夢の中で新たな仲間?ペットを飼いました
魔法の本やら歴史の本やらを読んでいると水晶玉が青白く光って、ミーシェちゃん位の背丈の子供が床に寝そべるような形に光が収束し、かたどられる
ミーシェちゃんが眠りについたと言う事だろう
腕時計を見ると大体8時くらいだった
『にゃー、だれにゃ?』
『俺に体を貸してくれてる、ミーシェちゃんって言う子だよ』
『にゃ?ショージは体ニャいのかにゃ?』
『異世界から来て、気付いたらミーシェちゃんに体を借りていたんだ。』
『にゃにゃ!ミーの主人は体を借りてる、いかいじんだったニャ?!』
『異界人って・・・まぁ間違いでは無いか。この子の体を借りてるのは事実だよ』
スミレがニャーニャーいってなんか納得してるけど、ミーシェちゃんが目を覚ましそうだから静かにして欲しいな・・・
あ、目が開いた
『はれ・・・?ショージ、お兄ちゃん・・・?』
『うん。ここは、僕の夢、かな?』
『・・・わぁ、ショージお兄ちゃんの夢の中、白黒だね!』
『うん。そうだね。ジュースでも飲む?』
『わーい、私グリーン茶がいい!』
『・・・・・・・・・お、う、分かった』
夢とは言えあの味を思い出してしまった・・・
子供だからオレンジジュースかな、リンゴジュースかなとか思った俺を衝撃が襲ったぜ・・・
そうだよなぁ・・・ミーシェちゃんだって、ルールウドくんが飲んでるくらいだし、あの液体エックスの方が良いんだよなぁ・・・
魔族だもんなぁ?当然、人間の飲むものじゃ無いよなぁ?
・・・マジか、ショックだ
軽く種族の違いによるショックを受けつつも、あの液体エックスをグラスに入っているところを想像し、ミーシェちゃんに渡した
コクコクと喉を鳴らして液体エックスを飲んでいるミーシェちゃんはグラスに半分くらい液体エックスを残してテーブルにグラスを置いた
とても満足そうだったので、喉は潤ったらしい
次にミーシェちゃんはやはり俺の膝の上で丸まってるスミレを見て目を輝かせた
『猫ちゃん!わぁ、本物の猫なんて見たことない!』
『ミーシェちゃんはまだお外に出掛けたことも無いんだね』
『うん、お庭歩くのはしたことあるよ!ショージお兄ちゃんと始めてあった時!』
『あぁ・・・そうだったね』
スミレをわしゃわしゃと思い切り撫でまくってミーシェちゃんは初猫撫でを体感してる
・・・のか?否ここは夢の中だし体感している訳じゃ無いのか?
まぁスミレを雑ではあるが撫でているし、スミレも髭を少し揺らしてるだけで我慢できてるみたいだし、大丈夫そうだ
『にゃんこちゃんえらいねー、ショージお兄ちゃんとお留守番出来たのー?』
『みぅ・・・っうにゃぅっ』
『にゃんこちゃんかわいー』
『・・・ぐるる』
あ、スミレが不機嫌そうに唸ってる
止めた方が良いだろうか・・・猫パンチされそうだし・・・大丈夫そうだと思ったんだが、やはり子供特有のテンションには参ってしまったようだ
ぐるぐる唸ってる上に尻尾も不機嫌そうに下がってる
俺はミーシェちゃんに一応その猫もどきがこれ以上撫でると怒りそうだからといって止めて貰うことにした
ミーシェちゃんは渋々とだったが、猫もどき・・・スミレを撫でるのを止めてくれた
『ショージお兄ちゃん、この猫さんどうしたの?夢だから呼んだら来たの?ミーシェにも出来る?』
『あー・・・えっと、この本に載ってたから、出来るか試してみたんだ。そしたら召喚しちゃったらしくて・・・』
『・・・難しくって読めなーい!すごーい、ショージお兄ちゃんこの文字読めたの?』
あぁ、そう言えばミーシェちゃんはまだ3歳だっけ・・・
ルールウドくんも5歳って言う割には二人ともしっかりしてるしルールウドくんには勉強だって見て貰ってるくらいだから、ついうっかりしてた・・・
そのことを失念していたよ・・・普通にルールウドくんはこの本に似た奴を一人で読んでいたしミーシェちゃんもそれ位は出来る物だと思い込んでしまっていた
『ルールウドくんに教わってるから、簡単な文章なら読めるようになったんだ。魔法文字も分かるようになったし・・・あれ、俺日記に書いてなかったっけ?』
『にっき、ミーシェみたよ!でもね、ミーシェにはあんまり分かんなかった!』
『・・・今度は絵も描いておくね』
『うん!絵なら分かるから嬉しい!』
ほんんんんんんんんんっとうに、失念してたよ・・・ハハハ・・・
そっかぁ、分かんなかったかぁ・・・はぁ・・・
うん、仕方ない、今度はもっとわかりやすく絵日記風にして書こう
俺やルールウドくんには分かってても、肝心のミーシェちゃんに伝わらなかったらあのノートの意味もないし・・・伝えたい情報が行き届かない事もあるだろうしね・・・
わかりやすく、簡単に説明出来たと思ったんだけどな、俺・・・
ま、まぁ今度からは絵を横に描いてもっとわかりやすくしてみることにしよう
今まで書いた日記が伝わらなかったのは誤算だけどこれからは気を付けるよ、うん・・・
スミレが慰めるように俺の右手の甲を舐めてきたけど俺そんなに落ち込んでないよ?
大丈夫ダヨー・・・ぐすん
俺は気を取り直して、無属性の魔法の本だといって召喚魔法のページを開き朗読して見せたのだが、ミーシェちゃんの周りには“はてな(?)”がまっていた
うん、何となくそんな気がしてた。そうなると思ってたから今度はわかりやすく、お友達を一人だけ増やせる魔法だとざっくり話した
ざっくりといったせいでミーシェちゃんにはわかりやすかったのか、ミーシェちゃんの周りにあった“はてな(?)”が“クラクションマーク(!)”に代わったのが目に見えるくらいに顔色が明るくなった
『お友達呼ぶ魔法なの?!』
『う、うん。唯、これは魔法レベルが高くないといけないらしいんだ。俺はうっかり試したら出来ちゃって、この子が来たんだ』
『ミーシェにも出来る~?』
『う、んんんん・・・どうだろう、わかんないなぁ?』
『そっかぁ・・・残念』
ミーシェちゃんの魔法レベルもきっと俺とルールウドくんと、同じⅠなのだろう
それなら一度したら取り消すことも出来なさそうで、二体目も召喚できないこの魔法は学校とかで呵るべき時に習うようにした方が良いだろう
俺はあくまで体を借りてるだけなので、ミーシェちゃんに危害を加えるような物じゃなければ良いかと思ったし、隅々まで読んだ訳では無かったため、まさか本当に召喚魔法が成功して夢の中とは言え出来るとは思わなかったし・・・
そう思っているとスミレが俺の袖を軽く加えて引いた
どうしたんだろうかとスミレの方を見ると本のページを捲って欲しそうにペシペシと俺の手を右前足で叩いた
その人間くさい動きを見て益々ミーシェちゃんが目を輝かせてスミレを触りたそうにしながらも、ニンマリ笑ってスミレの行動をうっとりみてた
『かわいー!ねー、ショージお兄ちゃん、このにゃんこちゃんの名前は?』
『え、あ、スミレって着けたんだよ』
『しゅみれ?』
『否、スミレ、だよ。俺の世界にある、お花の名前から付けたんだ』
そう、花の名称にする前はあり大抵にあるペットの名前にしようとして候補を思い付く限りで言ったというのに全部悉く却下されたけれどね?ごん太とかでも俺は良い気がするんだ・・・け、ど・・・
俺がそう思ったのが分かったのか、スミレがギロッと俺の方を睨み付けるように見てきた
なんだよ、もうソンな事言ってないだろ?一寸思って見るだけだって言うのも駄目なのか?いい名前だと思うんだけどな、ごん太・・・近所の猫でゴン太って言う名前のペットだっていたぞ?近所でも有名なデブ猫だったけど可愛かったな、ゴン太・・・
『フシャー~~~~~~~~~!!!!!!!』
『きゃ?!』
『いで!』
スミレに引っ掻かれ、後ろの背もたれにぶつかる
俺のあご辺りにスミレの爪痕がクッキリついた
滅茶苦茶ひりひりする・・・くそ、この猫もどきめ・・・
ミーシェちゃんが俺の引っ掻き傷に手を宛てて自分が痛そうな表情で眉をひそめる
『痛くない?ショージお兄ちゃん』
『一寸ひりひりするだけで、大丈夫だよ?こんな猫もどきの引っ掻き傷は些細だし痛くはないからね』
『ふしゃー!』
『何だよ、だからと言っても何度も喰らいたい訳じゃねぇぞ』
俺は再び猫じゃらしを振り、攻撃をされる前に怒ってるスミレをいなした
暫く騙されまい、じゃれつくまいと無駄な抵抗を見せていたスミレだったが次第にぶるぶると震えだし、本能のままににゃーにゃー言いながら猫じゃらしを必死に掴もうと両前足を浮かし、よたよたと猫じゃらしの動きに合わせて左右にゆれだした
うずうずしてそれを見ているミーシェちゃんは、何だか自分もやりたそうに見えたので、猫じゃらしを渡してあげた
『いいの?』
『いいよ、スミレの前で振ってごらんいで』
『にゃー!』
『にゃー、じゃねぇよこのこの』
『にゃう、にゃうう!』
スミレに猫パンチをされて仕舞ったので思い切り頭をぐりぐりと撫でると鳴き声を態とらしく可愛らしく聞こえるようになのか、一段階高くして鳴いてきた
かわいこぶっているつもりなのだろうが、そんなの俺には効きません
『かーわいい!にゃんこちゃん~』
『みゃう~』
・・・・・ミーシェちゃんには抜群だったようだがな
スミレはミーシェちゃんの振る猫じゃらしで遊ばれ、二人してソファーから降りて遊びだした
俺は一呼吸吐き出して、引っかかれた傷を魔法で治すイメージで光魔法を使った
イメージはとある奇妙な物語のとあるスタンド使いの不思議な能力のイメージで触れたところを何も無かったようにスッと治すようにと想像したので光は俺の指先が触れたところに集まり、傷を治した
猫に引っ掻かれた傷はすぐに治さないと化膿したりしかねないしな・・・
それを見てたミーシェちゃんが目を大きく見開いて驚いた
『す、すっっっっごおおおおおおい!何今の何?!魔法?』
『み、ミーシェちゃんどうしたの、スミレと遊ぶのはもう良いの?』
『良いの、それよりさっきの何?白い光りがショージお兄ちゃんの指先に集まったら傷がフッと消えたよ?!ショージお兄ちゃんもしかして光魔法使えるの?!』
『え、う、うん・・・ステータス、って言う無属性最初の魔法で見たら光と闇魔法、得意属性だって・・・ルールウドくんが言ってたよ』
俺がややミーシェちゃんの気迫に引きつつ言うとミーシェちゃんは凄く褒めてくれた
うーん、そんなに凄い事なんだろうか・・・本に載ってたとおり、光魔法は治癒能力があると書いてあったからそれ試しただけなんだけどなぁ・・・
そこはどのらのべやゲームでもあるように、光魔法での回復魔法はこの世界でもやはりメジャーらしいし一寸魔法の幅があるんだ位で終わるような話だと思うんだけれどなぁ・・・
『魔族で光魔法なんて使えるの、少ないんだよ!メイジ系魔族っていう魔族の一族とぉ、お医者様系の魔族一族しかいないの!』
『へぇ・・・』
『魔族は皆、闇魔法が得意なんだけど光魔法は苦手なの。ルー兄様が言ってたわ!』
『そうなんだねぇ。』
ミーシェちゃんが嬉しそうにスミレを抱きかかえながらそう教えてくれた
ルールウドくんが言ってたことをちゃんと憶えてるから凄いでしょと言い足そうにしてたので、頭を撫でてあげた
あぁ、子供は本当に、可愛いなぁ・・・癒やされる・・・
スミレはニャーニャー不服そうにないているがミーシェちゃんは無理矢理抱きしめたままだったので、やや諦めてる様にグッタリしている
・・・スミレ、君の犠牲は忘れない・・・多分(笑)
ミーシェちゃんは嬉々として光魔法を他に使えるかとか聞いて来たけれど、まともに習ってもいないのに出来る訳が無いので苦笑して無理だと伝えた
まぁ本を読んではいたから大体使い方は分かるような気もするし、さっきも自分に試す位だったから簡単だと思って少しだけ、とやってみたんだけどな
初級の一番簡単な光魔法だけで良いから見せて欲しいと言われたのでルールウドくんに教わった魔法の『ライトアップ』を使ってあげた
俺が魔法を使おうとすると闇の魔法の『ブラックアウト』を使った訳でも無いのに辺りがフッと暗くなり、それに伴いふわりと淡い光が無数にキラキラと輝き出す
蛍のように小さな光が星のように俺の周りに光りながらもちらばってるのを見てスミレとミーシェちゃんは凄く喜んでくれた
『すっごーい!』
『みゃぁ!にゃう、にゃあん!』
『・・・スミレも喜んで、るンだよな、それ?』
『にゃう!にゃーん!!』
『すみれちゃんも、凄いって!』
『にゃあ!にゃあ!』
ミーシャちゃんが光に触った途端、白い色の光が黄色に変化した
面白がって、すぐ隣の光に触ると、今度は薄いピンクに色づいた光が、ミーシャちゃんの指先辺りに浮かんでる
その色の変化が面白いらしく、どんどんミーシャちゃんとスミレが光りに触れた
スミレに触れた淡い光はどんどん色を二色に変化していく
・・・何だか楽しそうだから俺もしてみたかったけれど、俺が触れても何ともなかった
白い光りは、そのままで全然変わらない
一寸だけ、俺が触れたらどうなるのかなって期待したんだけどな・・・いや、まぁよく考えればそんなの俺が魔法使うときにイメージすれば全部色が変わるって言う事くらいおもいつくんだけど、そうじゃなくて・・・スミレ達が触ったら色がそこから変わるんだから、俺が触って、面白い事をおきるんじゃないかなって期待しても良いじゃ無いか
そもそもこの魔法、蛍のような小さな光を出すだけの魔法じゃ無いのか?
これも夢仕様なのか?うーん、夢だからこそコーヒーも出せた訳だしねぇ・・・うーん
後でミーシェちゃんに体を借りて現実にいけたらルールウドくんに聞いてみたり触ってみて貰ってみようかとか考えていたらスミレが背中に生えてる小さい羽を使って飛び、蛍程度の大きさの光りしか無いのにその上に乗っかりだした
それ乗れるのかよとか思ってたら俺の魔法がキレたらしく、フッと全ての光が消えた
『『あ』』
『にゃう?!』
しぱしぱと足をばたつかせてスミレが必死に空中で体制を整えようとしたが無駄なあがきだったみたいで、ストンと背中から墜ちたので俺は土魔法を使って地面を柔らかくしてポヨンとバネにして衝撃を吸収させた
跳ね返ったので上空に逆戻りしたスミレを俺がキャッチした
『だ、大丈夫だったかスミレ』
『・・・・・・なぁ~・・・』
『ゴメンな、魔法あんまり慣れて無くてそんなに出してられないんだ』
『みぃ~みぃ~』
『怖い思いさせてゴメンな?』
スミレが今まで出ないくらい震えながらくてっと尻尾を下げ、羽根も心なしか元気がなく背中にぺたんとくっついてる
情けない声でみぃーみぃー鳴いてるので思い切り背中を優しく撫でてあげた
すると少し落ち着いてきたらしくスミレが恥ずかしいところを見せたと言いたそうに両前足で頭を抑えて小声でみゃうと一鳴きした
『スミレちゃん大丈夫?』
『にゃぁあ・・・』
『大丈夫だけどあんな落ち方して恥ずかしいんじゃ無いかな?』
『凄く慌ててたもんね。』
『ううううう・・・』
スミレは恥ずかしそうに俺の腕の内側にもっと顔を隠そうとしているらしくぐりぐりと俺の胸元と腕に顔を押しつけてきた
一寸可哀想なくらい鳴いているのでスミレをミーシェちゃんと二人で慰めてあげた
もんぽちを上げたら元気になってくれないだろうかと想像してみたら猫缶とおやつ皿がでてきたのでぱっかんと音を立てて皿に空けて床に置いてあげた
『スミレ、これ口に合うかは分からないけど食べて元気出せって』
『みぃ・・・みゃう!』
『わ、食べた食べた!スミレちゃん美味しい?』
『みゃう、みゃうう!』
『良かった、そこそこ口に合ったようだな・・・少しでも元気でたか?』
『にゃう!』
嬉しそうにスミレがはぐはぐと勢いよく食べるので、そこそこ元気が出たようだった
そのことに少し安心してスミレがもんぽちを食べる様子を暫く見ていた
ミーシェちゃんがニコニコ楽しそうに眺めつつ撫でたそうにしていたのでせめて食べ終わるまで待ってて貰った
誰だって食事中は邪魔されない方が良いよね
その後はスミレとミーシェちゃんと遊んでいたら腕時計が起床時間の5分前になった
『どうする?ミーシェちゃん起きる?』
『ううん、ミーシェ、スミレちゃんと遊んでいたい!ショージお兄ちゃんにプレゼントも用意してあるから、ショージお兄ちゃんが起きて?』
『わかった、じゃあ体を貸して貰うね』
『ミーシェはスミレちゃん貸して貰うね!』
『いいよ。じゃ、スミレ、大人しくしてるんだぞ』
『みゃう!』
スミレが頷いたのでミーシェちゃんにスミレを任せた後ミーシェちゃんのプレゼントは枕元に置いてあるからとのことで、少しだけ何か気になる物の水晶玉に触れて“起きた”
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目が覚めてさっそくミーシェちゃんの言っていた枕元を見てみると枕に隠れないように少しだけ離れてはいる物の、枕元には可愛らしい紙袋にリボンがついている明らかにプレゼント様にしてある物が置いてあった
開けてみると紙袋の中にはリボンがあり子供特有の拙い文字で俺の時用に髪留め様のリボンを見繕って貰ったから、他の人達のために見分けがつくように髪に着けておくようにと書かれていた
さっそく俺が髪を結わえようとすると、メイドさんがノックをして入室してきた
「おや、お嬢様・・・あぁ、失礼しました、ショージ様でしたか。お早い起床ですね」
「おはようございます、あのこれ使いたいんですけど」
「はい、かしこまりました。そのリボンに合わせて男性用のお召し物を整えます」
「お、おねがいします」
メイドさんは俺に一礼してクローゼットをあけた
すると男子用の仕立ての良さそうな服がずらりと並べてハンガーに掛かっているのがベッドの上の遠目からでも見えた
クローゼットには一昨日までミーシェちゃん様のドレスが吊されていたり、やや豪華目な私服が掛かっていたはずだが、昨日ミーシェちゃんが“起きて”いたときに何かしたんだろうか・・・まだまだ異世界になれない俺には分からないのだった
「ショージ様、此方のお召し物で如何でしょう」
メイドさんはハンガーに掛かっている白いシャツとネイビー色と薄い水色のチェックが入ったズボン、そしてサスペンダー、ブレザーのような襟付きの茶色の上着
上着の胸ポケットにはハンカチなのかスカーフなのか布がさりげなく覗いている
何だろう、良いところのお坊ちゃんが着そうな服、と言ったら良いんだろうか
戸惑いながらも顔をまず洗い、朝から一杯のフルーツ入り水をもらって喉を潤した
よくみるとグリーン茶(液体エックス)もカートの下の部分に並々とポットに入っているらしいモノがあった
起きたのがミーシェちゃんでも俺でも良いようにしているんだろうと納得した
流石はメイドさん、色々と用意周到だし、プロだ
顔を洗い終わってから凄く、汚せなさそうな服だなと思いながらも、メイドさんにお任せして出して貰っておいて着たくないなんて言えるような傲慢さや無謀さは持ち合わせてないので大人しく差し出された服を受け取り素直に着る
「ショージ様、如何でしょう苦しくは無いでしょうか」
「あ、それは大丈夫です」
「何よりでございます。次は御髪でございますが、そのリボンで良いのですね」
「ミーシェちゃんがくれたので、お願いします」
「かしこまりました」
ふわふわなミーシェちゃんの髪の毛を櫛でとかして貰ってリボンで一纏めにして首の辺り、後ろで結んで貰った
すっきりした感じがする物のふわふわした髪は纏め辛く、何度も水を使い、髪をぬらした
ミーシェちゃんに後でお礼をちゃんと言おうと思っているとメイドさんがエルフママさんが呼んでいるとのことで、エルフママさんの元まで連れて行って貰った
例の方法で、抱きかかえられ移動されたが、すぐに恥ずかしいと言う思いは抑えられるくらいの物だった
エルフママさんは薄い赤色のドレスを着てカーディガンを身につけブラウンのチョーカーを着けて、読書をしていた
テーブルの上には本が積み重なっていて、ルールウドくんの良くいる書庫のように長テーブル、椅子、そして本棚がいくつかあった
「奥様、ショージ様がお見えになられました」
「あら、いらっしゃいショージ。」
「おはようございます」
「おはよう。ちょっとこっちにいらっしゃい」
「?はい・・・」
エルフママさんの近く、足下までいき言われたとおりエルフママさんの前に出された椅子に座るよう言われたので座った
エルフママさんはさっそく俺に一枚の紙を見せてきた
「?なんですか、これ」
「ルールウドがいってました。ショージは、光魔法が使えると。」
「はぁ、えっと、はい」
「光魔法が出来る魔族、人間関係なく集まる学校があるのです・・・」
魔法学校・・・詰まり、そこへ入学したほうがいいのか?
でもまだこの体、ミーシェちゃんの物だから3歳だよ?まだ早くないか?
そう思って俺はエルフママさんの方を見るが何だかエルフママさんは悲しそうにしている
何だろう、義務教育なのかな?でもルールウドくんは特に何もいってなかったよな?
「光魔法はそんなに凄い物なんでしょうか」
「・・・魔族、亜人属、獣人属、精霊族、全種属の中で光魔法を使える素質のあるモノは全体の二割~一割といわれています。」
「・・・・・・・・・・・・意外に、少ないんですね」
「えぇ・・・小さい頃から、専門の学校に行かせて教育し、将来は貴族や王宮に勤めるという・・・手段もあるわ。義務では無いので、断って良いのよ?!」
エルフママさんは、何だか断って欲しいのか最後の方を強調して言ってきた
・・・小さい頃から国のお偉いさんの都合の良いよう教育して貴重な魔法を使えるような奴を囲い込むって事か・・・
エルフママさんのもっている紙は、その学校だかなんだかの入学推薦状とか何とか、と言うところか・・・
「・・・エフィール、幾ら強制ではないとは言え、ショージにその言い方は些かどうかとおもうぞ」
「だって、だって!ルーくんもいなくなって悲しいのに、ショージもなんて私悲しいわ!」
「仕方ないだろう、ルールウドは自ら魔法学院に行ったんだ。この屋敷にある本は全部頭の中に入れてしまって、ルールウドの知識欲を満たせなくなったのだ。」
「ルーくんは頭良いので仕方ないわね。ルー君も本来なら7歳から学校へ行くはずだったのに・・・折角新たに家族になったショージまで学院や学校に行くのは・・・」
「エフィール、そういうな。ショージ自身に話を聞き、ショージが行きたいと言えば送り出すと約束しただろう。」
・・・・・・・ドラゴンパパさんは俺からでは影になっている本棚から本を持って来てエルフママさんの隣に座ってから何だか慰めるように、子供に言い聞かせるかのように話している
俺は戸惑うばかりで一切事情が分かっていない訳だが、何となく話から察すると学校に行かせたくないエルフママさんと、俺の返答次第では行かせるしか無いと思っているだろうドラゴンパパさん、と言う所だろうな・・・
「「ショージ、どうする」」
「・・・ミーシェちゃんの体をお借りしている以上、俺は学院も学校も取り敢えずは行く気になりません。ミーシェちゃんが行きたいと言えば行きますよ」
「しょーじ!」
「わわ!?」
むぎゅっとエルフママさんが抱きついてきた為驚いたし苦しくなった
ミーシェちゃんに体を借りている今、流石にミーシェちゃんに無断で学校に行ってミーシェちゃんが“起きたい”と言いだしたら自分の屋敷にはいなくて別の場所で目が覚めることになるだろうし、別の場所に行き成りいたら俺だったら驚いて混乱する
ミーシェちゃんだってそうだろうし、両親を探すだろう
3歳児にとって両親と離れた環境にいるのはどうなんだろう・・・
幼稚園みたいなもんだったら良いんだが、寮生活のような物だったらとてもじゃないが耐えがたいんじゃ無いだろうか・・・異世界事情は分からないが。
「学校とか学園とかは、寮生活なのですか?」
「そうだ。ルールウドも学生寮に入っていて月に2回帰宅するほか、長期休暇である夏と冬休み以外は本来いないぞ」
「そうなんですね・・・今は?」
「冬休み中だ。それもあと数日したら学生寮へと帰ってしまうのだが・・・正確に言えば、あと8日だな。ショージはルールウドと一緒にいるがあと数日しかいないのだから喧嘩せずに遊ぶようにな。」
「はい」
ドラゴンパパさん事態は良付きの学園に通わせた方が良いと考えているみたいだったが、俺はミーシェちゃんの体で学生寮みたいな所に入れる訳には行かないなと思った
と言うかルールウドくん凄いな、聞く限り通常より早期入学してるらしいし、この広い屋敷中の本を読んでいるとか相当頭良いんだな・・・
エルフママさんは落ち込んだ表情で、渋々俺に紙を見せてきた
さっきまでは喜んで抱きついてきたというのに、ドラゴンパパさんの意見も聞き入れてるのか一応見て欲しいと言ってきた
紙を見るに【光魔法専門教師勢揃いで個別に基礎からおしえます】【最高一年で貴方も王宮治療しになれちゃう】だのと・・・日本の『家庭教師』とか『塾』とかのキャッチフレーズ顔負けの見出しが書かれている
何処の世界でもこう言うことは、在るんだなぁとすら思った
「どうする、ショージ。お前の好きにして良いんだぞ」
「・・・私も、ショージがしたいことを応援するわ・・・」
「ミーシェちゃんのこともあるので、やっぱりこの屋敷にいさせて貰えるならば、そうさせて貰いたいです。ミーシェちゃんはまだ3歳ですから両親ともっと居たいでしょうから。」
「「ショージ・・・」」
二人して嬉しそうにして、エルフママさんにはまた抱きつかれてしまった
が、今度はドラゴンパパさんもとめなかった
止めるどころかドラゴンパパさんも俺をエルフママさん事抱きしめてきた
一言言うなら苦しくなるから止めて欲しい、が本当はドラゴンパパさんも学園に行かせたら寂しかった、と考えてもいいんだろうか・・・
「あのっくるしい、んですけど!」
「あら・・・ゴメンナサイね、ショージ」
「すまん、つい力を入れすぎたか」
ドラゴンパパさんが離れるときに俺はもっていた紙を手渡した
俺に入らない物だから、返すのが良いと思ったからだが、ドラゴンパパさんはそれをどう受け取ったのか、笑顔で頷き、その場で紙を燃やした
・・・・・・・・・・・・燃やしてくれ、共俺はそこに行く気も全くないともいってないんだが・・・まぁ今の所俺が学園に行く気は無いけれど、急に燃やされるとは思わなかったぜ
俺が驚いているとエルフママさんが同じく笑顔で俺の頭にキスをしてから、ルールウドくんの元へ行って朝食だと呼びに行くようにと言われた
食堂でまた会おうと言われて、素直に頷き部屋の取っ手を掴み、ルールウドくんの所に行きたいなと思いながらも引いて扉を開けた
扉をくぐるとルールウドくんが一昨日にも居た書庫で、ルールウドくんを探すように本棚の間を見ながらも歩いた




