昨日来た人と同じ人と兄が俺の教室にいるのは気のせいですか
その後教室に先生と共に行き、教室に入…らずに、そっと扉を閉じた
「ショージ様、如何なされました?」
ルネア君がそういったけれども俺は無言で目頭を押さえてもう一度、扉の横にあるプレートを見て俺の教室だと確認してもう一度教室の中を見た
やっぱり俺の教室だった
「………………」
俺は無言でしゃがみ込んで頭を抱えた
俺のクラスは、俺を含めて10名
10名の筈
しかもなぜに、なぜに!
ルールウド君と昨日の王子さまっポイ子と、そ…そ…何だっけ?えーと・・・
【ソルシエ】
そうそう、ソルシエくん!ソルシエ君がいるんでしょうかね!
しかもちらっと見た限りでは7名いる筈が17名になってたぞ!
つまり10名増えてるってことだぞ!?
どうしてそうなった!!
俺がショックとかもろもろ突っ込みを入れたく成ってその場にしゃがんでいるとステフィム先生が肩をポン、と軽く叩いてくれた
まだ学園生活し始めて3日目
なのに、なんだか…早くもくじけそうです・・・
・・・
・・
・
俺たちが改めて教室に入るとやはり見間違いであって欲しかったが、ルールウド君達のチームメイトさん達(だろうと思われる)人たちが増えていた
うん、もう突っ込まないぞ
関わったら負け、関わったら負け…
「ショージ君、ここ空いてるよ?」
「…空いてる。座っていい。」
「先輩方、ショージの好きにさせてあげてください」
キラキラした王子っぽい子が自分の隣の空席をさりげなく指示し、それと同じくソルシエさんが自分の隣の空席をぺシペシと叩いた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
関わりたくないのに指名すんな!ホストか!
この教室は貴方たちの教室ではありませんよ!
まぁ先生が何も言ってない時点でなんだか色々と昨日あの禿筋肉爺に丸め込まれたんだろうけれどさ!そんなことはなんとなく理解できちゃうんだけれどさぁあああ!!
・・・ふぅ、と色々と突っ込みたくなるのを我慢して飲み込んだあと俺はいつも座っていた席へと移動し、無言で席へと着いた
そのいつも座っている席の近くにいたのはルールウド君だったけどね!
他の意図は特にないよ?本当だよ?
…まぁほんの少しこの状況でマシになる可能性のある方をとった結果じゃないのかと言いきられたら何とも言えないけどね・・・
正直こんなわけのわからない人たちが増えている教室の中で知り合いがいたら頼るでしょ、常識的に考えて!
いつもの様にカフィーユ君とルネア君が俺の隣に座ろうとしたら何故か俺の隣にドカッと堂々と二人を押しのけ、座り込んだ子がいた
するとスミレがぶわりと尻尾を膨らませてグルルルと低く喉を鳴らしてそのいきなり座ってきた子を威嚇した
「おい、その精霊を黙らせろ」
「ならばコントロル先輩が元居たところに座ればいいのではないのですか?スミレちゃんはショージの召喚した精霊ですから、ショージの所にいてもおかしくないのでは。」
「あぁ?」
「なんですか、また僕とやり合うのですか?」
「…………ッチ、おいショージ、おめぇの兄貴何とかしろや」
「ショージは僕の意見に同意してくれるはずですよ。僕は間違っていませんし。」
堂々と居座っている隣に座った子供は昨日のステフィム先生に化けた生徒だと判明した
そりゃあスミレが反応するはずだよね、昨日散々嫌がっていたし何より良く無い匂いらしいから朝から酷い香りをかぎたくないよね
それに俺はこの人の目を見ないよう気を付けねばいけないのだ!俺は無言で教本とノートを出して心の中で思い切り溜息をつきたくて仕方がなかった
なぜ俺を挟んで喧嘩しているんですかねぇ・・・
『にゃー!ショージ、こいつの近く嫌にゃ!違うとこ座るにゃ!』
そうはいったってここはいつも座っている席だよ、スミレ
それに、元は10人の席に20人も子供とは言え、沢山いるんだから、もう一度座れば移動は出来ないよ…挟まれるように座っている、席だから特にね
まぁ気持ちはわかなくもない
「ショージ、いくら先輩、上級生だからって遠慮はしなくていいよ。」
「ぁんだと?」
「・・・・・・・・」
俺はこれから、毎日これを無視し続けないといけないのかとぐったりしながらも前をひたすら向いていた
いないふりするのが一番だ、そう思い込むことにしようと必死だ
しかし他の生徒はというと、とうとう煩くて我慢できなかったのか、ガンッと机を誰かが蹴り飛ばした
「煩い」
「すみません、どこかの誰かがいきなり移動してきたうえに文句を言ってきたもので。」
「あぁ?」
「煩い」
「ッチ!」
珍しくルールウド君が喧嘩を売っているのを聞きながらもルールウド君とコントロルっていう子の喧嘩を止めた子の方を見てみると、俺の事をちらっと見ただけでその子は前を向いた・・・なんだかなぁ…ハァ
俺はつくづく、あの筋肉くそ爺を爆発で抹殺できないかと考えたくなってきた
ステフィム先生が頭を抱えて、とても痛そうにしているので俺はなんだか同情を禁じ得ないよ…なんだか、ステフィム先生、ここ数日で気持ち少しだけやせたかもしれない
「えー…唐突ですが、生徒会メンバーと呼ばれる生徒の代表である上級生たちが一緒に学ぶこととなりました…そのため、特別授業がいくつか増えますが、気になさらず…えーと、大変言い辛いのですが、これはショージ様がこの学年、この教室にいる限り、またこの生徒会という名の特別チームに入らない限り続きます…。また、授業中の勧誘活動は基本的に看過されませんが、休憩中はその限りではありません。…怪我や魔法により操られることも、あると思います。その時は、すぐに教室から出て術を掛けた方から離れるよう、また自力での脱出が無理ならば従者様方、手助けするようお願いします。……本当ならば皆さまをお守りする立場でありながらこのような危険な目に合わせることを看過させざるを得なくなり申し訳ありません。」
ステフィム先生が深々と頭を下げた
ステフィム先生、マジごめんなさい・・・
まさかこんなことになるなんて俺でも予想外だったんです
驚いたし、何より先生も一杯一杯抵抗して妥協させられたんだと思うと、申し訳なくなってきた・・・それと同時にあの筋肉爺には怒りが湧いてくる
ここまでするか、普通・・・
「一応、一応!皆様に危害を加えるようなことが無いよう制約させてもらっておりますが、確実に皆さんたち新入生より魔法、体術、技量、そして何より魔法レベルとクラスが違いますので、何かあったらすぐさま医務室へと駆け込んでください。…ショージ様、これは一教師として、お願いなのですが教頭の言うとおりにして頂けると…昨日、あぁ言って下さるのは嬉しかったのですが他の生徒様に危害を加えると思うと…」
ステフィム先生、あんたは間違ってないよ
大人だもの、仕方ないよ
他の子に害が及び兼ねないこの状況を打破できるならそうするべきだ、うん、仕方ないよ
ただ・・・
「…先生、もう一度あの教頭先生に攻撃していいでしょうか」
「………気持ちはわかりますが、流石にお控えください、としか…」
「あの髪の毛全部燃やしていいでしょうか」
「…………お、お控えください…気持ちはわかりますが、えぇ、個人的には応援したいくらいには気持ちが分かりますが!残念ながら攻撃することはいけません」
「では不慮の事故なら仕方ないですよね?例えばうっかり魔法が暴発してしまいたまたま教頭に当たってしまったり教頭の頭に何かが当たったりしても、俺らは関係なく事故ですからね」
「……………………」
ステフィム先生が思わず黙る
おぉし、これはもういいってことだよね!
そう思ったらルールウド君が咳をわざとらしくした
「ん、ん!ショージ…?」
ルールウド君がとがめるような目をして俺を見てきたけれど俺はただ事故にあえばいいなーあの禿くそ筋肉としか言ってないよ?
俺はにっこりと笑った
「だって事故なら仕方ないでしょう?」
「駄目だよ なにいっているの。それに言ったと思うけれど、教頭先生はオリハルコドラゴンだよ?物理攻撃も魔法も効かない。」
「そうだね、でもさ、軽い嫌がらせとかならどうかな、って?髪の毛燃やしたりとかさぁ」
「駄目だから。」
「……」
やっぱり駄目だったか。いや、実際にやらないけれどさ、やりたくなるじゃあないか
ここまでひどくされちゃあ、いくら俺でもいい加減にしろよと言いたい…
「とっととおめぇがチームにはいりゃあいいんだよ」
「いきなり攻撃してきたお方は流石いう事が違いますね、先輩?」
「はぁ?なんだやんのかてめぇ」
「いいですよ。どうぞ。」
「じょぉーとうd」
俺は問答無用で影の手を出し煩い先輩の影を奪った
ピタリと止まり、俺を睨む
馬鹿め、俺の席の隣なんかに座るからだぜ
「うぐぐ、て、てめぇ!」
「おやぁ?どうしたんですかぁ、セ、ン、パ、イ?」
「なにしやがった…」
「何もしてませんよ?そう、なにも。」
俺はそのままずるりとコントロル先輩の影を人形にして掌の上で操作した
黒い人形が椅子にきちんと座るように膝を折らせるとコントロル先輩自身も文句を言い、睨みながらも椅子に座り前を向いた
「…ショージは光属性もそうですけれど、闇属性も適性が高いのですよ、コントロル先輩」
クスクスと愉快そうに笑いながらもルールウド君がそういうとコントロル先輩は青筋を立てて米神をひくつかせて俺を血走った目で見てきた
怖いよ、思わず人形を落としちゃった位に
人形を落とすと当然、影が繋がっている、操られている先輩も…
「うぐ!ぐふっ、て、てんめぇ・・・」
「…い、今のはすまんかった。正直怖い目で見てきたからうっかり落とした」
「ショージ、謝らなくていいんだよ。コントロル先輩は自業自得だから。さ、授業をちゃんと受けようね」
・・・それマジで言っている?と聞きたくなるが、ルールウド君に限ってはまじめだから本気で言ってそうだし、仕方ない
俺はまじめに最後になってもおかしくない授業を受けることにした
嫌まさか教頭に気に入られてしまうとは、しかも気に入られたからって教頭のお気に入りのチームへと誘うために他の生徒たちに迷惑になるような事をされるとか思ってなかったからね、うん…うん
本当に、ね
入学したばかりなのに、ほぼ強制で上級生たちと仲良くしろって、もう…本当に、嫌になるよね
俺が頭を抱えつつも前を向くとステフィム先生が今日やる予定の教科を口にした
「えー、今日はせっかく上級生の生徒会チームがいるので上級魔法と彼らの得意な魔法を見せてもらう特別授業を2時間続けて行います。その次の3時限目は二人一組になり剣術の授業、その次の4時限目は魔術語、昼食をはさんで5時限目は錬術、6時限目は模擬戦となります」
色々と突っ込みたくなる授業だが俺は黙っておいた
俺はため息を飲み込んで教本をしまった
特別授業なんて教本、必要がないしな
俺はスミレを宥める為に撫でつつもぼんやりと前を見続けて横の怖い顔をしている先輩を無視しておくしかなかった
そしてキューリャさんが溜息をつきながらも先生に回復魔法をかけたのを止める人は誰もいなかった
「おい、お前の従者も光魔法使えんのかよ」
全く動けないけれども口だけはかろうじて動かせるコントロル先輩(絶賛俺に影縛りされ中、ざまぁないね)がそう聞いてきたから俺は無視しておいた
答えたら絶対にスミレがご機嫌斜めになるだろうし、ちょこっと考えればわかりそうなもんだからね
そしたらルールウド君が俺の代わりに答えてあげてた
「そうですよ、だって光属性が適性あっても使い方が分からなければ意味がないでしょう、僕たちの親がショージの専属従者として、家庭教師として雇ったんです。」
「…ほぉ、そりゃまた…で、こいつは引き入れなくていいのかぁ?」
「ショージの専属従者だと言ったでしょう、聞いてなかったんでしょうか」
「…要はやっぱこいつがはいりゃついてくるってこったな」
「残念ながらそうなるのでは?ショージ次第ですが」
…あの、それは俺本人を挟んで左右でする会話でしょうか
スミレが心底嫌そうに、顔を拭っているのだが…と、そんなことをしているスミレをよそにステフィム先生が授業の間の、鐘がなったとたんに生徒たち全員に薄い幕を張った
なぜ、と思う間もなく、一気にひゅ、と風切り音がしてズガガガガと何かが削れる音と共に俺はルールウド君の手に普段では予想できないほどの力で思い切りグイっと引かれ机の下のスペースに押し込まれた
こ、怖え…なんでチームへの勧誘でそんな音でんだよ!
「全く、手荒いんだから…」
「そんなのじゃ怯えちゃうでしょ、可哀そうに…新入生だって沢山いると言うのに」
「大丈夫、他の生徒は守ってある」
「やだ、もう。汚れたらどうしてくれるんだよ。」
「新しい子、治して貰えば?」
「それもそうだね」
す、好き勝手言いやがってくれているけれども誰もが当然、という風に怪我の心配一つしていないし、さっきの音の正体も誰なんだかわからないし…ついでに言うと影人形も落として驚きからつい魔法解除しちゃったし!
【先程の魔法は机を蹴り飛ばしたこの斜めの席にいた子が問答無用で放ってきました。反撃として影矢での追尾付き攻撃が出来ます。しますか】
お願いします分ちゃん大先生
【了解】
ズルッと影が鋭くとがりそのまま数本の矢となって飛んで行った
ズシャ、とドスドスと音がして何かに当たった音がするが、机の下に潜ってるからちゃんと把握は出来ていない
しかし、確かに音とともに刺さった感覚?が、した気がした
「おお、凄い凄い、反撃するんだ?」
「あー…眠い…ふぁあー…」
「ルールウド君が隣にいるから不利だよねぇ…何をしようにも魔力でバレちゃうし」
「…気になる。」
「気になるの、ソルシエくん」
「…気になる。僕、昨日確かに術掛けた。効いて、ない。新しい子…欲しい。」
「そう…じゃあ猶更だよね」
・・・・・怖い会話されてます、助けて
そんな俺の気分や恐怖をよそに、机の上から問答無用で手が差し伸べられ驚く間もなく今度はグイっと立たされた
「大丈夫?ごめんね、一寸うちのチームの中でも過激な考えしてる子がおいたしかけちゃって。みんながみんな、怖いことする子じゃあないのよ?」
「…」
何…だと…今日一番の衝撃だった
おかま口調の男子生徒が俺を気遣いながらも“片手”で俺を椅子へと戻したのだ
深緑色の髪の毛を斜めに流し、短く切ってショートヘアにして、その子はなんと…
「き、き…」
「?なあに?どうしたの?」
「…着物?」
制服じゃなくて、その子は着物を着ていたのだ
ちゃんと男子用の短めの、青い甚兵衛に似た着物だ
「あんらぁまぁ!まぁあ!キナガシを知っているの、貴方!うふふ、光栄だわぁ私以外に知っているなんて!」
「………」
「うふふ、生徒会って制服が自分で決められるの。だから私が好きな民族衣装を教頭に頼んじゃったのよ!」
「…………」
「でもこのキナガシ、本当に認知度低くてお祭りにしか現地の人も着られないのよ。」
あ、俺色々とやっちゃった感がする
おかま口調の子が俺を椅子に座らせ、自分も俺の席の正面に座り込んだ(なおそこに居た生徒は従者さんに抱えられて避難している。無事でよかった)
そしてキャラキャラと笑いながらも着物もどき、基“キナガシ”について話してくれた
「このキナガシはねー、男女で大分違うのよ。私が知ったのはキナガシ着てお祭りしてる姿だったから、どうしても着てみたくって!でも、男子用ってなんだか地味ねー。女子用のがいいのだけれど、それを作れる人がもういないらしくって。みーんな、この地味なのしか着てないのよー?でも、貴方よくそれを知っていたわねぇ。さっきも言ったけどキナガシは認知度低くて、現地の人も着ないのよ?」
俺はどう考えてもこの…着物を“逆”の死者の着方をしているのをどう正したらいいのか、それだけで頭を悩ませた
多分着方が分からないなりに自分で着たんだと思う…多分




