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ランプを片手に異世界へ  作者: 烈斗
エルフの騎士編
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第十八話・炎の輪



魔人(イフリート)、エルフの騎士と巨大な蟲の魔獣の戦いが始まった。


魔獣はリトの圧倒的な魔力を感じたのか、警戒心を強め、糸で拘束しようとした。


「この私の動きを封じようだなどと、身の程を知りなさい!指撃熱線(フィンガーヒート) !」


リトは人差し指を向けると熱戦を放ち、魔獣の糸を相殺した。


「貴方ごときの糸など、私がいくらでも焼き尽くして差し上げますよ !」


魔獣は自慢の糸を相殺され、焦ってるようだった。その隙をエルサは狙った。


「はぁぁぁぁ !!!」


エルサは剣の一撃で魔獣の脚の間接部分を切りつけた。脚はまるで豆腐のように綺麗に切り落とされた。バランスを崩し、倒れ込む。魔獣は脆い腹部を無防備に晒した。


「まだまだぁ !!!」


エルサは攻撃の手を緩めなかった。剥き出しになった腹部を容赦なく切り刻んだ。

魔獣は痛みのあまり、苦しそうに呻いていた。

魔獣は何度も切りつけるエルサに抵抗し、脚を折り曲げ、高く舞い上がった。


「何だと !?」


急降下し、エルサをその巨体で踏み潰す気だ。


「させませんよ !」


すかさずリトも大地を蹴りながらジャンプし、魔獣よりも高く飛んだ。

魔獣を追い越すと空中で踵落としを喰らわせた。魔獣の頭部がベコッと凹み、そのまま地面めがけて墜落した。


「一撃で……何て力だ……!」


エルサは驚いているようだった。

魔獣は地面に激突し、何本もの樹木が倒された。魔獣は逆さになった状態で激しく暴れ、そのうちピクリとも動かなくなった。


「もしかして……やったんですか…… ?」


私は戦いが終わり、安堵の表情を浮かべた。


次の瞬間、魔獣は毒針を私に向かって放った。死んだふりをしていたのだ。

だがエルサが寸での所で私の前に立ち、一太刀で毒針を跳ね返した。毒針は跳ね返り、逆に魔獣の腹部を突き刺した。


「二度も同じ手は喰らわん」

「エルサさん…ありがとうございます……」


エルサは振り向き、ニコッと微笑んだ。


「さて、貴方の悪あがきもここまでですよ」


リトは満身創痍の魔獣に近付いた。魔獣はリトに殺意を向ける。


「私には制限時間がありますからねぇ、そろそろトドメを刺してあげますよ」


リトは人差し指で2つの円をなぞった。するとサーカスでよく見る炎の輪が具現化された。


炎輪(フレイム)抱擁(リング)!」


リトが合図をすると、炎の輪が倒れてる魔獣に向かって飛んでいった。そして炎の輪は大きくなり、魔獣を縛り上げ、燃え上がらせた。魔獣は炎に包まれながら、ジタバタとのたうち回った。

やがて炎が消えると、黒こげになった魔獣が姿を現した。

リトは魔獣に近付くと、人差し指でツンとつついた。黒こげになった魔獣の体は瞬く間に崩壊した。


「中々タフでしたね……ま、虫けらの分際でこの私に刃向かった報いですよ」


リトは黒こげになった魔獣を眺め、高らかに笑った。エルサはそんなリトに声をかけた。


「魔獣すら焼き尽くす圧倒的な魔力……。君は炎の魔人・イフリートなのか…… ?」

「はい、わずかな時間しかここに居られませんがねぇ、今の私は半分精神体のようなものですから」


リトの体は徐々に消え始めた。タイムリミットだ。


「最後に教えてくれ。何故魔人である君が、人間に力を貸してくれるんだ ?」

「愚問ですね、エルフの騎士さん。私は主の為に戦うだけですよ」


そういい残すと、リトは光となって消え、ランプの中に戻った。


「リトか……。世の中には面白いことがまだまだあるのだな……」


エルサは感心しながら腕を組んだ。

私は彼女の元へ駆け寄った。


「エルサさん !」

「ワカバ、心配かけたな。もう終わったぞ」

「良かったぁ……」


ホッとしたのか、力が抜け、私はエルサの前でふにゃふにゃと腰を抜かした。


「おっと、大丈夫か ?」


エルサは私の肩を支えた。


「平気です。安心したらなんか力が抜けてしまって……」

「君は無茶をするからな……。でも君のおかげで助かった。ありがとう」

「私こそ、助けてくれてありがとうございます」


二人は見つめ合い、互いに笑った。


「やっぱ女どもだけに任せちゃおけねぇ !」

「お嬢ちゃんは俺が守ってやるぜ !」

「魔獣め !かかってきやがれぇ !ってあれ ?」


三人組の騎士達が今更駆けつけてきた。


「全く、君達は……。遅いぞ、戦いはもう終わった」

「え ?終わっちゃったの…… ?」


三人はとぼけた顔をした。エルサは呆れていた。


「さ、ワカバ、帰るぞ」

「はい !」


エルサと私は三人を放っておいて森を後にすることにした。


「ちょっ待ってくれよ~ !」


三人組も慌てながら私達の後を追いかけた。


To Be Continued

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