終わりと始まり
俺はまだ生きている。
吸血鬼になって困ったことは別にないなそもそもろくに今まで外出してこなかったから日光が浴びれなくても影響がない、吸血鬼と言っても別に他人の血を飲みたいとか思わない、それどころか回復能力のおかげか腹も減らずに寝なくてもいい、最高の自堕落生活を過ごしている。
それにこのゲームには一つ大きな欠陥がある、それはプレイヤー同士の位置がわからないことだ、これなら俺がプレイヤーだとバレなければ殺されることがない、このゲームの制作者は馬鹿だからなそんなこと考えずにゲームを作ったのか。
俺はこのまま隠居生活でも送ろうかな、考えてみろ俺は吸血鬼になっただけで食費がいらなくなり10ポイントつまり1000万円もらえたのだ、これほど運のいいことがあるか。
それからと言うもの俺は毎日をだらだらと暮らしていた。しかしある日最近人気急上昇中だという魔法少女の動画を見た、動画ではほうきに乗って空を飛んだり植物のツタをを操ったりと明らかな超常現象が起きている。
世間的には自称魔法少女のマジシャンということになっている。が吸血鬼である俺はこいつは本物の魔法使いではないと否定できない、でもなんであんなことを?これじゃあ自分から私はプレイヤーですと言ってるようなものじゃないか。
「目立つことで他のプレイヤーをおびき寄せるとか?」
「確かにリーちゃんの言う通りだ、でも明らかに不利じゃないか?自分の能力をバラすことになるんだぞ、それにこの魔法少女からは誰がどのタイミングでくるのかわからないじゃないか?」
「もしも攻撃を仕掛けてきたプレイヤーがいても不意打ちさえ回避し、逃げ切れば有名になったことで得た情報網でそいつのことを捜索できる。むしろ情報によって自分を守っているんじゃない?」
「なるほど、頭良いなでも俺には関係ないな別に誰が何点とっても自分の点数は変わらないし」
「いいの?他の人にポイントが取られるよ」
俺は死ぬ危険を犯してまでお金が欲しいわけじゃない、それに人を殺すとか怖いじゃん、ということで魔法少女に対し何もリアクションを起こさなかった。
あれから更に数日が経過したが未だにあの魔法少女は生きているようだ。それともう一つニュースがある銀行に強盗が入ったようだ。ふむ銀行強盗かこれもおそらくプレイヤーの仕業だろうポイントを金に変えられるように金をポイントに変えることができる能力を持ったプレイヤーを相手にするよりも無能力者の集団を相手にするほうが良いと考えたのであろう。
「そもそもの話、勝利するには2億円は自分で稼がないと行けないんだよ」
「どういうことリーちゃん?」
「だってさプレイヤーは5人しかいないわけじゃん」
「うんそうだね、だから俺が隠れているからあいつらは自分たちで稼ぐしかないって話?」
「あはは〜〜違うよ〜プレイヤーは自分含めて5人でしょ他の4人を一人で殺したとしても自分まで殺しちゃったら意味がないじゃん」
「………確かにどうして気づかなかったんだこんな簡単なことに」
「まあまあ勝利に興味がなかったからしょうがないよ」
リーちゃんになぐさめてもらっていると再びあの時みたいに頭の中にあいつが話しかけてきた。
「全プレイヤーに通達。保有するポイントが1000以上のプレイヤーの存在を確認しました、残りプレイヤーを転移し最終イベントに移行します」
は?なんか始まったんだが?
謎のゲームマスターによって5人のプレイヤーが一同に会し俺は初めて他プレイヤーと顔を合わせる、というか何やらかしてくれるんだ、俺はあのままリーちゃんと二人で暮らしていくつもりだったのに強制イベントとかいうゴミさっさとなくせ。
プレイヤーたちの顔を見渡し俺はなにか気付いた、そう死んだはずだった両親と兄と妹がいた、そう俺以外のプレイヤー(CPU)とは俺の家族だったのだ。
「なぁリーちゃん俺がっかりなんだけどこんなつまらないストーリー、全然面白くない」
「低評価のゲームなんて買うからだよ」
「そうだね、俺が悪かったよ同じ吸血鬼で設定も似てると思ってやってみたけど微妙だったな」
あのままよくわからん突然生えてきた両親と兄妹が感動の再開を果たし家族みんなでゲームマスターを袋叩きにするというなんとも言えないエンドで幕を閉じた。
「何だこのクソゲーは?」
「でもでも周回プレーもできるらしいよ行動パターンによってシナリオも変わるんだって、せっかく買ったんだしもう少しやってみようよ」
「そうだねリーちゃんだって俺は不死身の吸血鬼だからね」




