あらすじ・イメージイラスト・キャラクター紹介
― 明日、世界が滅ぶかもしれない。高い科学技術を持ったが故に、衰退を始めた世界。絶望しかない世界の中で、自分なりの幸せを探し続けた青年の葛藤を描いたSFファンタジー。―
舞台は、国から「放棄区」の指定を受け、インフラがほとんどすべて停止されたヨギ区という廃墟の街。この世界は異常気象や天災により崩壊を始めており、世界各国は、末端の都市を「放棄」することでなんとか生き延びていた。
ヨギ区には、数十名の住民がいまだ生活しており、彼らは一人のリーダーの下で、ギリギリの生活を営んでいた。
そのグループの中の、平凡な青年、チャフ。両親を亡くし、すべてを失った彼は、日々ぼんやりと、生きていた。
どうやって死ぬのが理想的か、そんなことを夢想しながら。
仲間の一人、イブという少女に密かな思いを抱きつつも、叶うはずのない恋だと、諦めていた。
この世界が崩壊を始めたのは、「ユビグラム」という技術が発達したためだった。
「ユビグラム」とは、一つ上の次元にある、世界のすべてを書き表す記号群で、ユビグラムを操ることにより、人間は神にも近い能力を得ることができていた。
そのことに、神がお怒りになったのだろうか。人間にはどうしようもない天変地異が、突如として始まったのだった。
「神様に、世界の冷房のスイッチが切られた」そう称されることになる、未曽有の気温上昇、それによる、異常気象、天災。
世界は混乱し、「ユビグラム」の研究者である「ユビグラム解析師」を迫害し始めた。
そんな世界の状況も、チャフにとっては、どうでもよかった。
どうせみんな死ぬのだから。
どうやって死ぬのが、一番幸せか。それだけが、自分にとって重要なこと。
必死に生きようとする、仲間たちを斜に見ながら、ぼんやりと暮らすチャフは、
ついに、自分の身に降りかかることになる、恐ろしい出来事に、己の愚かさを認識することになる。
<登場キャラクター紹介>