EPISODE02 殺しの秘術
ドレイクシティの深夜。
ヘッドホンをつけた青年が、電車から降りてきた。
駅を出て、一本道を歩いていると、突然金縛りに遭ったかのように動けなくなった。
「・・・?」
もがき苦しむが、動くことができない。
「うっ・・・」
青年は吐血した。意識が朦朧としていき、地面にバタリと倒れてしまった。
翌朝。ドレイク市警は、青年の死因を検証していた。
遺体をカメラに収める警官たち。
「死因は?」
ロドリゲス刑事は警官に尋ねた。
「多量の血を吐いたことによる出血死であると思われます。」
「目撃者は?」
「今朝の5時に、ランニングをしていた男性が目撃し、通報を。」
「誰も見ていなかったのか・・・なぜ突然吐血したんだ・・・?」
ロドリゲス刑事は、検証を終え、本部に戻るとノーラン邸へと連絡した。
「もしもし・・・」
「もしもし、ノーランですが。どちらさまで?」
「警察の者ですが、キートン君をお願いできますか?」
「少しお待ちください。変わります。」
「もしもし?」
「キートン君、聞いて欲しいんだ、」
「ロドリゲス刑事!例の事件ですか?」
「いや、昨夜の殺人事件のことなんだ・・・」
「奴がやったんですか?」
「いや、奴の犯行と一致しない。不可思議な死因だ。」
「魔法みたいな?」
「まあ、そんな感じかな・・・とにかく特殊な死因だ。薬や刃物を使ったとは思えない。そこで頼みがある。」
「頼み・・・ですか?」
「そうだ。あの周辺を張り込むんだ。犯人が誰なのか突き止める。」
「なんだかあまりよくわからないけど・・・まあ、やってみます。」
「よろしく頼む。」
その夜。トビアスとロドリゲス刑事は、そこで張り込みをしていた。
「ホントに現れるんですかね?」
「可能性が高い。犯行をするなら暗い場所だからな。ところで、準備はできているのか?」
「ええ、ケースに。」
「さすがだな。奴が現れたら、私が銃を向ける。君は私の合図で駆けつけてくれ。」
「わかりました。」
数分後。何も現れなかった。
「やはり現れないか・・・」
睡魔に襲われかけたそのとき、怪しい人影を目撃した。
銃を構えて飛び出すロドリゲス刑事。
「動くな!逮捕する。」
銃を向けた相手は、先端にドクロのついたステッキを持ち、黒装束を羽織った初老の男だった。
「やれるものならやってみろ。」
男が言った途端、ロドリゲス刑事は身動きが取れなくなった。
「何!?」
もがいても動くことができない。
絶対絶命のロドリゲス刑事。
そこへファルコンマンが現れ、男にパンチを振るう。
「あんた、ブードゥの秘術使いだな?」
ファルコンマンは男に尋ねる。
「よく知っとるな、小僧。わしはハイチの番人、サムディだ。貴様にわしを倒すことができるかな?」
「この街であんたが好き勝手する権利は無い。」
ファルコンマンはサムディに攻撃を仕掛けようとするが、身動きが取れない。」
「動けない・・・?」
「貴様はわしの秘術にかかっておるのだよ。わしを倒すことはできん。」
秘術がファルコンマンへと集中していたためか、ロドリゲス刑事は少しずつ動くことができていた。サムディの足を撃つロドリゲス刑事。
サムディは足を撃たれると、怯んだ。秘術が使えるとは言え、所詮は人間だ。ただの犯罪者に過ぎない。
ファルコンマンは隙をついて、サムディが持っているステッキの先端のドクロをキックで破壊。
魔力を失ったのか、ステッキをかざしても、秘術を使えなくなった。
「おのれ・・・」
逃亡しようとするサムディ。しかし、ロドリゲス刑事はサムディの足を撃つ。
倒れるサムディ。ロドリゲス刑事は銃を向け、殺そうとする。
「頼む・・・命は助けてくれ・・・」
サムディが悲願しようと、ロドリゲス刑事は銃口を向け続ける。そんな彼をファルコンマンが止めた。
「ロドリゲス刑事。奴を逮捕しよう。」
「何を言うんだ!奴は卑劣な方法で人の命を奪ったんだぞ。」
「殺したらあなたが殺人者だ。さあ、手錠を。」
ファルコンマンの説得で、納得のいかない表情を見せつつもサムディに手錠をかけるロドリゲス刑事。
サムディを車に乗せると、ロドリゲス刑事はファルコンマンに言った。
「ありがとう・・・君に止められてなかったら、私は撃っていたかもしれない・・・」
「あなたは撃てませんよ。正義の人間なんだから。」
「・・・。」
ファルコンマンは、ジェットサイクルを呼ぶと、それに乗って走り去っていった。
ロドリゲス刑事は、そんな彼をずっと見送っていた。
NEXT STORY・・・EPISODE03「3つ又の抗争」ある夜。車を走らせていたロドリゲス警部の部下であるティム・ミラーとアマンダ・ジェンキンスは、突如ギャングの抗争に巻き込まれ・・・




