癒しの時間 sideイロハ
「ただいまー!」
はぁ.......何で休日に出勤しないといけないのよ。せっかくの休みだからシキと遊びたかったのに.........。
シィアは今日は違う高校に行った中学時代の友達と遊びに行ってるから、今日は2人きりの予定だったのにほんと恨めしい!!
もうお昼も過ぎてるからどこにもいけないし最悪!!何で私が関係ない資料を作らないといけないのよ!!
あああぁあもう!!すっごくイライラする!!
よし!シキに癒してもらおっと。
あの子は見てるだけで癒してくれるからね〜。行動もスマホに打つ言葉も、もう可愛い!!
それにあの可愛い顔での笑顔とか、甘えてくる時の表情とか可愛すぎる!!
これで声が出てくれたらもっと良いんだけどこれは時間とシキの心次第だから仕方ない。
でも長い時間かかっても待つって決めたからいつでも待つよ。
「シキー私のご飯ってある〜?」
そんなことを考えながらリビングに入りながら聞くとそこには、いつもご飯を食べている机に突っ伏して寝ているシキがいた。
それに顔だけは横に向けているから、シキの可愛い寝顔が見える。
本当に私の妹は可愛い!!柔らかいほっぺをツンツンしてたら「んぅ.......」って言って逆を向いてしまった。
はぁ.......可愛い.........。サラサラしてる癖のない綺麗な白髪を手櫛ですくように撫でる。
そうしたら「んむぅ.......」って言ってこっちを向いてきた。
........これって頭を撫でろってこと?もちろんやります!!断る理由なんてない!!
シキの頭を撫でているとだんだんシキの顔が緩んでいくのが見えた。
いつもは自分から甘えにきた時も、私が甘やかしている時もいつも恥ずかしそうに、でも嬉しそうにしてる。
けど今日は夢の中だからか、シキは恥ずかしいって気持ちは全くなくて、嬉しい!って感情がたくさん出てる気がする。
こんなシキを見るのは久しぶりだから私も嬉しい。
もっと甘えても良いんだよって言ってあげたい。
シキなら遠慮するって分かるけどそれでも言いたい。だって私はシキのお姉ちゃんなんだから。
姉は妹を大切にするのが当たり前なんだから。
シキが軽く身じろぎをする。どうしたのかな?もしかして起きちゃった?
少し様子を見るとそんなことはなくて、ただ頭をいい位置に置いただけだった。
起こさなくてよかったって思いながらもう一度シキの頭を撫でようとしたらあるものが目に入った。
それはシキの首に巻かれた包帯。
決して消えることのない傷跡を隠しているもの。
あの時シキは心にも身体にも消えない傷を負った。
何度も私は自分を責めた。もっと早く気が付いてあげていられればこんなことにはなかったのに。
もしかしたら病気の再発だって遅くできたかもしれない。
姉として妹を守れなかった。私の可愛い可愛いシキを守れなかった。
その事実が私の心には常にある。
だから今度こそはそんなことがないようにしないといけない。
そんなことを思いながらシキを撫でていると良いことを思いついた。
それを実行するべく私はシキを起こさないようにそっとシキを抱きかかえる。
私の部屋に戻ってくると、シキを私のベッドに乗せ私は服がシワにならないように着替える。
そして一緒に布団に潜り込む。
シキが入院してた時はよく一緒に寝てたことを思い出して、せっかくなら今日一緒に寝てやろうと思った。
シキを抱きしめて寝る。
シキを抱きしめると温かい温もりを感じるからちゃんとシキは私の腕の中にいるんだなって思える。
それにシキは抱きしめてあげると嬉しそうな顔をする。
今だって私の胸にすり寄って来ていて、顔も緩々に緩みきっている。
安心して寝てるんだねシキ。
きっと私にしか見せない表情。
この娘はなぜか私が抱きしめるとすぐに私だって分かる。
前に試しにシィアが後ろから抱きついていたけど、その時はシィアの方を見ずに優しく頭を撫でていた。
お母さんがシキを抱きしめた時もすぐにお母さんだって気づいて笑っていた。
でもあの娘は私に抱きしめられた時だけ、こんな蕩けたような安心しきった顔をしてくれる。
これは私だけの特権。誰にも渡しはしない。
さて、私も少し寝ようかな?
起きた時のシキの反応が楽しみだな。
きっと恥ずかしくて顔を真っ赤にするんだけど、それでも嬉しそうにするんだろうな。
遠慮はいらないんだよ?お姉ちゃんに存分に甘えてもいいんだよ?
だって私はお姉ちゃんなんだから。
前半イロハはイライライで少しやばいことになってますが、後半はいつも通りです。
近々短編をあげる予定です。興味がある方は是非見てください。短編はある言葉を元に広げていくスタイルでやってきています。今回は「天秤にかける」です。




