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第十三話:ロボット特化 対 全宇宙一天才特化

 昨日の話の後書きにて、最初、最終話は25日と書きましたが、よくよく話数を数えてみれば24日に完結するようです。

 すぐに修正しましたが、投稿直後に読んでくれた方には失礼いたしました。


 そして今回は、珍しく次話に続くロボット関係なお話。


 

 まさかこれほどの月日が流れようとは……。


 ナレーションたるこの地の文ともあろう者が、こんな感想みたいな文章から始めたのには訳がある。


 そしてその訳とは、少しも時間を遡る必要はないのでこのまま語って行こうと思う。


 否! 語るのはロゼ達だ。彼女たちのセリフを聞いて理由を察してほしいッ!



 ◆ ◆ ◆



 いつもの平和かつ発明日和の日々を過ごす科学美少女ロゼと、その様子を眺める科学黒豹チャックル。


 そんな変わらぬ光景だが、今日の二人のテンションは少し高めである。



「それにしても、まさかあの冷酷無比のケンダマ使いの兄弟たち全員と戦うことになるとは予想していなかったわね」


「それはそうでしょう。

 なんせ、王国主催の年に一度の大会というのが110種目を110日かけて毎日開かれるだなんて思いませんよ」



 そう、前回の大ケンダマ大会からも毎日大会は開かれ、去年まで毎年優勝していた110つ子を叩きのめし、110回の大会全てを優勝で終えたのが今日である。


 そして当然、優勝したのはアクスとセムのコンビだ。


 昨日から今日にかけてどんだけ作中時間が流れてるんだよ! というツッコミは無粋なのでしてはいけない。いいね?


 そしてここから話は始まるわけだが、今日は110種目全てを終えた次の日という感じだ。


 それだけの時間があれば、残念なイケメンのアクスと言えど、愛しのロゼと少しは距離が縮まったかと思われるかもしれないが、そんな事はないので、これも注意しておくように。



『ロゼさ~ん。

 そろそろ俺をロゼさんの私室に入れてもらってもいいですKA?』


『あら、アクス。

 私は大会優勝のご褒美はその時々にあげているのにまだ欲しいの?

 あなたって、とっても欲張りさんなのね』


『欲したモノを全て手に出来る男でなければロゼさんは好きになってくれないと思ったのDE!』


『分かってるじゃないの。

 大好きよ、アクス♪』



 ロゼの部屋には、彼女以外に科学黒豹のチャックルと科学悪魔ミッシェルしか入室できないので、アクスとは携帯電話での会話である。


 まぁ、観ての通りこの二人。アクスがロゼのことを理解する程度には時間が経っている。


 いやぁ~、110日ってのは長い時間だね。

 血沸き肉踊るバトルはアクスしか演じていないのに、ロゼとアクスの間には長年連れ添った夫婦めいた雰囲気が漂っているよ。


 大して内容の無い話なのですぐに電話を切るロゼ。



「ところでチャックル。

 さっきのアクスからの電話、研究所の玄関からみたいだけどセムはどうしたの?

 携帯画面にはアクスの無駄にカッコいいマヌケ面しか映っていなかったけど、今日の玄関門番もセムじゃなかったかしら?」


「セムでしたら昨日の110回目の大会で皆を守るために時限爆弾を抱えて空に昇って行ったじゃないですか。

 きっと王都でまだ療養しているのかと思います」


「その怪我はもう完治してるはずでしょ?

 私が彼を改造したんだから治癒レベルまで把握してるわ。

 王城で部屋を借りて昨日一晩休ませたんだから、朝一番で帰ってくれば十分仕事に間に合うはずよ」


「たぶんアレですよ。

 朝の渋滞情報で、電車が渋滞しているとありましたから、急いで帰ろうとしたら自転車にも乗り遅れたとか」


「そうかもね」



 セムに関しては相変わらずこんな扱いである。


 そもそもロゼの研究所がある一帯を治めるレプリード王国は公式に、この110日の間にロゼ達を国の公認として貴族扱いしているので警備など必要ないのだが。


 まぁ、そこは雰囲気というやつだな。


 ロゼは優雅に研究を再開し、チャックルは太鼓持ち兼世話係として、二人は仕事であり生きがいでもある研究に戻る。


 それを眺めるもう一人も部屋にいる訳だが。



「(ふふふ、流石は私。

 背景と同化し危険を回避。

 姿を消すなど悪魔にとっては朝飯前ッ!)」



 背景と同化している悪魔ミッシェル。


 しかし彼女は気づいていない。


 空気のように存在感を消すのはいいが、すでにロゼの玩具にされることに快感を感じる体に改造されていることに。



「……何だか体が熱いような……」



 もじもじと内股をこすり合わせるようにして熱を発散しようとするが、火照った体は冷めることはない。


 その匂いや熱を感じ取るのは、ロゼほどの天才にとって難易度の低い問題だ。

 即ちミッシェルの姿隠しの術は全くの無意味であった!


 あえてロゼは見逃し、ミッシェルが自分から姿を現して懇願してくるまで徹底スルーするのだ!


 その内、体の熱に耐えきれなくなって、ミッシェルは自分から姿を現すこととなるだろう。



 ◆ ◆ ◆



 さて、現状について粗方語ったところで話を進めて行こうか。


 今回もいつもの日常話だけで終わるわけではない。


 彼女たちの日常に起きた非日常を語る本作に置いて、事件らしい事件が起きないなどありえないのだから。


 そう! 例えばこれからロゼの研究所を襲撃しようと考えているアンポンタンのように……。



「グふふふふ♪ 優ぅぅぅぅ~秀ぅぅぅ~にして白熱的なミーの研究成果を発表する日がついに来ましたヨー♪」



 この声は何処から聞こえてくるというのか!?


 その答えは地下だ! ロゼの研究所から地下に10キロ。ロゼ以外にも世界転移をしてきた輩の存在アリ。


 その者の名は<テスカルナボ>。職業は科学者だ。


 それもロゼと同じで、地球からやってきた世界転移者だ!



「ミーの科学力を持ってすれば世界転移など、

 赤子の手をひねるのは可哀想という理由で、代わりにバナナを握り潰して握力アピールをするバカを騙す程度に容易いコトデスネー。

 早いところ地上に飛び出してロボットで楽しみまショー♪」


「ハカセ ゴリッパ♪」



 言語能力が「べた褒め追従機能」しか付いていないロボットがテスカルナボ博士を褒める。


 しかもこのテスカルナボ博士はロボットに魅せられた科学者であり、ロボット技能に特化した科学者なのだ!


 さぁ、賢明なる読者のみなさんはお気づきと思われるが、この科学者こそが今回の話の悪役。


 なぜ悪役かと言うとロゼ達が主人公であり、この後の展開でテスカルナボ博士は、うっかりロゼ達の研究所にぶつかり敵と認識されたからだ。


 テスカルナボ博士たちにはロゼとその仲間たちへの敵意は一切ない……はずなんだけどなぁ~?


 博士らに問題はないにしても、どうしてこうもロゼは好戦的なのだろうか?


 それは勿論、この博士も科学者であり、イカレテいるからだ。



「おおっと? 地上へ出ようとしていたらうっかり地上にあった建物にぶつかっちゃったヨ♪

 でも壊せばいいし壊しまショウ♪ ……壊せない!?」



 漢のロマン――ドリルによって地上へと進んでいたテスカルナボ博士は、真上にあったロゼの研究所の床下にぶつかり停止。

 逆にドリルの方が壊されてしまった!


 それも当然のこと。ロゼは科学的に新素材を発明しているので、研究所の素材は敵対する物質を原子分解する機能が付いているのだ。


 強いロゼが作った研究所なのだから絶対強いに決まっているのだ!



「だぁぁぁ~が、ミーのドリルには科学者の常識として、自己修復機能が付いている!

 助手ロボットぉぉぉ~。どうやらミーの科学力でも壊せない物質が地上にあるようデスヨー!

 迂回して地上に出ますからドリルと合体してからのロボバトルをよろしくお願いしますよぉぉぉ~♪」


「カシコマリー」



 ロゼにとって、この世界で自分以外に初めて出会う科学者を相手にどう戦うのか!?


 今まさに、このロボット特化型科学者とロゼのバトルは始まろうとしているように思えなくはないけど、きっとあっさり終わるんだろうなぁ~……。


 だって、相手はロゼだもん。



 

 テスカルナボ博士は、科学的に黒曜石のブロックを組み立ててゲートを作ることで科学的に異世界に渡ってきました。

 溶岩まみれの地下に出現したのはそう言う経緯から。


 勿論、マグマ程度でどうにかなるようなチャチな発明品は持っていないので、深海でも宇宙空間でも活動可能。

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