話題持ってきたね。ええと、今は、特にないかな。」
「それだと話が終わるな。将来やりたいことがないのが悩みかな。」
「ふん、クソみたいな悩みだ。くっそ、こっちは、モテないのが悩みなんだが。」背後の沢田さんがそう呟いた。
「何か?」沢田さんにむっとして言った。」
「ごめん、気にしたら、すみません。」彼は声を震わせて言った。
「だっさ。」隣の席の男子が言った。
俺にビビり過ぎだろ。沢田さん。心で呟いた。
「晴人君、将来やりたいことがないんだ。じゃあ、私と一緒にやりたいこと探そっ。」
ふぅ、彼女の優しさが身に染みる。良い彼女持ったな。そう呟いた。
しかし、まだ付き合ってはいない。
トンネルに入り、目の前が暗くなった。それでも、穂乃果の言葉で心は明るい。
「穂乃果ありがとう、一緒に探してくれるのは、心強いよ。穂乃果は、何かやりたいことって今、思いつく?」
付き合ってないのに、まるで夫婦みたいな、会話だな。俺はそう思った。
「ちっ、イチャイチャしやがって、死んでしまえ。」沢田さんがいちゃもんをつけた。
「はっ? 軽くそんなこと言うんじゃねーよ。黙ってろ。」隣の男子が沢田さんに叱責した。
ひーなかなか隣の席の男子、迫力あるな。お礼言った方がいいかな。
「ありがとう、言ってくれて。」俺は感謝した。
「どーもです。」隣の席の男子が拳を握って答えた。
「は…はい、すみません。黙ります。」沢田さんが小さな声で言った。
「大丈夫? 何かトラブル?」穂乃果が心配そうに聞いた。
「そう、穂乃果みたいな魅力的な子と喋ると、嫉妬されるんだよ。」
「ふふふ、それは、大変だね。負けないで。」
「はは、魅力的なの認めるのか。」
「それはどーでしょ? 秘密」
「まぁ…頑張らないとな。嫉妬と戦わないといけなくなるから。」
「あは、嫉妬との戦いに疲れたら、私がいっぱい癒してあげるね。」
全く、凄いこと言うな。俺たち夫婦だっけ?
と心で自分に聞いた。




