「2人の秘密の会話 - 告白はまだ、でも…」
俺は穂乃果に電話をかけた。修学旅行、一緒にまわらないか? そう伝えるためだ。
「もしもし、穂乃果えーと…元気?」
「晴人君、うん、元気だよ。電話ありがとう。へへ、結構嬉しかったりする。」
穂乃果が電話だけで、喜んでるようだ。それぐらい、2人で話す機会があんまりないからかな?
話せても、最近は少しぐらいだったから、俺もこうして話せるのは、嬉しいかもしれない。
「嬉しいってなんでかな? ちょっと教えて」俺は穂乃果が俺の事どう思ってるか知りたくて、聞いた。
「ふふ、なんでだと思う? 当ててみて欲しいな。」穂乃果の声が弾んでるように聞こえた。
それは、俺のことが好きだからだ! とは言えないな。恥ずかしい…それで違うって言われた、もう凹む。
「まったく。揶揄うなよ。なんでかって…そりゃあれだ、俺の声が聞けて嬉しいってやつだよね?」
オブラートに包んで聞いた。
「正解! そう声が聞けて嬉しいの」
正解しちゃったか。まぁそうだよな。嬉しいって事は、やっぱり俺の事それなりに思ってるって事だよな。
けど、違うよ、それは晴人君のことが好きだから。こう言ってくれれば良かった。
うーん、でもそれ穂乃果に言わせるのは、ちょっと違うよな。やっぱり俺が言うべき言葉だ。
「正解したから。褒美を獲らせよう。なにがいいかな?」
「褒美は、もう貰ってるよ。穂乃果の可愛い声が褒美さ。」
「晴人君…それ結構恥ずい。も〜良くそう言うこと言えるなぁ。他の女の子にも言ってないよね?」
自分でもこう言う事は平気で言えるのに、何故か想いは伝えられないって…ジレンマだな。
それはやっぱり、他のことは取り繕えても、告白は、取り繕うのが難しいからだろうな。
「確かに恥ずかしい台詞だよな。他の子にも、無意識で言っちゃうかも」
「駄目だよ、晴人君…それは私だけにしてね。」
他の子に言って引かれるのを、気を遣って言ってるのか、それとも、私にだけ言って欲しい。
どちらとも取れるけど…ニュアンス的に後者かなと思った。
「分かった、気をつける。」
そう穂乃果に言った。なんか、彼女に叱られてるみたい。彼女じゃないけど、なんか悪い気はしないな。
「約束だからね、晴人君。私にはいっぱい言っていいけど…そう言う台詞。」
それってもう…告白って受け止めていいのかな。俺もそれに答えないと。でもなんて言おう。
「うん、穂乃果は特別だからね。そうする。」
俺は遠回しに彼女に好意を持ってると伝えた。
「特別?! 晴人君…それって…妹みたいとか、そうゆうことじゃないよね?」
彼女が聞いてきた。
「そう思ってたけど、今は違うよ。その…穂乃果の事は、普通に女の子としてみてると言うか。」
俺は恥ずかしくて、顔が熱くなってきた。
俺は可憐のこと好きだし、付き合いたい。けど、俺は穂乃果に恋している。
「あわわ…晴人君…そのお願い。もう一回お前は特別だよって言って。」
穂乃果の声が震えて聞こえた。緊張してるのかな? と思った。
「穂乃果は特別だ。俺にとって特別な女の子。」俺は耳が腫れてるぐらい、熱くなってきた。
「ふぁ…耳が…耳がヤバいよ、晴人君、私今耳が幸せなんて…はは。」
穂乃果もどうやら耳が腫れてるようだ。
「大丈夫か? 耳その、腫れてたりする?」
「ふふ、凄く、晴人君のせいでお耳真っ赤だよ。」
「穂乃果。俺も耳真っ赤なんだけど、穂乃果と話しするのやっぱり楽しいな」同じ気持ちだと彼女に伝えた。
「私も晴人君と話するの、楽しい。毎日話したいな。」
ヤバい…もう両思いじゃん。確かにこのまま話してたいけど、友達待たせてるし、そろそろ本題に入らないと。
「そうだね。あのさ、修学旅行なんだけど、誰かとまわる予定ある?」
「修学旅行だれかと一緒にまわる予定ないよ。」
「じゃあ俺と一緒のグループでまわらない?
自由時間の少しだけだけど。」
「うん、まわるぅ、一緒がいいです。でもいいの? 私だけ誘って。」
「それはその、美咲と友達がまわりたいって言ってて、穂乃果に頼みなんだけど、透も誘って欲しい。」
「なぁんだ〜お兄ちゃん目当てですか? 私目当てかと思ったよ? 晴人君」
俺の本音は、君目当てだよ。そう言えれば良いんだけど。もちろん穂乃果が大切な子だから、兄も大切になる。
でも、それを言うのは、まだ気持ちの整理がついてない。
可憐のこともある。彼女のことも好きだという、この感情がまだ。
俺は可憐のこと好きだし、付き合いたい。けど、俺は穂乃果に恋している。
けど…万が一可憐と付き合ったら、穂乃果はどう思うだろうか?
そう思うと胸が痛くなってくる。
「分かった、お兄ちゃん誘ってみるね。」彼女が、深く考えて沈黙した俺に配慮して言ったのだろう。
「ありがとう、友達待たせてるか、切るね。今日は、話せて良かった。」
俺は彼女に感謝して言った。
「私も、友達待たせてるから、晴人君、いつでもまた、かけてきていいからね。それじゃ。」
俺は彼女との通話を終えた。ただの電話だけど、彼女との距離がかなり近くなった気がした。




