課外授業のおわりにて
フリンクが石を割ると頭の中で映像が流れてきた。そこは前の世界の学校の教室。右後ろの隅の席でひとりで絵を書く少年の姿が見える。他の生徒が少年に声をかけても彼は、見知らぬふりだ。
「いいなぁ、僕もあんなに強ければなぁ」
後ろから声がする。振り向くと今いる世界にいる赤い帽子の男の子がいた。
「どうしてここに」
私の声は、音を発さずに消えていく。赤い帽子の男の子が続けて言う。
「僕も絵が好きなんだ。
ずっと描いていたい。
あいつらとつるんでスリとかしたくないんだ」
すると絵を描いていた少年がすっと席から立つと赤い帽子の男の子に向かって言う。
「僕は未来がなくなった。
だから少しの勇気を君にあげるよ。
頑張って」
赤い帽子の男の子は、少年から何かを受け取ると光が強くなりそこで映像がとぎれた。
「うっゔ〜気持ち悪い」
私は、村から学校へ帰るため馬車に乗っている。二度も大きな魔法を使い、脱力した体にガタガタ揺れる馬車の揺れはダメージがでかい。すっかり私は、酔っていた。その私を気づかってくれるのは、ソフィアとアネモネのふたり。
「大丈夫?」
「まさか、あんたにあんな魔力があるなんて聞いてなかったわ。
そしたら決闘を申し込んでたのに」
とアネモネが呟く。
「それは嫌だな。
多くの人前で目立つ行動したくない」
私が言うと
「なにを今更。まぁ、確かにあんなちんちくりんな技名を聞かされたら素面だったら笑って戦えないわ」
アネモネが笑う。
「確かに私もあんな魔法初めて。
えーと、ムーン、、」
「やめて、やめてソフィア、恥ずかしいから。
あの時は、必死で思い浮かんだのがあれしかなかったんだ」
あのムーンライトエナジーストレーションは、幼い頃親友と見たアニメで主人公が使った技。あの頃は、一生懸命技が出ないかと練習したものだ。勿論、黒歴史入りだ。
「でも、凄いわケイ。
1つの魔法を作ったってことだもの。
学園長が聞いたら驚くわ」
ソフィアが嬉しそうに言う中、アネモネは
「フリンクに聞いたけど、あれを課題授業でやったんでしょ。
喜ばれるより警戒されるとあたしは思うけどね」
と言う。
「そういえば、フリンクやリーフエル達を置いてきて大丈夫だったんだろうか、うっぷ」
私が吐きそうになりながら言うと背をさすりながらソフィアが言う。
「村人達を避難させたリーフエルとあなたと側にいたフリンクが騎士団と話し合うといいと思うの。今は、ケイには休養が必要だと思うから。学校側の説明は、私にまかせて。一応、私はケイの主だからね」
「そう、貴族は平民を守る義務があるわ。
あたしも協力してあげるんだからね」
「ありがとう」
「お嬢様方、もうすぐ門が見えるよ」
馬車の運転手である村人の男性が言う。
「いきなり化け物どもが村に来て皆を襲い始めた時は、どうなるかと思ったが、お嬢様方本当に助けてくれてありがとうな」
ソフィアがふと村人に
「そういえば、あの異様な洞窟に繋がる建物はなんだったのかしら?」
「あそこは昔から建てられ守られていた場所で村の長が代々所有するんです。太古の宝が眠るとかなんとか。まぁ、今はただの中身がない洞窟ですがね」
村人の話に何か気になったのかアネモネは、ラウを呼び出し調べさせるよう言った。確かに私も気になる。特に洞窟の壁に描かれている絵。
「あの、その洞窟もう一度見に行く事できますか?」
私の問いに村人は
「勿論ですとも。
後で村長に言っておきます。
さぁ、お嬢様方もうすぐで学校ですぜ」
こうして私達は、無事に課題授業をすませたのである。
しかし、正確には無事ではすまなかった。学校に着いたらあっという間にソフィアとアネモネは、先生達に連れて行かれて1ヶ月間の休校と村人を助けたということで勲章を授かった。私は、意識を失い3日間は寝ていたらしい。リリー達は、私達の話を聞いて凄く心配してたらしくフラン曰く
「あの強がりなリリーが「ケイが死んじゃう」って泣き叫んでたんだから」
と微笑みながら教えてくれた。
学校中は、ソフィア達の話題と私の光の魔法でもちきりだ。いつものようにメイドとして働いてはいるが、それを見学にくる人数が日に日に増えている気がする。そして私は、とうとうソフィア同伴でロイヤルカレッジの学園長に呼び出されたのである。
読んで頂きありがとうございました。
駄文、短文お許しください。




