1章 4話 幼児期2
神殿騎士を追加しました。
あれから三ヶ月たった。
俺は字を読めるようになり、どんな本でも読めるように難しい言葉も勉強した。日本語で言えば、ひらがなを覚えるだけでなく漢字・熟語も勉強したと言えばわかりやすいだろう。しかしまだ字を書けるとまではいかなかった。練習するための道具がこの教会にはほぼないため、汚い字しか書けない。こちらはまだ時間がかかりそうだ。
しかし、幼いこの体は本当に知識の吸収と言うことには便利である。
先月から読み始めた書物はすでに10冊にも上った。
最初に読んだのは暦の本だった。この世界には暦と言うものが明確にあり、6柱の神を信仰する宗教国家の創設の年を1年目として現在703年らしい。一年は12ヵ月、一月は30日で構成されていて、一週間が6日。この世界を司る6柱の神からとって、光の日、風の日、火の日、水の日、土の日、闇の日の順番になっている。
この宗教国家はノアニルと言い、俺がいる闇の女神や他の神の教会もこの国家に属している。
宗教国家ノアニルはなんと王政で、かつ他の国に対して中立的立場を公言しており、他の国に攻め入ることもなければ攻められることもない。他の国にも各神の信徒が多いため、他の国は間違っても宗教国家ノアニルに攻め込むことなどできず、とても安全であった。
次に読んだのは宗教の本である。なお、闇の女神教の聖書のようなものを読んでいるわけではなく、宗教の一般常識的な本だ。
宗教の本を読んでとてもためになったのは、序列についてだった。
各宗教は、教皇をトップに立てている。この教皇は各宗教における王のような立場であり、教皇の言う言葉は神が言うことも同じであるらしい。
教皇の次には枢機卿、大司教、司教がある。説明が大変なのだが、枢機卿も大司教も司教も基本的には司教である。司教の中で、教皇に選ばれ教皇を直接補佐する立場となった者を枢機卿と言う。教会の方針を教皇と枢機卿で決めるため、枢機卿は協会の方針に関与できるとても重要な役職だと言える。
司教とは、各協会を管理する者のことで、一人の司教当たり約3~10の教会を管理している。
大司教は更にその司教を複数人管理している者で、大教会と呼ばれる通常の教会より大きい教会を持たされる。
司教の下には司祭があり、司祭とは1つの教会を管理する者である。
1つの教会の中には、司祭を補佐する役目の助祭がいて、信仰する神に身を捧げる修道士がいる。
つまり、教皇>司教(枢機卿、大司教含む)>司祭>助祭>修道士と言う内容である。
なお、助祭以上の職位については神からの祝福を受けて初めてなることができる。祝福を与えられず助祭になれない者は修道士として過ごすことになる。
また、この序列には組しないが使徒,聖人,聖女,神殿騎士の4つがある。聖人は男性のみがなれ、聖女は女性のみがなれる。神殿騎士は司教が指名した信徒を騎士として教会付きの護衛になった者のことを言う。使徒については、なぜか内容が全く書かれていなかった。
これを理解した時、闇の女神教の問題を知った。
実は闇の女神教会には現在修道士しかいない。
俺は助祭であるから助祭がいると言えるのだが、助祭以上の職位は魔法を使うことができるのに対し俺はまだ助祭の魔法を使えない。助祭とは言えないだろう。
十数年前までは教皇もいたらしいが、闇の女神の信仰が衰えるにつれて闇の女神が教皇や司教を任命できなくなり、終いには司祭も任命できなくなってしまったようだった。
ここまで知って、もっと前に対処しておけばまだなんとかなっただろうなのに……と改めて思う。闇の女神は間違いなく駄女神だった。
話を戻すが、助祭として使える魔法は、
・怪我を癒す「ヒール」
・病気を取り除き、人や物を浄化する「クリーン」
この2つである。
俺は助祭としてこの2つの魔法を覚える必要ができた。
この2つが使えるようになれば、俺自身の生存確率だけでなく闇の女神の教会としてもとても有用だと言える。
その他に読んだのは、この世界に住む種族の本や、各神の教義の本や植物,農作物に関する本、そして鉱石、宝石に関する石の本、建物の建て方が書いてある建築の本、川の氾濫を防ぎ,村・街を豊かにする治水の本、政治や税に関する本、そして商売に関する本だ
今後もっとも深く関わって来るだろう内容に思えるから、真剣に読んで覚えた。
未だ深夜になって大部屋を抜け出していることは見つかっておらず、深夜に起きるため昼寝の時間が増えるが、誰からも何も言われずに過ごせた。




