表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『グランドファンタジア・闇の大地』をつくってみた  作者: 葉月 優奈
二話:大学の巨人をつくってみた
25/56

025

(DANKU’S EYES)

昼下がりの大学に、突然現れた巨人。

四メートルの裸の女の巨人、現代で見るとその大きさが際立っていた。

唯一ゲーム内のペストラと違うのは、髪の色が赤く長い髪だと言うことだ。

野次馬もドンドン増えていて、騒ぎになること間違いない。

だけど、その巨人を俺は知っていた。


「やっぱり出たな、ペストラ!」

「やはり、知っていたか神『男駆』よ」

俺と、エフネは既に巨人の正体を知っていた。


女巨人のペストラ、魔王四天王の一人。

巨人族の娘、グランドファンタジアのボスの一人だ。

巨大な体で、振り下ろされる一撃は即死級のダメージ。

ペストラは、完全に脳筋のキャラだ。

そんなペストラが、現代のこの世界に来ていた。


(やはり、スピカやエフネのように向こうの世界からこちらに来ていたのか。

だけど、雰囲気が全く違うな)

俺は呆然と歩いていたペストラを、じっと見ながら動いていた。


「どうするよ?」

「ペストラを、あのままにしておく訳にはいかないだろ!

あの巨人を産んだのは……この俺だからな」

「そうだったな。幼女好きの、イラストレーター」

茶化す芝童森に、俺は走り出していた。


「エフネ、ペストラのことは理解しているな」

「無論だ、私を誰だと思う?」

「ならば、ペストラを止める。そのやり方も分かるな」

「私の魔法の出番だな」

俺の言葉に、エフネが前に出た。


だけどこの世界では、魔法源が薄い。

エフネの魔法は、決して強くない。

それでもエフネは、右の人差し指を立ててくるくると回し出す。


「悪魔魔法、初めて見るな」

エフネの動きに、芝童森(プランナー)も興味があった。

グランドファンタジアで、データだけしか知らない芝童森。

だからこそ、強さを実際に見る機会は貴重なのだろう。

ただ、俺は不安を感じていた。


(問題は、エフネは何の魔法を使うかだ)

俺と芝童森は、エフネの成り行きを見守っていた。

魔王の娘であるエフネの得意魔法は、悪魔魔法。

グランドファンタジアの人間やプレイヤーが使う魔法とも、種類が違う。

悪魔魔法に関しては、俺はどんな種類があるか分からない。

悪魔魔法は、敵にしか使えない魔法だから。


「ペストラよ、動きを止めよ。『ストップカーズ』」

エフネの魔法が、人差し指から光が放たれた。

巨大な体で歩き続けるペストラに、その光に包み込まれた。

一瞬だけペストラは動きが止まった……かに見えた。


「ダメだ!」エフネが叫んだ瞬間、ペストラは再び歩き出した。

こちらに気づくことも無く、ただ一心不乱にどこかを目指して歩いていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ