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『グランドファンタジア・闇の大地』をつくってみた  作者: 葉月 優奈
三話:キャンプ場の巨象をつくってみた
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秋田市内は町並みから離れると、郊外に山もあった。

冬にはオープンするスキー場もあって、賑わっていた。

スキー場の近くには、キャンプ場が見えていた。

キャンプ場の駐車場に、五十土は車を止めていた。


キャンプ場で、近くの男性二人組に俺たちは聞き込みをしていた。

秋のキャンプで、かなり着込んだ二人組。

見た目年齢は、四十代の男性二人組だ。


「ああ、足跡はあっちにあったよ。森の方だけど」

男性二人組は、秋のキャンプになれたような厚着だ。

ジャンパー姿の二人組に、会釈をして俺たちは森の方を歩いて行く。


俺とスピカと五十土、三人で森の中を進んでいく。

「探しているのは、アイツの足跡よね」

「『象国』の英雄王……ガネーシャ」

森の中を進むと、大きな足跡が見えた。

他の動物と違い、象の足跡はかなり大きい。


「森の中で象とか、なかなかの取り合わせよね。ねえ、スピカちゃん」

「なに?」

「ガネーシャって、そんなに大きいの?」

「大きかったし、とても強かった」

「なるほど、パラメーターはHP5万か」

スマホで、芝童森から事前にもらったガネーシャの数値を見ていた。

ガネーシャは、もちろん俺がキャラデザインを担当していた。

能力値の設定は、プランナーでバランサーの芝童森の仕事。

芝童森に写真を送り、ガネーシャの能力を調べてもあった。


「象の英雄王……ガネーシャ。象国の王で、最強の存在。

魔王四天王の一人で、弱点は氷属性。HPと防御力が高くて……魔王バロル並み……」

「そんなことも、分かるのか」

「ああ、芝童森は……多分ガチ中の神だからな」

パラメーターを直接決めているのは、ほとんど彼だ。

彼ならば最適解で、グランドファンタジアをクリアすることができる。

実際平均クリア15時間のこのゲームを、僅か4時間でクリアする強者だからな。

それでも、ステータスを見ながらある事を考えていた。


「僕一人で、戦うんだよな」

「そうだな、厳しいかもしれないが」

「大丈夫だ、あのときよりレベルが上がっている」

スピカの現在のレベルは58。クリアレベルに達している強さだ。

ゲーム内で戦ったガネーシャは、適正レベルレベル35。

だけど、HPと防御力はとんでもなく高い。


ゲーム内で戦ったときは、4人パーティだ。仲間も三人一緒に戦った。

今回はスピカの他には、一緒に戦ってくれる仲間がいない。

エフネのように、魔力源を吸い取って倒す方法もない。


(本当ならば、戦わずに交渉すればいいんだけど)

俺はガネーシャも、デザインしていた。

だから敵の設定も、ボスクラスとなればしっかり覚えていた。

ガネーシャは好戦的で、強者を好む。

ガネーシャに接触する前に、上手く近づければいいのだけど。


そんな事を願っても、一瞬でその願いはむなしく砕けた。

スピカが何かを感じて、俺たちの前に割って入った。


「ヤツはいる、すぐそばだ。そして、こちらに気づいている」

「感じるのか?」

「間違いない、ガネーシャだ」

前から、ミシミシと木が割れる音が聞こえた。

奥の方を指さすと、木が倒れていくのが見えた。

そのまま次々と木をなぎ倒して、こちらに向かってきていた。


「来るぞ」

勇者の剣を一瞬で取り出したスピカは、険しい表情に変わっていた。

そのまま、彼女はもう突進する灰色の何かに構えた。


次の瞬間、一本の木が俺たちの方に投げつけられた。

それを一刀両断で打ち込むスピカ。

木々が、真っ二つに割れて、後ろに飛んでいった。


「やはり来ていたのか、勇者よ」

奥から間もなくして姿を見せた人物は、二足歩行をする象だった。

長い鼻の少し上には、オベロンの精霊印が怪しく光っていた。



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