第8話 実演販売
筋肉系ではない、男性キャラが出てきます。
チャラいけど、奴隷です。
「これだけの自慢の品を、金貨7枚とは厳しいですね」
「ふむ、ミヤビとやらそなたこの娘をどこから仕入れたか知らんが中々の上物だ、だがな、娼館では仕入れた娘をそのまま使う訳にはいかんのだ」
「閨の作法なら既に仕込んでありますよ」
娼館主は信じられないとばかりに白皙を舐めまわす様に検分する。
「にわかには信じがたいな、今から試して見るぞ、納得したらそなたの言い値を払おう」
「よろしいですよ」
「ショーティーを呼べ」
しばらくするといかにもチャラい男がやって来た、まともに働いた事はない女のヒモ、そんな言葉がピッタリな寄生虫みたいなタイプだ。
「なんすかー、エステさん」
予想通り話し方もチャラい。
「デボラとやらこのショーティーを天国に逝かせてみろ、出来るか?」
「マジすっかー、こんな上物食べて良いっすか」
「ショーティー、何を聞いておるか、お前が天国に逝ったら負けだぞ、わたしに恥をかかすなよ」
「あっ、そう言う話っすね」
どちらにしても美味しい思いが出来ると、ニヤニヤ笑っているチャラ男。
応接間の隅にある一人掛けのソファが勝負の場所、デボラはショーティーの腕を優しく掴むと。
「さぁ、こちらにどうぞ」
ニッコリ微笑むと、チャラ男をいざなう。
カーペットにひざまずいて三つ指をついたデボラ。
「ショーティー様、只今よりわたくしデボラがご奉仕をさせて頂きます、一生懸命ご奉仕致しますね」
「おっ、おう」
あらかじめ準備してあった大きめのバスタオルをショーティーの下半身にかける。
「お召物を下ろさせてもらいます」
カチャカチャとベルトを外すデボラ、信じられないくらい細く白い指が健気にバックルと格闘している。
「少し腰を浮かせて貰えますか?」
チャラ男は素直に腰を浮かせると脚のデザインを際立たせるパンツがスルリと脱げる。
脱いだパンツを丁寧に畳むデボラ、服は単なる布ではないの、主人の分身として扱いなさいと指導をしてきたのよ。
続いては下着も脱がせたけど、キレイに畳んだ後はその上に布を被せて見えない様にしたデボラ、細かい配慮だけど大切な事よ。
“まぁ”
デボラはそう言うとバスタオル越しにショーティーに頬をすり寄せる。
“デボラ、時間が勝負よ、ボディータッチはいつまでもやっていると慢性になってしまうから、早く次の刺激に切り替えるの”
わたしの念が通じたのか、細くて白い指がタオルの……
◇
……品の良い応接間にショーティーの臭いが立ち込めている。
臭いのもとはハァハァと荒い息遣い。
「エステファニア様、勝負ありましたわね」
「分かった、手だけで見事だ、約束通り金貨10枚払おう」
「お買い上げありがとうございます」
「ミヤビ、あの娘を仕込んだのはそなただな?」
「おおむねその通りでございますが」
「そなたわたしの娼館に来い」
異世界で風俗嬢を目指したわたしには願っても無い提案だけど、これは何か違う。
「レオポルト、ミヤビとやらも私に売れ、大丈夫だそなたの父上には良く言っておく」
「お待ちください、エステファニア様、わたくし共本日は娼婦を売りに来ただけでございます、その様な横紙破りは周りから反感を買うかと思いますよ」
「ミヤビとやら、分かっておらんな、その周りの者と差をつける為にそなたを買うのだ」
「なるほどしっかり教育された娼婦を囲い込む為ですね」
「そう言う事だ、それとも何か、他の娼館には絶対に売らないと約束できるのか?」
「エステファニア様の経営眼には驚かされます、ですが他の娼館にも質の良い娼婦を売ればデ・ダーロの街全体の娼婦のレベルが上がる事になりませんか?」
わたしの言葉にしばらく考え込むエステファニア、そんな彼女に助け船を出したのが執事のオスヴァルト。
「いかがでしょう、ミヤビの言葉にも一理あると思います、ルードルフ様によろしく言っておきますから、この辺で手打ちに致しませんか?」
ルードルフって言うのがレオポルト様の父上の事ね。
このまま帰るのは気まずいから、落としどころが欲しいわね。
「エステファニア様、今教育中の娘も御娼館にお売りいたしたいのですが、いかがでしょうか?」
「分かった、これからそなたの連れて来る性奴隷は金貨10枚で買い取ろう」
エステファニア様はさすが経営者ね、横紙破りはしないけどわたし達の商会を囲い込むつもりなのね。
みんなの前で手だけで逝かされる、結構恥ずかしい経験ではないでしょうか。




