私はブルーである。
「でね、ここが噴水!あそこが離宮!」
「うん。」
「うん。」
今の私はブルーである。
絶賛・ブルー中のアリスリアちゃん♪
現実逃避です。受け止めて。
「なんかテンション低いね!で、ここが会場。中庭だよ!」
シャルが指をさした方を見て私の呼吸は止まった。
「うわぁぁぁ!」
花が舞い散る中庭。
空を彩る輝く星たち。
その下を行き交う、色とりどりの令嬢たち。
ほんとに、貴族世界・魔法界・異世界なんだ。
「う。」
そんな時、シャルが苦しそうに胸を押さえた。
「大丈夫っ!?」
すかさず駆け寄り、支える。
「ごめんね、アリス。空気の色とにおいがかすんでて、ニオイがきついんだよね」
シャル。
「シャルル。城に戻るかい?」
「いえ、兄上。今日はトリアも来ます。会いたいのですっ!」
心配しかけ寄るフォルツ。
本当に大丈夫なのかな。
顔色悪いし、足元がおぼつかない。
私は深呼吸しシャルの額に手をかざした。
「治って。シャルの視界に、気持ちに自由を_」
パァァァァ
水色の眩い光が私の視界を覆いつくす。
「うっ」
お兄様とフォルツが手で目元を押さえる。
光がひいた頃シャルが口を開いた。
「ニオイもあまりしないし、心が軽くなった気分!
キレイな魔力が流れ込んできたんだ!」
と。
もうおわかりでしょうか?
お父様に使用禁止令を出されていた治癒魔法。
つかっちゃったっ♪
ま、いっか!
フォルツは今の光景が信じられないみたい。
「アリス?が何かしたの?」
と顔を覗き込んでくるばかり。
「はい。フォルツ。私が治癒魔法を使いました!」
もう仕方ない。
ばれてもいい!シャルを救えたのなら!
「驚いたよっ!君だったんだ!父上が異例な令嬢がいるって言ってたんだ!それで今回会えたら。と思ってたんだ!」
んんんんんん?
また驚きの展開。
「アリスだったんだね!僕を救ってくれてありがとう!」
んんんんんんんん?
なんか、両手を殿下方に掴まれている逆ハーレム状況。
「アリス!レオ!」
んんんんんん?
また私の名前。
もしや救いの神?
「ぼ、僕のこと覚えてるよね?ぼ、アリス!」
ってトリアか~いっ!
「と、トリア。」
なんか、お母様がトリア来るって言ってたわ~!
なぜ忘れていた私。
しかも今の光景を考えろ。
悪役令嬢 一匹。
攻略対象 4人。
なんかおかしいぞぉぉぉぉ?