EPISODE03 3つ又の抗争
ドレイクシティの深夜。1台の車が道路を走っていた。
運転席に座っているのは、ティム・ミラー刑事。助手席にはアマンダ・ジェンキンスが。
2人はドレイクシティに新しく配属されてきた刑事だ。スピード違反を取り締まり、本部へと車を走らせていたところだ。
「それにしても、この街は犯罪だらけだな・・・」
「ええ・・・シカゴとはまるで違うわ。」
アマンダは煙草を吸いつつ、返答した。
「禁煙したんじゃなかったのか?」
「禁煙したけど・・・やめられないのよ。私に構わないで。」
「君のことを心配してるんだ。ほら、君は体が弱いから・・・」
「大丈夫よ。あの頃とは違うから。」
アマンダはそう答えると、咳をした。
「本当に大丈夫なのか?」
「平気よ・・・そんなことより、あなたは運転に集中して・・・」
彼らがそんなやりとりをしていると、派手な服を着たヒスパニック系の男たちがたむろしていた。
「妙な奴らだな・・・。」
ティムは彼らを不審に思い、車を道路脇に停めた。
しばらく見張っていると、向こうから改造車と思わしきスポーツカーが男たちの方へと走ってくる。
やがて、彼らへ近づくと短機関銃を持ったジャマイカ系の男が窓から顔を出し、男たちを撃ちまくった。
被弾して次々と倒れる男たち。
「クソッ!奴ら、ギャングだ!」
「追うの?」
「当然だ。」
アクセルを踏むティム。
運転しながら、無線で本部に連絡する。
「ウィルソンストリートを黒の改造車がヒスパニック系のギャングを襲い、そのまま逃走中。応援をよこしてください。」
「了解。ロドリゲス警部と所轄がそっちへ向かう。」
無線を置いて、車を追い続ける。
しかし、改造車はティムとアマンダの車に発砲。
背後からはジャマイカ系ギャングの改造車を追って、ヒスパニック系ギャングの車が。
激しいカーチェイスのさなか、ロドリゲス警部と所轄の乗った車が走ってきた
「改造車、停まりなさい!」
彼らの警告を無視して走り続ける改造車。
そこへジェットポーターが出現。
ジェットポーターは改造車に追いつき、激しくアタック。
改造車はバランスを崩すと、そのまま建物に突っ込んだ。
ヒスパニック系ギャングの車は改造車のもとへと向かい、構成員たちをつまみ出す。
「このダニども!有色人種のくせにでかい顔してんじゃねえ!」
ジャマイカ系ギャングの構成員をリンチするヒスパニック系ギャング。
ロドリゲス警部とティム、アマンダは拳銃を向ける。
「全員、ひざまずいて投降しろ!」
彼らは手をあげてもひざまずこうとはしない。
彼らに近づいて、撃とうとするティム。
「やめろ!ミラー。奴らを逮捕するんだ。殺すな!」
ロドリゲス警部は必死に止めようとするが、彼は拳銃を下ろさない。
引き金を引こうとすると、1人の男は銃をはたいた。
ファルコンマンだ。
「彼らは法廷で裁かれるべきだ。殺してしまっては元も子も無い。」
「なぜだ!?どうせ奴らは麻薬中毒で病院送りがオチだぞ?そして、くだらない言い訳でノコノコと出てきて、また犯罪に手を染める。奴らに生きる価値など無い!」
「君がやろうとしていることは処刑だ。正義じゃない。」
「正義では悪を裁けない!」
ティムは叫んだが、ファルコンマンは彼らをロドリゲス警部補に引き渡す。
ファルコンマンはジェットポーターに乗り込むと、そのまま走り去っていった。
煮え切らない思いのまま、去っていくファルコンマンを見て、ティムはつぶやく。
「ファルコンマン・・・彼は一体何者なんですか・・・?」
「この街の守護神・・・いや、無法者だ。だが、私たちの救済者でもある・・・」
ロドリゲス警部補はティムにそう答えると、走り去っていくファルコンマンを見守っていた。
NEXT STORY・・・EPISODE4「極大射程」ある工業廃棄物を輸送中のトラックドライバーが暗殺された。サーシャは情報を求め、FBIのネットワークに不法アクセスする。ハッカーとコンタクトを取り、情報を聞き出そうとするが・・・