王国の愉快な王族達
誰も読んでないと思いますがお久しぶりです。
エルドクラフト王国には現在、4人の王子と三人の王女、王妃が二人そして王の計十人の王族がいる。厳密に言えば王都から離れた田舎町に前王と前王妃が住んでいるのだが、彼等は現王に王位を譲る前に
『自分ら、もう王族として扱わないでいいから。』
と言って田舎へ行ってしまったため、王族として数えられていない。だが、その二人を入れても十二人。他国と比べてこれは少ない方だ。例えば、ヒーク帝国では皇族が100人を超えているし、小国であるルース王国でさえ王子と王女だけで12人以上いる。なぜエルドだけ少ないのかというと、まず第一にエルドは基本、一夫一妻制である事。第二に貴族の権力争いが無い事。最後に王族には優秀な者が多く生まれるということ。この三点が主な原因である。だが、今代の王は違った。今までの常識を覆すような事をしてきた王だ。子どもは七人いるし、妻も二人いる。これまで権力争いが起きなかったのになぜ原因を作るような事をしたのかというと、王エーデルフリート3世は王国史上一、ニ位を争う問題児な上とんでもなくアホなのであった。だからこそ、このアホ王を支えてきた七大貴族(特にペンノ)は苦労してきたのだ。だが、親が親なら子は子と言うように、王の子どもたちも優秀ながら多くの問題点を抱えているのだった。今回はそんな王族たちの話である。
〜第一王子テオドール〜
第一王子。それは次の王となることを約束されている地位である。しかし、今回は違う。何しろ王子が今回の件で五人になったのだ。五人目は王にはなれないとしてもあと三人候補がいるのだ。普通なら蹴落とそうとするだろう。だが、この王子は違った。しかも、王に誰が相応しいかと言う話題が出ると彼は、
「チヨ姉かヒスイ姉、あとはルーがいいんじゃないかな。姉さん2人は落ち着きがあるし、国民から人気が高い。弟のルーは、僕より才能があるから。僕はどうかって?アハハ、王様なんて絶対なりたくないね。」
と弟を候補に挙げるばかりか、王位継承権が低い姉を出すしまつである。そんな彼だが実は「神童」とまで言われるほどの天才である。そしてその自覚がまったく無い。付き人のアヤトは語る。
「テオは他人が練習してやっとできる事をかんたんに模倣してくる。ああ、ほんと天才に付き合わされるこっちの身にもなってほしいものだ。」
〜第一王女チヨ〜
王国の華。彼女ほどこの言葉が似合う女性はいないだろう。第一王子テオドールの四つ上の十六歳にして完成された容姿と言われている。たが、彼女の最大の魅力は整った容姿では無い。容姿など、王族は皆整っている。それでも彼女が美しいと評価されるのはその行動が素晴らしいからである。王族は皆何かしら問題点行動を起こすのだが、彼女だけ唯一そんな事はなかった。正に完璧。国民は皆彼女の事を聞かれるとこう答える。「王様を悪く言う人はいる。その全てが冗談であるが。だが、チヨ様を悪く言う人は女の人でもいない。皆彼女を愛し、尊敬しているからだ。彼女のためならなんでもできる。彼女がいるなら死を恐れることなど無い。ああ素晴らしき王女に、そして王国に栄光あれ!!」
〜第二王子ルース〜
第二王子ルースは王の器を持っている。彼はカリスマ性を持ち徳を以て治めるそんな御方だ。だが彼は第二王妃ラーナの子でありしかも次男であったため王国はなれない。彼には運が無い。それ以外は素晴らしい王の器を持っている。だが、彼にも王家の呪いとでも言うのだろうか問題点がある。これは覗き魔のペンノによってわかった事だが、彼の持つ祝福が原因だ。彼の持つ祝福の名は、「女難の相」だ。効果はペンノ曰く、一生女性関係で苦しめられるが、周りから頼れる存在になれるということらしい。彼の家庭教師をしている、とある宮廷魔道士筆頭は彼についてこう語る。
「ルース様はとてもいい子どもです。彼の素晴らしいところは、間違いを認める素直な心です。ただ彼の周りには、いつも女性の影が有りませす。それなのに相手の気持ちをうまく察せないのが欠点でしょうか。まだ十歳になったばかりの少年に求めるのは早いでしょうか?でも本当に早く好意に気づいてほしい。じゃないと、私まで落ちてしまいます。」
〜第二王女ヒスイ〜
第一王女を王国の華とたとえるなら、彼女は庭園の庭師だろう。実際そんな例えがよく使われている。何故か?それは彼女が姉の信者の一人だからである。その為美しく気高い華につく悪い虫を追い払う事を繰り返している。だが彼女にもファンは多く存在する。同じ華を慕う女性達や彼女に追い払われたせいで新たな境地に至った男達である。女性達からは、お姉様や姐御、男達からは、女神や救世主などと呼ばれている。彼女と幼馴染のヴィルマ家長男はこう語る。
「彼女は喋らなかったら美人なんだけどね。ほら、口を開くと『お姉様は』だからちょっとしつこいんだよね。第二王妃のラーナ様と全然性格が違うよ親子なのに。その上……ってヒスイさん?何故ここにいるんですか。な、なにをするんだい。うわああああ。」
〜第三王子リッツ〜
脳筋。それしか言うことが見つからない。
〜第四王子ゼスト〜
まだ一歳の子。かわいい。だが王家の血をしっかりと継いでいるのでたまに問題を起こす。例えば、世話係が気に食わないと魔法で追い払うということがあった。それ以来、嫌われている者は部屋の前で立ち止まると魔法が飛んでくるようになった。嫌われている人筆頭のペンノは語る。
「何故私だけ高威力の魔法が飛んでくるんでしょう。しかも、ただ部屋の前を通っただけで。」
〜第三王女ゼスティリア〜
ゼストの双子の妹。こちらは問題を起こさない。かわいい。少なくともゼストよりはとつくが、大人しいのは本当だ。あの第一王女でさえ赤子のときには、気づいたら籠の中に居なかったということがあったが第三王女は夜泣きすらしない。きっと母方に似たのだろう。
―――ああ、この子はなんて素晴らしい子でしょう。だが少し心配になる。この子が王宮で無事でいられるのか。―――(あるメイドの日記より)
〜第一王妃マリア、第二王妃ラーナ〜
第一王妃マリア=フローレンスは先代の王が王位にいるとき、エルドが滅ぼしたバルト王国の王女であった。普通、滅びた国の王族の末路はひどいものだ。エルドがいかに優れた国であってもそれは変わらない。王族は一人も生かしておけない。しかし、彼女は生かされた。その時バルトを滅ぼした張本人が生かすように指示したのだ。彼女はその後、城下町で過ごした。その時に出会い、仲良くなったのが第二王妃のラーナであった。ラーナは平民であったが彼女の明るい性格がマリアの心を癒やしたのだろう。二人はすぐに仲良くなり、マリアはラーナの務める食堂で働き始めた。その二人の才を城下をブラブラしていたペンノが見出した。彼女達は王宮に務め、その後王と結婚した。二人は同時に王と結婚した。
「ええ、あのときのマリア様とラーマ様は凄みがあったわ。どちらも『あの子が結婚しなければ私もしません。』って言って引かなかったんですから。」 ――とある貴族へのインタビューより――
〜エーデルフリート3世〜
「彼あるところに火の手あり。」と、とある大臣が漏らしていた言葉だ。もう何も言うまい。
そして、此度生まれた第五王子エデン。後に英雄となる彼の事だ。赤子の頃から凄かったに違いない。―――そう思う人も多かった。しかし、実際彼は一般基準で言っても普通の子であった。彼は容姿の関係で王宮で育てられなかった、という点が大きかったのだろう。その事実を知った時メイド長は嘆いたという。あんなに苦労した子守が王宮から出すだけで楽になるなんて、と。彼は王宮に務めるメイドや執事、庭師などの子どもとともに育った。彼が王宮に戻るまでの8年間城下町で過ごした。物語が動き出すのは彼が14歳の時。王国のみならず他国まで巻き込んだ騒動は、まだ始まってすらいない。
早く第五王子の動く姿を書かねば。




