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2回目奮闘記  作者: 蘇芳
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15/16

尾鰭背鰭を


放課後、外は暖かな日差しで溢れているのだがとある部屋の一室ではブリザードが吹き荒れていた。

円、恵理香、遥都の3人が正座をして座りその前に叶真が立っている。

そして、それを見守る芽吹。


「どうしてこんな事になってるのでしょうかねぇ」


叶真の顔は笑っているがこめかみがピクピクと動いているのでかなり怒っている事がわかる。

第一、叶真が怒るのは無理もない。


恵理香と遥都の約束があっと言う間に広められ、何故か尾鰭背鰭が付き紆余曲折し試験上位者は諢名持ちとデートしてもらう権利を得るとなっていたのだ。


「不可抗力だ。悪かったよ、トーマ」

「全くです。先生方もこの事に関して黙認しています。実験的に行い良い結果が出るのなら見守る姿勢でしょうね」

「そうか。なら楽しくしねぇとな」


正座をさせられていても遥都の態度は何時もと変わらない。

叶真は仕方ないなという雰囲気で溜息をついていた。

どうやら怒られ慣れているらしいと円は思わず考えてしまう。


「今回の件には生徒会だけでなく風紀委員にもどうすれば良いのか案を出して貰います」

「はぁ?」

「えー…テスト勉強で手一杯なんですけど」


叶真の発言に驚く円とテストの心配をする恵理香へのブリザードが少し強くなったのは言うまでもない。




その後の会議にて生徒会の麗央や瞬も参加し今回のご褒美に関しての話し合いが行われた。


「学年別か総合上位はどっちにすんの?」

「そりゃ特別視するなら総合だな。ただ学力向上なら学年別にすべきだ」


恵理香と遥都が何人に権利がいくか考え


「学院の諢名持ちって殆ど生徒会や風紀委員っスよね?」

「それ以外では5、6人か?中学からの持ち上がりや卒業生で変動があるはずだ」

「…調べます」


麗央、円、瞬は諢名持ちが何人いるのか確認をし


「拒否権はあるの?」

「特例はあるにせよ、基本的には無しにしましょう。嫌なら自分が上位になれば良いのです」


芽吹と叶真が明確なルールを考えていた。



数時間後…


「よし、大まかな原案はこれで大丈夫なはずだから顧問に提出してくるな」

「俺も行きます」


粗方出来上がった原案を持ち遥都が職員室へ向かう。

叶真もそれについて行った。


「いってらっしゃーい」


麗央が声をかけ、2人が出て行ったのを見届けると円は徐に教科書を取り出す。


「えっ?休憩しないの?」

「出来るだけ上位に入りたい」


円の発言に恵理香も考える。

自分も諢名持ちで選ばれないと思うが可能性がある事を…


「円、その通りだ」


デート回避と遥都との約束の為に恵理香は頑張ろう意気込んでいた。

そんな円達の姿を見て芽吹は勿論、麗央や瞬も遥都達を待つ間に勉強を始めるのだった。




遥都と叶真が戻ると


「円ちゃん先輩、ここは?」

「これはさっき言ったの応用だ」

「ふーん、ありがとーございマス」


「先輩…これは?」

「未然(み)・連用(よう)・終止(し)・連体(たい)・仮定(か)・命令(め)で覚えると覚えやすい」

「…ありがとうございます」


麗央が円に質問をして答え終えると瞬が次に質問をしたりと和やかに勉強会が行われていた。



叶真が迷わず参加したのは言うまでもない。



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