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第十四話:知恵と勇気で勝ちました

 昨日の話から珍しく続いています。

 別に一話に纏めても良かったんですが、あっさりした文章は程良い文字数からだと思うので。


 今回は、合意と見てよろしいですね、的なお話。


「……チャックル。それにミッシェルも。

 これは緊急事態よ(『緊急』と付けるとカッコいいから)」



 紅茶を飲みながら優雅に宣言するロゼ。



「はい、ロゼ様。

 先ほどの地下からの襲撃者の件ですね(あ、今ロゼ様ノリで『緊急』とか付けましたね)」


「……(私は見えないはず、私は見えないはず、私は見えないはず。……あぁ、でもロゼ様に見つかって滅茶苦茶にされたい♪)」



 チャックルはロゼの真意を理解した上で追従。ミッシェルは背景のフリをしているが、悪魔的な魔法っぽい術で透明なのをいいことに、全裸である。


 流石はロゼ。この手の調教も順調に施し、ミッシェルは露出と玩具にされる悦びに目覚めたようだ♪


 まぁ、それはさておき。ただちに『緊急』の『非常事態』宣言を出して研究所の面々に注意を促すよう指示するロゼ。



 ◆ ◆ ◆



 緊急非常事態宣言と同時に、研究所の守りの要(誇張表現)セムが帰ってきた!


 昨日大怪我をして今朝に完治したばかりの彼にも帰ってきて早々、ロゼからの命令が下る。


 いつもの二人の片割れ、アクスとのコンビプレイの命令だ。



「おいセム。ロゼさんがお前に巨大化して巨大敵ロボットを撃破しろって言ってたZE」


「え? 俺、いま帰ってきたばかりなのに?

 昨日の『ワイシャツの汚れ落とし大会』の決勝戦で戦ったリストン達110つ子兄弟とのバトルの怪我で昨晩はうなされてたんだぜ?」


「すでにロボットは用意済みだ。車庫に入ってるから先に行っててくれ。

 俺は鍵を取ってくるんだZE」


「今度のロボは車を元に改造したのか……、流石はロゼ様!

 俺達のロマンめいた欲求を平然と読み取ってくれる♪」



 考えてみれば分かると思うが、ロゼの脳は自身の好奇心を満たすために容量の大半を費やしているので、思いつきで命令をされることも多々ある訳だ。


 その単純さはある意味好感が持てるし、彼女に付き従うセムも似たようなものである。


 なのでセムは相棒のアクスと二人で巨大ロボットを操縦して敵を打ち倒すこととなった!


 セムは元々が神様という、種族的アドバンテージがあるので、動物から改造手術を受けた他の軍団員よりも巨大化や兵器のオプションは多く付けられている。

 勿論、自爆スイッチも付いている♪



「ロゼさんのた~めな~ら?」


「え~んやこら。……お前の愛と俺の忠誠心が揃って最強に見えるんだ。やらない訳ないだろ。

 アクス、協力技で一気にぶっ飛ばそうぜ!」


「おうともよ! さっさと倒してご飯にしようZE♪」



 ◆ ◆ ◆



「泡ダテナラ マカセロ」



 両手と口にドリルを付けた巨大ロボがレプリード王国(領内の外れにあるロゼの研究所付近)を襲う。



「泡ダテナラ マカセロ」



 まるで取りつかれたかのように街(の、材料に使われる岩石)を破壊し、王国市民を虐殺の限りを尽くす(誇張表現。死傷者ゼロ)。


 地の文たるもの、よくあるドリル巨大ロボを敵役として出すからには盛り上げるのは常識だ。



「優ぅぅぅ~秀ぅぅぅ~♪ 白熱的なミーの発明は全世界に悪夢を見せる威力だぁぁぁ~!」


「ハカセ ゴリッパ♪」



 ロボット専門の科学者テスカルナボ博士の作りし巨大ロボ。



「む~むむん!? おい助手ロボぉぉぉ~ット!

 ミー以外の科学者の作った研究所からロボットが出てきましたよォォォ~♪

 相手もロマンの分かる科学者のようですねェェェ~♪」


「デモ ハカセ サイキョー」



 先制の一撃はテスカルナボ博士。

 まるでハチのように鋭いショートフックが、アクスとセムの操縦するロボットに命中。効果はいま一つのようだ。



「どぉうだぁ!? 地面の味は美味かろう?

 おかわりなら幾らでもくれてやるぞ?

 なぁに遠慮するな。ミーの世界じゃなにいかゃらなぅあぁ~!」



 ……あれぇ~? 博士は悪役ではなかったはずなのに、これはどう見ても悪役セリフ。


 これもロゼ達の好奇心にあてられたからだろうか?


 好奇心は猫を殺す。殺されないのは好奇心を味方につけられる猫だけ。


 それはつまり、不相応な好奇心に取りつかれたテスカルナボ博士が相手では、すべての勝利はロゼに直結するというわけだ。



 ◆ ◆ ◆



「……アイテテテ。あんにゃろう、出て早々殴ってきやがったぞ!

 セム、そっちのスイッチを押せ!」


「なぁ、俺の記憶違いじゃなければこのスイッチってロゼ様浪漫兵器『ファイナルアタック』のスイッチじゃないか?」


「いや、俺も詳しくは知らないが、そのスイッチは最強の技らしいからな」


「ネーミングからして嫌な予感しかしないんだが……まぁ、ロゼ様のためだし♪」


「そうそう、ノリだZE♪」



 ポチっとな♪


 アクスとセムの乗るロボットはテスカルナボ博士のロボット共に爆発四散した。



 ◆ ◆ ◆



 「世界」は誰のものかと聞かれたら、みんなのものと答えるべきか、誰のものでもないと答えるべきか。


 そこは人によって異なるし、他の答えを持つ人もいるだろう。


 だからこそ言える。この世界はロゼのものだと!


 ロゼが合意すれば、それは世界そのものの合意となるのだから……。

 

 実に平和的な戦いにより、ロゼの研究所は守られた。


 アクス、セム……君たち二人の活躍を忘れはせんぞ!

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