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想定外の遭遇でした

感想がなくてやる気が干からびそう.....

誰か感想を〜

「てめぇらぁぁぁぁぁぁぁ!」


魔力弾を今まさにアリスの母親に覆い被さろうとしている男に叩き込む。


「ぐおっ!?」


リョーマはかつてない激情に駆られていた。


「このガキ!」

「舐めやがって!」

「俺達が誰か分かってんのか? あぁ!?」

「生きては返さねぇぞ!」


しかし同時にこれ以上ないほど冷静だった。


全部で5人か。

行けるな。


無言で魔力弾を撃ち出す。

今更だが魔力弾は込める魔力の量で威力や大きさが変わる。

では妖精の魔力を込めた魔力弾はどうなるのだろう。


「なんだこりゃあ!?」

「デカすぎだろ!」

「こんなのありかよ!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!」


直径約20メートルほどの魔力弾が床を(えぐ)り家具を粉々に砕きながら男達を吹き飛ばす。

男達は全員四肢のどれかが欠損していた。

それほどまでに凄まじい威力だったのだろう。

しかし男達がやられても残った最後の男は微動(びどう)だにしない。


「死ねよ」


混じりけのない殺意を込めて魔力弾を撃つ。

今度のはさっきのよりも大きい。

そして着弾。


「効かねぇな」


「っ!」


しかし男は平然とした顔で淡々と言い放った。


「残念だったなガキ! この暗闇のコウヤ様に魔法は効かねぇんだよ!」


暗闇のコウヤって裏組織御用達の傭兵団、〈豪翼の不死鳥(ごうよくのふしちょう)〉の幹部の名前だよな。

5大大国の全てと他の7国、計12国から指名手配を受けてるかなり巨大な傭兵団の幹部がここに居るってことはこいつもガディアスの依頼を受けたってことだ。

かなり有名な指名手配犯を使えるほどガディアスは裏に染っているらしい。


そんな情報が頭の中に浮かぶ。

まぁ全部前に妖精達に聞いたことだけどな。

今問題なのはこいつがどうやってあの魔力弾を防いだか。


とんでもなく高いらしいけど一定値以下の魔力量の魔法を無効化するマジックアイテムがあるらしい。

こいつはそれを使ったのかもしれない。

……いや無いな。あの魔力弾は妖精の魔力が込められてた。

それを防げるマジックアイテムなんてほぼ無いはず。

次に魔法で防がれた可能性だがこれはまず無い。

妖精の魔力を防げる魔法なんて同じ3大最強種ぐらいしか使えないだろう。

そうなるとあいつ本人の能力によるものだろう。

妖精の魔力を防げるほどの能力。

そしてコウヤという名前。

ここまで考えた時に一つの推測を思いついた。


こいつもしかして転生者じゃね?

だとすれば妖精の魔力が込められた魔力弾が全く効かなかったのも頷ける。

……なるほど、これは全力でやらないと危ないかもしれない。


気を引き締めてかなり多めに魔力を展開する。


「……へぇ、かなり魔力持ってんじゃん。となると距離を開けたら魔法連発かな?」


「そんなわけないだろ? あの魔力弾を防いでるんだからほとんどの魔法は効かないと考えるべきだ」


「ちっ、引っ掛かってくれないか。めんどくせぇ……あ! そうだ!」


男はいかにも名案を思いついたと言いたげな顔をしていた。

その顔を見てさらにリョーマは不快感を覚える。


「なぁお前! 俺の部下にならないか?」


「……あぁ?」


「いや、だからさ? お前はなかなか有用そうだから気に入ったんだよ! 俺の傭兵団はいいぞ~金も女も好きなだけ」


「黙れよ」


これ以上聞く必要はない。

聞きたくもない。

聞いてるだけで不快になる。


身体強化で一瞬で距離を詰める。

魔法は基本的に魔力量で決まる。

魔力量が多ければ多いほど魔法は強くなる。

そして今のリョーマは今までにない魔力量を展開している。

そんな状態で発動した身体強化は一体どれほどの威力になるのか。


リョーマの拳がコウヤの胴に突き刺さる。


「がばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


バケツをひっくり返したような吐血。

コウヤは身体をくの字に曲げて吹き飛び壁に衝突して悶絶する。

しかしリョーマは攻撃の手を緩めない。

追撃をするため再度距離を詰めようと身体に力を込める。

だがそこで先程かけた身体強化が無くなっていることに気づく。


「クソガキィィィィィ! 絶対殺してやる! 骨も残らないと思えぇぇぇぇ!」


腹を手で押さえながらフラフラと立ち上がり腰の剣を抜き放つ。

その剣はまるで夜を凝縮したかのように真っ黒な剣だった。


「魔剣 ネクロアス! てめぇはこいつに斬られて死ぬのさ!」


魔剣。

何かしらの特殊な能力を持ち中には一本で戦争を終わらせられるほどの物もあるそうだ。


「しねぇぇぇ!」


身体強化を掛け直し上に飛び上がる。

そして天井を蹴りコウヤに向かって急降下する。

ばっとコウヤが上を見上げるがタイミングが悪い。

本来であれば脳天に膝を叩き込む予定だったがコウヤが上を向いたことによりリョーマの膝はコウヤの顔に鈍い音を立てて突き刺さる。


「がはっ!」


リョーマは着地した直後には動き始めていた。

しかしまた身体強化が無くなっていた。


そういうことか。

こいつの能力は…...


「魔法の無効化」


リョーマがそうつぶやくとコウヤはギロリと睨みつける。


「正解だぜ! よく分かったじゃねぇか!」


それなら最初の魔力弾が効かなかったのにも頷ける。


「消去法だよ。マジックアイテムじゃない。魔法で防いだわけでもない。なら後は強力なスキルしかないかなっと思っただけ」


「へぇー頭もいいのか。ますます部下に欲しいと言いたいところだがお前は俺を怒らせた。絶対に殺してやるよ!」


「その前にひとついいか?」


「あ? 命乞いか? いいぜ聞いてやるよ」


「お前転生者だろ」


「.....あぁお前もか」


やっぱり当たりらしい。

この世界の名前は前世の名前と同じなのかもしれない。


「前世も名前はコウヤだったのか?」


「まぁな」


やはり名前は前世の名前と同じらしい。


コウヤは同じ転生者に会えたのが嬉しいのか途端に機嫌が良くなる。


「まさか()()転生者に会えるとはな〜運がいいぜ」


「また? 他にも会ったのか?」


「会ったぜ。オワリで冒険者をやってるやつとベルゼキアの漁師とかな。そして何を隠そう俺達のボスも転生者だからな」


豪翼の不死鳥(ごうよくのふしちょう)のトップも転生者らしい。

ベルゼキアはこの街からから南に3週間ほど馬車で移動すればつく場所にある。

そしてオワリはかなり遠いが東にある5大大国の一つである。

中々有益な情報が聞けたな。


さてどうするか。


「というかお前が貰ったスキルってなんなんだ? 魔力の上昇とかか?」


「残念ながらそれは副産物だよ。本当のスキルは違う」


「どんなスキルなんだ?」


「敵に言うとでも思ってんのか?」


そういうとコウヤは途端に不機嫌そうに目を細める。


「.....これが最後の忠告だ。俺の部下になれ」


まだ誘ってくるか。

しつこいな。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


突如魔法陣がコウヤの頭上に展開される。

無属性魔法下級 『ノイズバースト』

魔法陣から強力な振動を発生させる魔法だ。


「っ!てめぇ!」


「質問の答えはノーだ。俺がお前の部下になることはありえない」


「クソが! だが忘れたのか! 俺に魔法は通用しない!」


「お前にはな」


「は?」


俺は最初からコウヤを狙ってはいない。

狙っていたのはコウヤの頭上。つまり天井だ。

その天井はさっき俺が蹴ったからそこだけかなり脆くなってる。

そこに強力な振動を流し込んだらどうなるか。

答えは簡単。

崩れる。


「この糞ガキがぁぁぁぁぁ!」


ぐしゃっという音と共にコウヤは押しつぶされた。

直ぐに血が元天井の瓦礫の山から溢れ出てくる。

天井の瓦礫は魔法じゃないからな。

無効化もできなかっただろう。


終わったな。

次の瞬間膝から力が抜けて崩れ落ちる


怖かった。

今まで立ってられたのはアリスとアリスの両親を傷つけられた怒りで立っていられた。

それが終わって緊張の糸がほどけたらこのザマだ。

そしてもう一度コウヤが居たところを見る。

そこから溢れる血を見てようやく人を殺した実感を持った。

耐えきれなくなり胃の中身をぶちまけた。


今更になってここが日本なんかとは全然違うと再認識できた。


でも今はうずくまってる場合じゃない。

早くアリスを安全なところに運ばなきゃ。


「おい! 早く来てくれ!」

「誰かいるか! 返事してくれ!」


ちくしょう! 間に合わなかった。

がしゃがしゃと鎧の擦れる音が聞こえるからおそらく騎士だろう。

こんなに派手に倒壊させたんだ。

間違いなく来るだろうとは思ったがかなり早いな。

しょうがない。

アリス達は騎士に任せよう。


その後俺は誰にも気づかれずに何とかその場を脱出できた。


帰り際に道中倒した男達を探したが予想どうりいなかった。

家に帰っても庭に転がしてた奴らがいなかったから回収されたのだろう。


とにかく今日は疲れた。

もう寝よう。




ここまでしっかりした戦闘は初めてやなw

後魔剣は後々出てきます。

さすがにあんな終わり方はさせません!

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リッチ(金持ち)でリッチ(死体)なダンジョンマスター https://ncode.syosetu.com/n9823fi/ こっちもよろしくお願いします!
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