戦いの行方
「あの…ごめんなさい…」
アラン達を呆然と眺めているルーチェに控えめに声をかける。
「…どうして謝るの?」
きょとんとした顔のルーチェに言われ、私は首を傾げた。
「だ、だって、アラン…怖かったでしょ?」
「まぁ怖かったけど、それほどイレーナが大切ってことでしょ?」
ルーチェはくすりと笑って言った。
アラン達が戦い始めてはや数分。
アランに攻撃を仕掛けていた兵士達はもう既に伸びていて、フィリプだけがアランに攻撃を仕掛けていた。
そして、戦っている2人の横顔は子供のような笑顔で溢れていた。
「なんか、楽しそう…」
「…えっ?」
ルーチェに、戦っている2人が笑っていることを伝える。
「ん~?見えない…」
絶え間なく動き続ける2人の顔は、私には見えなくはないが、普通の人間であるルーチェの視力では、表情は見えない距離だ。
だから、ルーチェが見えなくてもまあ仕方ない。
「多分、あと数分くらいで戦いは終わると思うわ。」
「なぜ?」と聞きたそうな顔のルーチェに、
「わかった理由は、アランの奥さんだからかな。」
くすくすといたずらっ子のように笑って答える。
「そっか。私…」
ルーチェは何か重大なことに気がついたようで、私に抱きついて「ありがとう」と言った。
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2人の戦いが終わったのは、ルーチェが私に抱きついて数分後のことだった。
2人は闘うのを止めると、私達の所へ走ってきて抱き合っている私達を剥がした。
「イレーナ、帰ろう。」
「待って。私、まだ答えてない。」
「そんなこと…」
「ダメ!ちゃんと言いたいの…」
アランの言葉を遮って、叫んだ私にアランは少し驚いた顔をした。
しかし、「イレーナの好きにしたらいい」と笑った。
玉座の後ろに隠れている国王夫妻に向かって堂々と喋りかける。
「あの、私は攫われてません。自分の意思で行きました。貴方達はなんにも分かってない。どうして自分の意思で決めたことを非難されなくちゃいけないんですか?私は、アランを心の底から愛しています。魔界の人達も大好きです。」
私が喋り終わると、国王は玉座の後ろから出てきた。
王妃はまだ怖いのか、顔だけ玉座だからだしてこちらを伺っている。
「誤解して、申し訳なかった。」
国王はアランや私の方を向くと、お手本のようなお辞儀をして謝った。




