「化け物」と呼ばれる理由(訂正済み)
私は黒髪に金瞳をしている。
この国で黒髪は珍しくはないが、金瞳は珍しいらしい。
両親からの遺伝だろうが、私は両親を見たことがない。
私は村にある唯一の教会兼孤児院で暮らしていた。
国全体を血眼で探しても滅多にいない
金瞳の私は小さなこの村で異色の存在だった。
異色の存在だった私が忌み嫌われるようになったのは私に魔力があったからだ。
この世界には「魔法」が存在する。
「魔法」は「魔力」を持っている者しか使うことが出来ない。
しかし、「魔法」を使える者は今のところどの国にもほぼ存在しない。
存在したとしても、そよ風を起こせる程度の「魔力」しか保持していなかった。
しかし、私は規格外の「魔力」を保持していた。
それに気がついたのは15歳のときだった。
あるとき、私は教会にいる子供と喧嘩をした。
初めは口喧嘩だったのだが相手の子が、友人のいない私がせっせと1人で作った花壇をいきなり踏み荒らしたのだ。
気がつくと相手は泣きじゃくっていた。
よく見ると相手の腕には私が育てていたは花が巨大化した物の茎が巻きついていたのだ。
私が呆然と相手を眺めている間に巨大化した花の茎はするすると離れて、元の相手に踏まれてぐちゃぐちゃになった花に戻った。
夢なのかと思って相手を見ると、相手の手にはしっかりと痣が残っていて夢ではないことを示していた。
私に恐怖心を抱いた村人達は私を村はずれの小屋に押し込んだ。
それだけでなく、幼い子供達に私が「化け物」だと言う事を口を酸っぱくして言っていた。
そのせいでわたしはいつも幼い子供達に石をなげられる。
まあ、そのお陰でアランに仲良くなれたのだから感謝しているくらいだ。