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エルドの黒王子  作者: 広川悠真
第0章 エルドクラフト王国
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王都は今日も平和です。

 エルド王国の王都。かつてルド王国が治めていた時代に『欲望の都』と呼ばれた地アルケニルを整備し、王都をおいた。そこは海に面していて、海路が使いやすい。また、欲望の都時代に陸路もある程度整備されたため世界中から商人が交易のために集まった。その結果エルドはイストニア大陸一の財力を持つこととなった。




 今日も王都は賑やかである。しかし、そこに住む人々は口々にこう言う。――今日は随分と静かな日だ――と。

いつもはこれ以上の活気があるのか、と何も知らない者が尋ねると、王都の暮らしが慣れた人はこう答える。

「魔法が飛んで来ないだけましだろう。」






 「アヤト様!またあの馬鹿王太子が逃げました。」

「またですか。本当にあの馬鹿が。こっちは忙しいのに。カイン!来てくれ。ちょっと頼みたい事がある。」

部下の報告を受けた現ペンドラゴン家当主アヤトは頭をおさえ、義弟であるカインを呼び出す。

「テオドール王太子殿下の捕獲ですか?」

アヤトから呼ばれて出てきたのは茶髪に黒い目をした少年、名前はカイン。6年ほど前にペンドラゴン家に養子に出された元平民である。現在はある尊きお方の護衛兼監視役をしている。

「また、脱走したんだ。頼んだよ。」

その言葉を聞いたあと、短く返事をしてアヤトの執務室から出る。そしてある人物のところへ行き、声をかける。

「エド、仕事だ。ついて来い。」

「了解しました。」

答えたのは、黒髪黒目で執事の服を着た少年。カインと同じ年に生まれた子で、親が誰だかわからないためペンドラゴン家に住みこみで働いている。

二人の少年は館を出ると走って王都のセントラル広場に出る。

「それじゃあエド。今回も頼む。」

黒髪の少年はカインの言葉に頷くと、目を閉じた。しばらくして目を開けてそれからすぐに走り出した。カインも突然走り出した事を咎めずついていく。それを見かけたとある商人は騒がしくなりそうだ。と思いながら、被害を少しでも出さないために移動を開始した。









 まずいまずいまずい。彼は焦っていた。追手は二人。しかもまだ十歳にま満たない子どもだ。だが油断などできない。その理由として挙げられるのは二つ。一つ目は、強化術式の練度だ。自分は十八歳、相手は六歳。身体能力自体は圧倒的に勝っている。しかし、一人の少年によってその差はうめられている。身体強化術式、略して強化。使用すると身体能力が強化される魔法だ。もちろん今の僕も使っている。だから本来なら、絶対にこんなに追い詰められることなどないのだが、実際今追い詰められている。黒髪の少年によって。彼の強化は強化というより爆発だ。普通、強化は体の魔力循環を高め、筋肉の動きを補助する事で筋肉の負担を減らし、その分筋肉の働きをより高めるという原理でできている。その為、魔力は減らず、体の負担も小さくなるのだが、彼の場合はことなる。まず動く魔力の量が桁違いだ。その為限界量を超えた魔力は加速に使われ外に放出される。その為魔力の消費がおこる。また、出力も桁違いであるため機動力が落ちる。そうなるはずなのだが、彼はそんな素振りを見せない。二つ目はもう一人の策略だ。気づいたら横幅の狭い道へと追い込まれていた。さっきから捕縛系統の魔法ばかり飛んできて防ぐのが難しい。強化と防御を並列に発動し続けるのは疲れる。すると、足下への注意がおろそかになる。

「おっと。またトラップか。」

仕掛けられたトラップを躱すが躱した先にまたトラップがあった。間一髪でトラップを破壊し走る。もうすぐ出口だ。ここを出たら人混みに紛れよう。そう考えていたら、飛んでくる魔法が攻撃魔法に変わっていた。しかし、気づくのにおくれたため、そのまま防御を貫通して体に当たった。視界が黒に染まり意識が落ちる。ああ、油断した。






 気が付いたら自室のベットに寝かされていた。机の上にはさぼったせいで前見たときよりも多くの書類が置いてあった。それにしてもあいつら相変わらず容赦ないな。一応僕は王族なんだけどなあ。

「仕事、めんどくさい。」

「そう思うのはわかりますが、他人に大量の書類を処理させようとしないでください。」

なんとなくつぶやいてみたら、返事が返ってきた。それもあまり聞きたくない声で。恐る恐る、声のした方へ顔を向ける。

「それじゃあ説教するのでそこに直りなさい。テオドール王太子殿下。」

「いやぁ、これはこれはアヤト=ペンドラゴン殿。せっかく来ていただいたところ申し訳ないが、帰っていただけないだろうか。私これから仕事をし『めんどくさいって言ってたよね。』いえ、これは『言ってたよね。』ですから『言ってたよね。』はい。」

「僕は何も仕事の邪魔をしにきたわけじゃないんだ。君が退屈しすぎて城を抜け出したと聞いて、気分転換になるかなあと思って説教しにきたんだ。だから安心しなよ。今回の説教でこってり絞られることはないから。」

その日から数日間テオドールの姿を見たものは居なかった。

今思ったら戦記なのにまったく戦ってないですね(^_^;)

早く戦記にしないと詐欺になってしまう。

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