48話 屋台開店
遂に、屋台開店の日がやってきた。
レンタル料として3万リル、営業費用として2万リルを支払うと、ポテトフライとホットケーキの独占権も承認された事を確認し、契約書を入手していた。
少し早いが、朝9時から街の広場で準備を始める。
既に各800食のポテトフライとホットケーキが出来立ての状態でアイテムボックスに入っているが、作りたて感を出すために、少しずつ作っている所も見えるように作りながら販売する予定だ。
「どのくらい売れるかなぁ。」
張り切って1000食分材料を準備したものの全く売れなかったら、それはそれで困る。
「ユーキ様、間違いなく売れますから。特に、ホットケーキは高めですが、こんなに甘くてフワフワな食べ物は、今までありませんから、絶対に売れます!」
そんなこんなで開店時間の11時になった。
「さぁ、開けようか。」
「はいっ、ユーキ様!」
いざ、異世界にて、屋台を出す。
ポテトフライの香ばしい匂いと、ホットケーキの甘い匂いに連れられて、人はよってくるが、初めて見る食べ物と値段に中々購入する人は現れなかった。
昼食時であるこの時間帯に、他の屋台では客が並び、売れ始める。
俺の屋台を含めて、全部で20の屋台が出されている。
周りの屋台では、串焼きや肉野菜スープ、パンに肉や野菜を挟んだバーガー類等、昼食向けの商品が250~500リルで並んでいる。
「確かに昼食としては、失敗だったかもしれんな。もう少し安価で腹に溜まるものが良かったかなぁ。」
ホットケーキは腹に溜まるものの、昼食としては値段が高価でどちらかと言うとデザートに分類されるし、ポテトフライは、単品では飯にならずおやつやつまみ何かの付け合わせ的な立ち位置だ。
「大丈夫です。自信を持ってください!」
その後も売れず、12時を迎えた。
周りの屋台は、それなりに行列が出来ているが、俺の屋台の前だけガラーンっとしている。
相変わらず興味はあるが、買わない子供達がチラホラ。
あっ。
「ねぇねぇ、君達。」
8才位の男女3人組の子供に声をかける。
「ん?なぁに?」
「これ食べてみない?」
「いいのっ!?」
俺は頷くと、ポテトフライを1食と、ホットケーキ1食を3つに切って渡した。
3人組は、ポテトフライを食べると、
「「「うま~い!なにこれ?サクサクホクホク!で、ショッパーイ!」」」
ポテトフライを食べた後に、指をペロペロ舐めながら、3人はホットケーキをツンツン触って、そのフワフワに驚きながら、口に運ぶ。
「あま~い!フワフワしてる!こんなの食べた事ないよ!」
もう1切食べようとすると、
「おい!次は俺だぞ!ずるいぞ!」
取り合いになりながら、食べていると、値段をみてから
「ポテトフライってやつ1つ売ってくれよ!ホットケーキも食べたいけど、高くて買えないよ…。」
「毎度~!」
ようやく1つ売れたと思ったら、ワラワラと人がやってきた。
やはり、値段を見てから
「ポテトフライ2つ売ってくれ!」
「こっちもポテトフライ2つだ!」
「ポテトフライ3つくれ!」
「ポテトフライ1つ売ってよ!」
みんなポテトフライだ。
それもそうだろう2000リルは、中々高額で、豪勢な夕食が食べれる金額だ。
ポテトフライを食べた人達が、口々に美味いと叫んでいると、客は次々に増えていった。
そこで、ユリにポテトの販売を任せ、ホットケーキを8切れに切り分け、5食分周りの人に配って回った。
試食の甲斐もあって、少しずつホットケーキも売れ始めた。
結局、昼の販売時間である15時まで販売を行い、
ポテトフライ500食 内試食1食
ホットケーキ150食 内試食12食
売上525500リル
ポテトやべぇ。
明日で無くなるな…。
急いで市場に向かってから、ジャガを1000個購入した。
家に帰ると、ユリと2人でポテトを揚げまくった。
昼間も100食揚げたが、夜もなんとか300食揚げてアイテムボックスに入れると、
ポテトの在庫が700食
ホットケーキが650食
となった。
明日はなんとかなるかな…。
一応、嬉しい悲鳴だ。
その日の夜は二人とも泥のように眠った。




