36.曖昧
書き溜めている最中です…
完結後数日に分けて投稿予定です、申し訳ありません。
「よし、決めた」
一日の始まりに、私はここ最近ずっと考え続けていた悩みに決着を付けた。
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「へぇ、それでどうして僕の所へ?」
「ラザフォード様には色々聞いてもらったので。本当に、ありがとうございました」
ラザフォード様の言った『これ以上』が何なのかは遂に分からなかったが、私はリベラの、コールドローズ家の侍女だ。
初めから、自分で判断するべきではなかったのだ。
(やっと気持ちが落ち着いたわ)
「…この様子じゃ、まだ分かってないのかなぁ」
「え?」
「いや、何でもないよ」
ラザフォード様が小声で何かを言っていたが、上手く聞き取れなかった。
曖昧に笑ったラザフォード様にもう一度お礼を告げ、逸る気持ちを抑えてリベラの元に向かった。
「お嬢様」
「メイリー!今日はもう授業も無いから、久々にお茶しましょう?」
「はい!」
初等部学舎の近くにあるテラスで、今の季節よく出回っている紅茶を淹れる。
「本日はオータムナルをご用意致しました」
「ありがとう…うん、美味しい。ほら、メイリーも座って?」
「はい…えっと、お嬢様。少しお話が」
「うん?どうしたの、そんなに改まっ…て…」
「お嬢様?」
リベラの動きが突然固まり、ティーカップを持つ私の手をきゅっと握る。
何事だ、とリベラの視線を辿り振り返ると
「あっ、メイリアさん!ご予定の確認を…ぁ、ごめんなさい。コールドローズ様といらっしゃったのですね、」
(こんな時に…!どうして今なのよ)
「…メイリー?」
不安そうに声を揺らすリベラと、あわあわと慌てるリリー・メレスに挟まれてしまった。
(どうしたものかしら…)
何をすればリベラを安心させられるのか、どう動くのが最善なのか。
「リリー・メレス様。その件については後程、私の方から直ぐにお返事致しますので、どうか今はお嬢様と私の2人だけにして頂けませんか?」
「は、はい…!」
足早に去って行くリリー・メレスの背中を見送ってリベラに向き直り、後悔した。
(こんなに怯えて…)
リベラの震えが直に伝わってきて、苦しくなる。
あぁ、何もかもが空回りだ。




