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異世界でのセカンドライフ  作者: サイン
第二章
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友人との再会

 クリルに案内され街なのかを歩く、悠魔とコトナ、アリスは興味がないと言い王宮に残った。悠魔は彼女を残すとまたリボーズと喧嘩をしないか心配だったが、残った所で誰も2人を止められないので諦めた。悠魔自身この街を見たかったので、2人の喧嘩の仲裁して時間を潰すのはもったいないと思った。


「見た事ない物が多いですね、これってなんの肉ですか?」


「それは、月光蛙の肉ですね」


「蛙って、あの蛙ですか?」


「はい、よく見かける蛙です……陛下は美味い美味いと食べてましたが」


 クリルはエルフ族なので、植物性食品食べないので味は分からないがリボーズはよく食べていたと言い、皮を剥がれ吊るされていた蛙を見てコトナはサッと下がり、悠魔は店の中に居た男に硬貨を渡し蛙肉の唐揚げを受けって食べると意外に美味しくコトナに進めるが。


「無理です無理です」


「美味しいですよ、騙されたと思って」


 青い顔をするコトナは、吊るされた蛙と目の前に出された唐揚げを見て、しばらく考え目を閉じ決心して唐揚げを食べると。


「ん、美味しい」


「でしょ」


 その後も色々な店を回り、悠魔が一軒の店の前で足を止めた。2人は悠魔の視線の先を見ると、そこにはムカデの様な生物の姿煮があり、それを見たコトナは涙目にながら、悠魔の背中を押して店の前から離れた。




「あ、あれは無理です! 絶対無理です!」



「いや、流石に僕もあれは無理ですよ」


「悠魔様、少しお聞きしてもいいですか?」


「はい?」


 悠魔が妙に食材を求める理由をクリルが尋ねると、悠魔は今開発中の薬草を使った簡単な保存食を作れないか研究中で、その材料を探してる事を話すとクリルは思考して薬草の苦みをなくすのではなく、それを行かした物を作れないかと教えてくれた。


「苦みを行かすですか」


「はい」


 悠魔は考え、一つ料理を思いつきクリルに王宮に食材があるか尋ねると彼女はあると言い、悠魔はクリルに頼み王宮に足を向けた。

 王宮の食糧庫から、幾つかの食材を持ち出し厨房を借り早速料理に取り掛かった。しばらくして、コトナとクリルの目の前に一つの料理が出された。


「卵と肉の炒めものですか?」


「はい、一部の卵の中に薬草の粉末を混ぜて作ってみました」


「卵、肉が入ってるのでは私は食べれませんね」


「わ、私が食べるんですか!?」


 コトナの反応はもっともで、過去に悠魔に薬草入りのクッキーを食べさせられて辛い思いをしたので、とても目の前の料理に手を出せなく。


「今回は味見をしましたし大丈夫です」


「ほ、本当ですか?」


「はい」


「それじゃあ」


 コトナはフォークを上手く使い卵と肉を口の中に入れると、苦みは来るが前に食べたクッキーとは違い不愉快さはなく寧ろ美味しいと感じ二口目を口に入れた。


「僕の居た場所の料理を再現してみたんですけど上手く行きました……でも、食べた触感が違うな、しかもこれじゃあ保存食にならないし」


「そうですね」


「御馳走様でした」


 悠魔とクリルが話してる間に、コトナは悠魔の作った料理を完食してしまい。


「あー! 全部食べてる! 僕も味見しかしてないのに!」


「美味しかったので、つい」


「うぅぅぅ」


 悠魔は涙目になりながら空になった皿を見て、コトナを睨み付けると、彼女は悠魔のその目にたじろいでしまう。


「すいません」


「うぅぅぅ、もう一度街に行ってきます」


「あ、はい」


「何だか悪い事をしちゃいました」


「そうですね」


 哀愁漂う雰囲気で悠魔が厨房から出て行った。

 



 再び街を歩く悠魔。


「ハァ~ゴーヤーチャンプルーに似た味付けにできたのに……ん、あれって」


 悠魔はとある物を見つけて店に駆け寄り、店頭に並んでいた黒い粉を指さした。


「おじさん、この粉って」


「ああ、いらっしゃい、火薬だけどそれがどうかしたかい?」


「いえ、余り見なかったもので……」


「まぁ、魔法があるからね、そんな物を使うより魔法を使った方が効率がいいからね」


 この世界では、魔法が支流で火薬を使う所なくあまりなく、販売してる所など少なく悠魔が見た事もないのも無理はなかった。


「この火薬欲しいですけど」


「ああ、この大きさの袋に1袋で銅貨5枚だよ」


「それなら、2袋ください」


「あいよ」


 悠魔は火薬の代金を店員に渡して店を後にして、大通りを歩いているとさらに目に付く物があり、店に駆け寄った。


「昆布だよな……これ、昆布出汁、鍋……」


「へい、いらっしゃぃ…………」


 昆布を見ていた悠魔に気が付いた店員の声が段々と小さくなっていき、不審に思った悠魔が店員を見ると、そこには悠魔のよく知る人物がおり。


「クラウさん!」


「悠魔君! 何で此処に居るの!?」


「ちょっと仕事で」


「いやぁ~久しぶりだね、元気していた?」


「はい、クラウさんも元気そうでよかったです! リウスさんは元気にしてますか? 確かクラウさんの実家の商会で一緒に働いているはずですよね?」


「ちょっと待ってて、すぐに呼んで来るから!」


 クラウは店の中に走って行き、しばらくすると2人の男性を連れて出て来て1人は悠魔もよく知っている人物で元パーティーメンバーでリーダーのリウスだった、しかしもう1人の男性には心当たりがなく、疑問に思うとリウスが悠魔に駆け寄り。


「久しぶりだな、元気そうで何よりだ」


「はい、リウスさんも元気そうでよかったです!」


「ナナやレイラは元気にしてるのか?」


「レイラさんは、最近やっと外に出れる様になったみたいで、サレーナ公爵家庭の手入れを手伝ったりしてますよ、レイラさんにごねられナナさん実家には帰らずに僕の家で住み込みで働いてもらってます、そうそう僕家を買ったんですよ、それで家に庭があってそこで薬草育てて――」


「悠魔ちょっとストップ、ストップ! そんな一気に言われても」


 久しぶりに会った仲間2人に、悠魔は余りの嬉しさに2人がエストアを去ってから何がったかを事細かに捲し立てる様に説明すが、余りの勢いに2人は後ずさってしまい、悠魔も顔を赤めて自分のした行為を反省して気分を少し落ち着けた。


「君が悠魔君か、何でも息子が世話になったようだね」


「えっと……クラウさん、この人は?」


「え~と、父のルクス・レスキアで、レスキア商会の会長です」


「息子から君の事は色々聞いてる、何だか息子がすまない」


 勢いよく頭を下げるルクスに悠魔は申し訳ない気持ちになってしまい。


「そんな、頭を上げてください! クラウさんの所為じゃないです――あれは、仕方なかった事ですから……」


「すまない、よかったら積話もあるだろうし中で話していきなさい」


 


 2人に連れられて店の中に通された、悠魔は色々な商品が置いてあるのに目が行きキョロキョロと視線を彷徨わせていた。しばらくすると、お茶とお菓子を持ってクラウが歩いて来て席に着くと、お互いの近況報告をして雑談をし始めた。


「ポーションをギルドに卸してるんだ」


「はい、その手伝いをナナさんにしてもらってます」


「ナナも元気そうでよかった」


「そう言えばクラウさん、ちょっと頼みたい事があるんですけど?」


「ん、何だい」


 悠魔は、先ほど店頭で見ていた昆布の乾物が無いかを尋ねると、リウスは店の奥の方に歩いて行き乾物の昆布を運んで来た。


「これでいいかい?」


「はい、幾らになりますか?」


「そうだね、1枚銅貨2枚でいいよ?」


「安いですね」


「まぁ悠魔君には世話になったからね」


 悠魔は代金を払い乾物の昆布の他にも色々な乾物の海産物を買い、家に帰ったら鍋を作ろうと思い。


「そう言えば、何時までこっちに居るんだ?」


「多分2、3日は居ると思いますけど」


「それなら、明日市場に行かないか?」


「市場ですか?」


 リウスの話によると、この街の市場では朝早くから新鮮な海産物が売り出されていて、偶に海底から引き揚げられた古代の魔道具が売り出される事がある、その話を聞いた悠魔は古代の魔道具より新鮮な海産物の方に意識が行き二つ返事で市場に行く事を了承した。




「明日ですか?」


「はい、私は少々同盟の打ち合わせがあって……」


「僕は興味がない、この街は治安もいいし友達もいるしだし1人でも問題ないだろ」


 王宮に帰り夕食を食べている最中に悠魔は明日朝一で市場に行く事を話すと、コトナは同盟の打ち合わせ、アリスは興味がなく悠魔、リウス、クラウの男3人で出かける事になった。

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