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コード・ゼロ  作者: 黒雪
13/22

独りの義兄妹

 今度は若干少なくなるという。

 まあ偶にはこういう話も、個人的には好きです。

 紫苑とメアが納得の表情を浮かべる。

 「なーんとなく、話が読めた気がするぜ」

 「なるほどねぇ。じゃああの狂魔っぽいのは・・・」

 「・・・そういう事さ」

 あまり剱としても気分のいいものでは無いのか、剱の声は控えめだった。

 「でもさ、それにしては何というか。・・・しょぼくない?」

 メアが率直な感想を言う。それには紫苑も剱も強く頷いた。

 「恐らくあれは、「不良品」ってところだろうね」

 「不良品・・・ね。その例えならメア達は不良品の回収業者役をさせられたって感じかぁ」

 「ああ・・・確かにそう考えりゃそうかも」

 「・・・で、問題はこれからだろう」

 剱の指摘に紫苑とメアは体勢と視線を戻す。

 それを確認すると、剱は再び話し始める。

 「まあそれでさ。不良品もあれば、同時に連中は「完成体」も持ってる。そしてそれの実験として、第七区を使おうとしているみたいだね。どうやらどこぞの組織に売却するのが目的の様だが」

 「迷惑な話だな全く・・・ほんと世の中暇人が多いんだなぁ・・・」

 ((紫苑が言うな))

 紫苑は一人で溜息をついているが、剱とメアはそんな紫苑を白けた眼で見ている。

 「それだけならいいんだけど。どうせその程度なら俺達がやる前に七の部隊がやっておくだろう」

 「ん?つまりそれはまだなんかあるって事か?」

 「今回の一件、連中は第七区の人間を使っている可能性がある」

 「つまりは、張本人達はほとんど動こうとしてないってわけだね?」

 「そういう事。自分達に及ぶ危険性をなるべく低くして、かつ大規模に出来るから、だろうけど」

 それを聞いて紫苑は少しの間俯いて、思案顔をした。

 「それで、結果を手に入れたら場所を移して、また別の場所で金稼ぎってか。運用データならその奴らからうけとりゃ良いしな。・・・なあ剱、その使われてる方の奴らは分かるか?」

 紫苑が剱の方に向き直り、問う。だが剱は肩をすくめて、首を横に振った。

 「割とまともなこと言ってることに感心しつつも、すまない、そこまでは明記されてなかったな」

 そう言いながら剱は自分の端末を確認している。

 「まあ剱は相手方の情報の交信をかすめ取ってるわけだしねぇ」

 「その言い方は否定しないでおこうか。まあそれで、だ。もう分かってると思うけど」

 「ん」

 紫苑は短く返す。メアも笑みを浮かべながら頷いた。

 「恐らく次はかなり大規模なものになると思う。何時かは分からないが・・・」

 「関係ないね。俺達は今第七区の人間だ。何時何が来ようと、第七区に降りかかるもんは根こそぎ消すだけだ」

 単純、と言えばそれだけだが、紫苑の言葉に剱は同調するように笑った。

 「それでこそだね。メアも」

 「誰に言ってるのかなぁ?」

 剱の肩に乗せていたメアの腕に力が入る。剱はそれを呆れた顔をしながらメアの腕に手をかける。

 「地味に殺意を込めて首を絞めに来ないでくれるかな。普通に怖い」

 「・・・んー」

 「・・・後、例え俺達が戦えても、この街には戦えない者達もいる。・・・「前」とは違う事を意識してくれよ」

 「ん。だな」

 言い終わると、紫苑は立ち上がって体を伸ばした。

 「つーわけで、明日もどうせ学校だし、茶でも飲んだら解散しようぜ」

 紫苑はキッチンに行ってお茶を取り出す。

 二人はそれを素直に受け取った。

 コップに入ったお茶を飲み干すと、剱は早々に荷物をまとめて立ち上がる。

 「それじゃ、俺は帰るよ。何時連中が仕掛けてきてもいいように、ね」

 「おう。また明日な・・・で」

 剱に手を振りながら、紫苑は横にある自分のベットでごろごろしているメアの方に視線を向ける。

 「もしもしメアさん?いつまでそこにいるつもりですかね?」

 「気が済むまでかなー」

 「どれくらいかかります?」

 「明日の朝までくらいかなー」

 「明日も学校だっての!起きろぉ!」

 「やだー」

 紫苑はメアが頭を乗せている枕を引っ張り出そうとし、メアはそれをがっちりと掴み離さない。

 紫苑ならメア程度の小柄な少女持ち上げられるのだろうが、メアの身体に触れないのはその行為がどれだけ危険かをわきまえているからだろう。

 「・・・あ、そういえば」

 玄関に立った剱がドアノブを掴んだまま停止し、首だけ紫苑の方に向けた。

 「前例がないわけでは無いけど、街にあれだけ狂魔まがいが街に出たんだ。明日は学校休みだろーね」

 「・・・」

 ニヤニヤしながらそう言うと剱は今度こそ外に出た。

 「・・・」

 「・・・ふっふっふ。否定材料はこれで消失したねっ!」

 「いや否定材料有り余ってるけどもうどうでもよくなってきた・・・」

 がっくりとうなだれた紫苑の腕を、メアはクイクイと引っ張った。

 「・・・ぁ?なんですかい」

 「んー・・・」

 その手は両手になり、紫苑の胴をしっかりと掴み、顔を埋めた。

 「メア?」

 「一緒に、寝ない・・・?」

 「その言い方色々誤解生むんですがねぇ・・・」

 そう言いながらも、紫苑はメアの頭を撫でる。

 「・・・まだ、「治って」無いのか」

 「ん・・・多分。・・・時々」

 「そうか・・・」

 メアの声はどことなく寂しげで、苦しげだった。

 「ま、明日は休みらしいし。・・・わーったよ。どうせ俺も一人暮らしだしな」

 諦めたように紫苑は溜め息を吐く。するとその瞬間、メアの眼が輝きを取り戻した。

 「やたーっ!」

 「!?おまっ・・・」

 メアが紫苑に飛びつく。

 それで押し倒される程紫苑は軟弱では無かったが。

 「ふっふっふ。今日は寝かせないよぉ・・・?」

 「だからそ言い回し止めない?」

 「いつもの」メアだ。それに安心したように紫苑はメアを見つめた。

 「メア。今回も頼らせてもらうぜ?」

 「こっちこそ。頼りにしてるよ、おにーちゃん?」

 「・・・ぶっ!?」

 急にそう呼ばれて、紫苑は動揺する。

 「おやおやこう呼ばれるのは慣れてませんかねぇ?」

 「や・・・んぐ・・・まあ、なぁ」

 「・・・私は、紫苑の事、それだけ大切だから、ね。ナイトも、まあ剱も」

 「おう」

 そう言ってメアは小さく笑う。

 「さってと。じゃ、一旦シャワー浴びてくるねー」

 メアはベッドを下りシャワールームへ上機嫌で歩いていく。

 「・・・何の抵抗なくシャワールームに行くとは・・・無神経というか末恐ろしいな・・・」

 紫苑は独りで、頭を抱える。

 「・・・妹、か」

 その時、紫苑の端末が振動した。

 「ん?通信・・・一色センセ、からか?」

 なんだか最近小説くらいしかやることが無くて、結果的に小説制作がはかどっている黒雪です。

 まあ相も変わらず「やらないといけない事」の方は多いですが・・・。

 そう言えばなろうコンが始まりましたね。

 もう少し進めて、改良した後、コードゼロでも出してみようかなーなんて思っています。

 やっぱりこういうお祭りごと(?)には参加しておきたい性分で。

 零落者も改稿版をwardに書いていたんですが、それを直接なろうに持ってこれなかったので・・・

 まあ、こっちで書き直しますかね。

 ・・・今週中には、出せる、筈・・・。

 というわけで、今回もありがとうございました。

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