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幕間|三人なら
ハヤテは、
湯に肩まで浸かったまま、
天井を見ていた。
上出来。
音も、客も、流れも、
想定の範囲内。
――いや。
少しだけ、上。
コウタの音が、
今日は前にあった。
引いてない。
置いている。
それが、
ちゃんと跳ねていた。
「……悪くないな」
誰に聞かせるでもなく、
小さく言う。
ツアーは長い。
トラブルも、
疲れも、
必ず来る。
それでも。
この三人なら、
多分、大丈夫だ。
根拠はない。
勘は外れていない。
ハヤテは、
もう一度、
深く息を吐いた。
ヒナタは、
湯の中で手を動かしながら、
水面の揺れを見ていた。
音は、
変えていない。
でも、
鳴り方が違う。
コウタが、
一拍前に出ている。
それだけで、
全体が整う。
「……今のままで行く」
口にした言葉を、
頭の中でなぞる。
無理をしていない。
押してもいない。
ただ、
逃げていない。
ヒナタは、
目を閉じる。
余計なことは考えない。
この感触を、
忘れなければいい。




