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ざ・びぎにんぐ・おぶ『おこんがー!』~もふけも美少女アイドルバトラーグループ、結成す~  作者: 日向 るきあ


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2/3

『だれかいいバディ、いないかなー……』 ~ミクの場合~

「ごめんミク! 俺と、バディを解散してほしいんだ!」

「え、……

 なんでそうしようと思ったのか、理由を聞かせてくれる?」


 わがバディ『テンリュウ アオバ』は、あたしに両手を合わせ頭を下げてきた。


 あたしたちは、高天原学園に入学して初めて出会った同士だ。

 学園のあっせんでバディを組んで、ここまでやってきた。

 あたしは剣士、アオバはここではめずらしいハルバード使いだったけれど、不思議と呼吸はあった。


 幼い弟くんの手術費用の足しにするのだと、ファイトマネーを仕送りして。

 困っている子をみつけたら、迷わず助けてあげて。

 宿題も当番も、いやな顔一つしない。

 さらには、大きな青葉色の瞳がきらきらで、ふっかふかのヤマネコ装備も似合ってて、なんというか、すごくかわいらしい。

 こんな、主人公みたいな男の子が本当にいるんだ、と思うような子だった。


 正直に言えば、あたしはアオバを好きになりかけていた。

 この先もずっとバディとして、彼を応援していきたいと、そう思っていた。


 その矢先の申し出にあたしは、困惑するばかりだった。

 アオバが言うには、こういうことだった。


「あのさ。

 マキノハラ イズミ、知ってるよな。陸上やってる、黒うさぎ装備の」

「え? ああ、こないだひざを痛めたって……」

「うん、そいつ。

 実はひざの調子、けっこうよくないみたいでさ……

 仮バディが解散申し出て、いま単騎に戻ってるらしい」

「ええっ? それって、ケガした子を見捨てたってこと、そのバディ?」

「まだ仮だし、一ツ星だからさ。さすがに厳しいんだよ」

「それでもアオバはほっとけない、と?」

「……ああ。

 誰かがみてやらなくっちゃさ、イズミ、このままつぶれちまう。

 だから……」

「いや、ちょっと待って。

 イズミ君を助けるのは、あたしも反対してない。

 けど、あたしたちが解散したら逆にやりにくいわよ?

 先輩に聞いたけど。女子は絶対零星にはならないんですって。

 最悪、あたしが一ツ星に残り続ければ、『エキュパージュ救済』でアオバも一ツ星に残れる。そうすれば……」

「いや」


 アオバは、真面目極まる顔で首を左右した。


「そんな計算でミクを、利用したくないんだ」



『エキュパージュ救済』――バディを組む二人の星級に差がある場合、下のほうの者も上のほうの者とおなじ星級として扱われる制度――だって、女子生徒への援助だって、この学園が決めたこと。あくまで学園に理があるから運用されている制度であって、それを利用することはむしろ、合理的な判断のはず。


 だからアオバに利用されることになるなんてこと、ちっとも思ってなかった。

 けれどアオバの意志は固かった。

 最後はほとんど喧嘩だった。

 そうしてあたしは、アオバとバディを解消した。


 正直なところをいえば、がっくりきてた。

 アオバがあんな頑固な子だったなんて。

 いや、知ってた。

 アオバはこうと決めたらやり抜く根性の持ち主だ。今回はそれが、このカタチになってしまっただけだ。


 大丈夫、なにもこの世からいなくなったわけでもない。困っていたらいつだって、助けてあげられるのだ。


 というか、二ツ星になった時のことを考えれば、むしろこれでよかったのかもしれない。

 男女バディで二人部屋に入るのだってもちろん可能だけど、あたしとアオバはそういう仲じゃない。だれか、二人部屋を分け合うための『部屋バディ』を、お互い探さなききゃならなくなる。

 それを考えたら、いまここでバディを組みなおせたのはよかったかもしれない。


 なんて考えていたときだった。

 携帯用端末ポタプレに通知が来た。開いてみれば、驚きの内容。


「うっそ……一ツ星部屋を二人用に改装――??」


 言われてみれば、いまの女子寮の部屋。六人用なのに三人しかいなかった。ほかの部屋も似たようなもんで、なんなら空室もあった。

 移行措置により、この一か月は一人利用でも部屋代は据え置きということだけれど、これは、のんびりしていられない。 


 女子寮のラウンジで一人。あたしは大きく大きくため息をついていた。


「あーあ、だれかいいバディ、いないかなー……」

「あーあ、だれかいいバディ、いないかなー……」


 そのとき後ろから、同じこと言ってる声が聞こえてきて、あたしは振り向いた。


前回のこたえ

ずばりトラオ君です!

このころポーション代で困窮してたので、なんでも屋的なこともしてました。



次回、ガールズトークで完結予定です。

どうぞ、お楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ほわぁ( *´艸`)本編の裏側…… うんうん、ひとりひとりにそれぞれ思いがあって、ぶつかりながら前に進んで行く…… お互いに相手を想うからこそな日向さんのやさしい世界がじんわりかもしだされ…
[一言] これはもう運命ですね( ˘ω˘ )
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