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〜アンジェリーナside 3〜


「確かにリリー王太子妃殿下は王党派、側近にロバートさんもいるし、ルドルフまで王党派の令嬢と婚約するのは、少し偏りすぎだよね」

「当時、兄上は婚約者がいなかったんだ。だから先に私たちの婚約が内定した。兄上達のことは物語になっているから、皆知っているだろう」


そう、お嬢様とルドルフ殿下が婚約した当時、王太子殿下には婚約者がいなかったと言うか、婚約者を作ることを拒否されていて、結婚しないつもりでいたのだ。そのため、ルドルフ殿下、さらにルドルフ殿下に授かるであろうお子のことを考えて、後ろ盾として最も力のある王党派の令嬢、つまりお嬢様と婚約が内定した。


そもそも、王太子殿下に何故婚約者がいなかったかと言うと、王太子殿下ったら、リリー様に一目惚れをしたのはいいが、リリー様はこの国の軍の全てと言っても過言ではない侯爵家の一人娘。つまり侯爵家の後継者だ。そのため、王太子殿下がリリー様を見初めた時には、既に婿となるべく婚約者がいて、いくら横恋慕しようが、王太子殿下とリリー様の婚約を結ぶことはできない。


でも、リリー様が好きすぎる余り、王族のくせに政略結婚も受け入れることができず、かなり我儘を言ったようで、独身宣言をしたそうな。そこで、ルドルフ殿下とお嬢様に白羽の矢が立った。


でもお二人が婚約した後、リリー様にすったもんだがあり、婚約解消となった上に、侯爵家に男児が生まれた。その騒動に便乗して王太子殿下は長年の初恋を実らせて、リリー様と婚約・結婚された。むしろ偏りを作ったのは王太子殿下だった。王太子殿下もなかなかの我儘王子だったのね。不敬になるから絶対に口に出さないけどさ。


「お嬢様との婚約は内定だったので、白紙に戻して再選定されるものだと思っておりました」

「私もその当時は婚約者に何も期待していなかったから、白紙に戻ると思っていた。今となってはロゼリア以外の令嬢と婚約するなんて愚かでしかないがな。しかし、当時、ほとんどの婚約者候補は様々な理由で辞退していて、ロゼリアかスカーレット嬢のどちらかと言うところだったんだ。ロゼリアとの婚約を白紙に戻せば、スカーレット嬢と婚約となるんだが、義姉上の元婚約者がな…ハインツ侯爵家の次男でな。ハインツと縁続きになるのは憚られて、派閥に偏りはあれど、大した問題はないと判断して、ロゼリアとの婚約が進められたんだ」


確かに、リリー様LOVEの王太子殿下が、わずかでもハインツ侯爵家との繋がりを、自分の治世では持ちたくないだろう。王太子殿下が結婚を決めたのであれば万々歳だし、わざわざ機嫌を損ねる必要はないよね。王太子殿下とルドルフ殿下の仲も良好だしね。ゲームの強制力! と思っていたけど、色々な思惑が働いていたのね。


「ところで、アンジェリーナ嬢、君の私物を盗む、いや、交換する人物に心当たりあるよねー?」

「……あります」

「誰だ?」

「最近、ご令嬢方に人気のショーン様です。目撃したことがあるので、間違いないと思います」

「商家の長男かぁ。子爵家の令嬢である君に声を掛けることは難しいけど、商家の息子であればプレゼントを用意するのも容易いね」

「そういえば、香袋を交換された後は、被害に遭っていないかもしれません」

「その香袋、限りなく怪しいね!」

「取り戻して調べよう」

「どうやって取り戻すのですか? 確かにショーン様が私の物を持って行ったところを目撃しましたが、毎回ではないですし、香袋を持って行った時期もわかりませんし、さすがに現状では、ショーン様を追求することはできません」

「考えがある。私に任せて欲しい」


そう言って、ルドルフ殿下は笑顔を浮かべたけど、それはそれは美しーい笑顔にも関わらず、私は寒気が止まらなかった。こわ。


ーーー


その後、ルドルフ殿下の周辺は騒がしくなったけど、私はすっかり蚊帳の外で、気付いたことと言えば、ご令嬢方に人気だったショーン様は見る影もなくなった。


さらに、ハインツ侯爵家は領地の一部を王家に返還し、スカーレット様は学園を去り、北の果ての修道院に入られたと聞いた。えっと、私、一応当事者なんですけど、中間報告とかないものだろうか。


ハインツ侯爵家の権威が下がったことで、バルト子爵家も無傷ではいられず、私自身も窮地に立たされ、家の中で針のむしろ状態となった。幸い私は40うん何年の辛かった前世があるため、耐えられたけど、そんな時、ルドルフ殿下が家を訪ねてきて、私を侍女にしたいと申し出たそうだ。


お父様、いえ、クソ親父は二つ返事で私を侍女として差し出し、そんなこんなで私は無事お嬢様の侍女となった。ようやく。


お嬢様に最初は私のこと、ルドルフ殿下の浮気相手! と思われたのか、怖い怖ーい顔をしていたけど、今までの経緯を包み隠さず説明したら、私=アンナだと認めてくれて、私は念願だったお嬢様の、いえ、ロゼリア様の側でお仕えすることができた。




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