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ルキスの剣  作者: 夜津
第三章 魔と北の国へ
82/131

番外編4(一周年記念)

『ルキスの剣』連載を始めて1年になります!

そんなわけで一周年記念の番外編を書かせていただきました。

これからもどうかよろしくお願いします…!

 

 ―――トン、トン、トン…。


 …なんだ、何の音だ?突然聞こえた小さな音に俺はそっと目を開けた。ゆっくりと目に入った景色は見慣れた天井。

体を起こして伸びをすると、寝ていたベッドがギシ、と音を立てた。窓の向こうは明るく、光が部屋に差し込んでる。あ、朝か。


 見回すと俺の部屋がいつもと変わらない様子で静まり返ってる。…俺の、部屋だ。…俺の部屋?あれ、俺…昨日ここで寝たっけ?なんか、思い出せないんだけど…。


 何か感じる違和感に首を傾げていると、またトントン、と音が聞こえてきた。誰か来たのか、と俺は寝癖もそのままに跳ね起きて部屋の扉を慌てて開ける。誰か来る約束なんてしてないよな?

扉を開けると、そこに立ってたのは小さな金髪の天使…あ、アリシア!アリシアが綺麗な金髪を揺らし、俺を嬉しげに見上げてぱっと両手を上げた。


 「スティ、おはよーっ!今日とってもいいお天気!アリシア、スティをむかえにきたの」

 「おはよう、アリシア!…って、あれ?今日、なんかあったっけ?」

 

 両手を上げたアリシアに両手でハイタッチしてやると、見てくれよこの子すんごく喜ぶんだよほんと天使!…って、迎えに来た?アリシアが?俺を?今日バイトだったっけ?あ、俺ってば寝坊?

俺の問いにアリシアがポカンとした。けどすぐにこーっとして元気に俺に返事する。


 「忘れんぼスティ!今日は…」

 「おはようスティ君」


 アリシアの言葉を遮るように聞こえた声は、穏やかで優しい声。アリシアの後ろにすっと現れたのはヨーウェンさん!いつもと変わらない微笑みを浮かべるヨーウェンさんに、俺は慌てて頭を下げた。


 「おはようございます!あの、今日って何かありましたっけ?もしかしてバイト…」

 「いいや、バイトはお休み…というか、今日はもうお店もお休みだよ。昨日、そう言ってたじゃないか」


 ぽかん、とヨーウェンさんまで不思議そうな顔をする。アンダーソン兄妹が揃って顔を見合わせるのを、俺はどうしようもなく不安な気持ちで見つめた。俺、何か大事なこと忘れてる…?

けどダメだ。昨日言ってたって言われてもどうも昨日の記憶が出てこねぇ…。うーん、と唸る俺の前で、ぽんっとヨーウェンさんが手を叩く。


 「じゃ、忘れんぼスティ君には秘密だね!すっかり忘れちゃってるみたいだから…そうだなぁ。…よし、クエストを頼もうか」

 「へ!?え、ちょ、何がどうなって…」


 ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ!俺、状況が呑み込めないんですけど!?クエストって…何故ここで依頼?あたふたする俺を放置してヨーウェンさんとアリシアが何か話しこみ、同時ににっこりして俺を振り返る。


 「それじゃ、僕たちからの依頼なんだけど。まず、朝ご飯を食べたら王城に行って、ジギスにこの手紙を渡してくれないかな」

 「…えええ!?朝から城ぉ!?な、何でですか…しかもジギスさんに、て…」

 「報酬は…今日の夕ご飯、それもとっておきのご馳走!ちゃんと届けてくれたらスティ君の好きなデザートも用意しておくから」

 「…ほんとに状況が分からないんですけど…」


 ヨーウェンさんはそう言いながら、懐から紙とペンを取り出して何かをメモしていく。それを元々持ってたらしい綺麗な手紙に追加するように重ね、ピンでとめた。ずいっと突き出された手紙セットを俺は反射で受け取る。

中身を見ようとすると、アリシアがシーッと口元に指をあてて俺に言った。


 「ひとのてがみ、見ちゃダメ!」

 「うぐっ!おっしゃる通りですアリシア先生…」

 「そうだよ、アリシアの言うとおり。それじゃあ、スティ君!必ず僕たちからのクエスト、こなすようにね。依頼達成の報告は…うん、急がないからゆっくりしておいで」

 「…うーん…よく分からないけど…行ってみます」


 い、いまいち納得できねぇな。けどヨーウェンさんのにっこりスマイルはどこか有無を言わさぬものがあって、「これ以上の反論と質問は受け付けないよ」と無言で語っている…!

一方アリシアも俺に無邪気な笑顔を見せながらバイバーイ、と手を振ってる。俺は引きつった笑顔で手を振り返して……二人が去り、バタンと扉が閉められる。俺はしばらくそこで立ち尽くし、…ため息をついた。


 朝から何なんだよ?いや、ヨーウェンさんたちもどこか不自然っつーか、俺に何か隠してる?むむむ、正直面白くないぜ、蚊帳の外って感じで…。

手に残されたのはジギスさん宛ての手紙だけ。見ようかな、と思ったけどさっきのアリシアの「ダメ!」がしっかり頭に焼き付いてる俺は、もう一度ため息をついておとなしく朝飯の準備を始める。


 ほんと、今日って何の日なんだよ?



 **


 

 「…ふぅむ。なるほど。ステイト、そち、まさか忘れてしまうとはのぅ…本当に抜けておるのう」

 「だーって本当に何も覚えてねぇんだってば!」

 

 ジギスさんがそのミステリアスで綺麗な顔を半笑いにして言った。ここでもそんな反応ですか…俺は一体何を忘れちゃったんだよ…。

いつもと変わらない装飾品ジャラジャラで、長い金髪ポニーテール、それと顔の不思議な模様が特徴的な青年…ジギスムントさん。ヨーウェンさんとは腹違いの兄弟で、この国の王だ。

立派な青年なのになぜか年寄りくさい口調で話す、なんともお茶目でミステリアスな王なんだけど…。俺が届けた手紙を見ると、面白そうに切れ長の目をさらに細くしていた。

 

 「そち、昨日も儂に自慢げに言っておったのにのう?明日だ、明日だって騒いでフェイにも怒られたばかりじゃろう?」

 「え、そうだっけ!?俺、フェイさんに怒られてたのか…全く覚えてない…」

 「今は会議に行っておるが、もしフェイがそれを聞いたらまた怒るのう…」


 呆れたように笑いながら言うジギスさんに、俺は言葉を失って苦笑いした。…フェイさんは王の側近の文官で、正直俺はあまり仲良くなれるタイプだとは思ってない。また怒られたのか俺、と全く覚えてない昨日の俺に対して肩をすくめた。

けど俺のションボリする様子に、朗らかに笑い声をあげながらジギスさんが手紙を懐にしまった。わ、笑い事じゃねーんだぞ!昨日の俺、何やらかしたんだよ!

 

 す、とジギスさんが俺の前に立つ。その堂々とした姿は『若き王』って言葉がぴったりだ。その称号にふさわしい気品がある。改めてその綺麗な顔で見つめられると、ちょっと俺は居心地が悪くなって目を逸らす。

 

 「あの、んじゃ俺、手紙渡したから!俺はもう帰って…」

 「つれないのう、ステイト。しかし…」


 突然!玉座の間になだれ込んできて俺の退路を塞いだのは…め、メイドさんたち!?城のメイドさんが…若いおねーさんから熟練オバサマメイドさんまで…ずらっと整列!どういうことだ、と俺がジギスさんを見ると…。

ジギスさんが俺ににこっと微笑む。あ、ヨーウェンさんに似てるかも…じゃなくて!その微笑みがどこかこの事態を面白がってるように見えて、俺は一歩後ずさる。な、何か企んでるぞこの人!


 「…このまま帰すわけには、いかぬのう」

 「…え?」

 「今じゃ!」


 その微笑みがキラリと光ったかと思うと、ドドドドッと大勢のメイドさんが俺を囲んで引っ掴んだ!え、ちょっと待って、どういうこと!?メイドさんたちが揃って俺に優しいのか力強いのか分からない笑顔を向ける!


 「聞いておりますわ、ステイト様!さぁ、こちらにおいでなさいませ!」

 「え、え!?お、俺、あの、」

 「さーぁ行きますわよ!向こうのお部屋でご用意を!」

 「え、用意!?何の、」

 「ほらほらほらさっさと歩きなさいませ!私たちがバッチリ面倒を見て差し上げますわ!」「恐がらなくてもいいんですのよ!」「アラー、そんなこと言うから恐がってるじゃないのー」「可愛いですわー」


 え、え、えええ!!?あの、ついて行くとかじゃなくて明らかに引きずられていってるんですけど!?何このメイドさん軍団恐い!ニッコリ笑顔が恐い!俺が何をしたっていうんだよ!?

勢いよくメイドさん軍団に引っ張られて連れて行かれる中、最後の希望をかけて俺は遠くなるジギスさんに手を伸ばして叫んだ!


 「せ、説明してくれよ!!それか助けてくれーっ!!」

 「ふふふ、ステイトもまだまだ子供じゃのう」

 「あぁぁぁどういうことだよーーーっ!!?」


 ズドドドド、とすんごい音を立てて歩くメイドさん軍団に連れ去られていく俺を、廊下で見張りをしていた騎士がギョッと眺めている。あああ…もう今日は…何なんだよぉ…!!



 **


 「きゃー、似合ってますわ!」「素敵ですわ、ステイト様!」「あっ照れていらっしゃいますわ」「やっぱりカワイイですわー」


 あの…。…。俺は今、貸切状態の更衣室の中で震えています。このたいして広くもない部屋にいるのは俺以外、皆女の人…というか、メイドさん。城のメイドさんだけ。彼女たちに囲まれ、俺は呆然としていた。

いや、突然連れ去られていきなりこの部屋に連れ込まれて。いきなり服脱がされたときはもう死んだと思った。…ほ、本気で。

 けどメイドさんがすぐ不思議な服を俺にシュババババッと着付けていくから、もう緊張どころじゃねーよ。何が起きてんの、って感じで俺はポカーンと立ち尽くすのみ…。

気付けば一仕事終わったぜ、って感じで息をつくメイドさんたちに囲まれてるんだから…。……って、えええ!?


 「着替え!?何の!?」

 「あっ、まだ動かないでくださいまし!帯をまだ調節し終えてませんの!」

 「ご、ごめんなさい…」


 すんごい厳しく言われ、ピシッと俺は動きを止める。その間にまた別のメイドさんが俺の前に来て、…筆と絵具、あと粉か何かが入っているケースを開いた。…それって、…まさか。


 ピシーッと固まったまま、俺はメイドさんの一人に震え声で尋ねた。


 「…化粧も?」

 「そうですわ!安心してくださいまし、この服も化粧も男性用ですので」


 げ、元気なメイドさんのお返事!けど…よ、良かったー!まさか女装させられてるのかと!だって今着せられてるこの服、なんか…布と帯が多くて、丈も長いし簡易ドレスみたいだったから…!

目を瞑るように言われ、おとなしくされるがままにする。待つこと数分、ようやく俺は解放されてそのまま再び王のいる玉座の間に連れ戻された。


 それにしても、まいっちまう。靴も革靴から独特の形の木靴に変えられて、歩きづらいったらない!ふらっふらで玉座の間に戻ってきた俺を見て、おぉ、と声を上げたのはジギスさんだった。


 「ステイト!よく似合っておるぞ、ふむ…よく調べて誂えさせた甲斐があったのう」

 「…さぁ、どういうことかちゃーんとしっかり説明してもらうぜ?」

 「おぉ、化粧もよく似合っておる。目元の朱も色気が出るのう」

 「聞いてんのか!?」


 メイドさんたちが誇らしげにしているのを労いながら、ジギスさんが俺をじろじろと舐めるように見る。俺の周りをぐるーっと歩き回りながら興味深げに見つめてくるけど、木靴のせいで俺は上手く動けない。…この!

俺が痺れを切らして拳を振り上げると、ジギスさんは切れ長の金目を少し輝かせて俺の手をパシッと掴む。目が合うと、一呼吸おいてジギスさんが穏やかな表情で微笑んだ。


 「城に残っておったトルメルの資料を集めてのう。婚儀や重要な式典の時などに着る礼服の資料を見つけ、それを仕立てさせたのじゃ。メイドたちも特殊な服を着せるのには苦労と練習を重ねたと思うぞ?」


 その通りですわ、と口々にメイドさんたちが声を上げる。俺が振り返ると、にこにこと微笑みを向けられて俺はどうしていいか分からなくなった。改めて自分の服を見下ろすと…いや、あまりしっくりこないな。

やっぱり遠くの異国民族の服を着せられている感覚だ。いや、まさにその通りなんだけど!…これが、トルメルの礼服。民族衣装ってのは確かに、帯の巻き方や服の模様を見れば理解できるかもしれない。


 そのとき、あら、と一人のメイドさんが声を漏らして廊下へ消える。すぐに戻ってきたメイドさんは、俺の傍に来て頭に何かをピンでとめて飾り付けた。そっと頭に手を伸ばすと…これは?

鏡がないから何をつけられたかが分からない。戸惑いながら王を見ると、ふむ、とジギスさんの口元が弧を描く。


 「トルメルは儀式などの時、女性は花の飾りを、男性は若葉の飾りを髪に飾ることがあるそうじゃ。よく似合っておるぞ」

 

 風習、か。そっと手を髪から離して服の布をさすった。つーかまだ、鏡見てないんだけど。…いや、そうじゃなくて!根本的に残る大きな疑問を忘れるところだった!俺はカタ、と底の厚い木靴を鳴らしてジギスさんに詰め寄った。


 「そうじゃない!えっと、何でいきなりそんな服を、俺に…」

 「そこが…そちの忘れたことじゃよ」


 にや、と意味ありげに笑われて俺はそれ以上追及できなくなった。忘れたお前が悪い、と言われてるようなものだ。…この服、どうしたらいいんだろう。うつむく俺に、ジギスさんが明るく笑った。


 「飽きたら城に戻ってくるのじゃ、元の服に戻してやろう。しかし、せめてヨーウェンには見せびらかしてくるとよいぞ。町の民も、そちを見れば驚くじゃろう」

 「…分かった。じゃ、ヨーウェンさんのところに戻るぜ」


 納得はできないまま、俺は小さく頷いた。…昨日の俺は、このトルメルの民族衣装を着ることを王と約束してたってことだよな?…今日は何の日なんだよ。建国記念日じゃないよなぁ…?

そこは聞いても教えてもらえそうにない。首を傾げたままゆっくり入り口の扉の方へ歩くと、王がハッと表情を変えて慌てて俺に着いてきた。メイドさんたちはもう気にすることもなく奥の廊下へ引っ込んでいく。

隣に来たジギスさんが、俺の疑問符を浮かべた表情に優しく微笑んで…俺の手を取った。え、手!?


 「え、いったい、何…」

 「そち。歩き慣れぬ木靴で、あの長い階段を一人で降りることができるかの?」


 あ。そういや、ここ…城から町に降りようと思ったら、ながーい階段を歩かなきゃいけないんだった。逆に、城へ行こうと思ったら階段を上らなきゃいけないんだけど…!俺はギギギ、と開いた扉の外を見て、ゆっくりと首を横に振った。


 「多分、途中で踏み外してゴロゴロバタン、だ」

 「じゃと思うた。儂が支えるから、ゆっくり歩くとよい。帰りは見張りの騎士にでも声をかけて上がってくるとよいぞ」


 王自らの見送りなんて、と言おうとして口を塞いだ。そうだ、ジギスさんは俺を『友人』だと思ってくれてる。だから立場のこともあるのに、俺の無礼な口も許してくれるどころか俺が自由にすることを願ってくれた。

ジギスさんは俺に、対等の立場でいることを望んでくれている。…そう、だよな?俺はジギスさんの手を握り返し、その美しく頼もしい表情を見上げた。


 「ありがと、ジギスさん」

 「気にするでない。町で狼に襲われぬようにの」

 「へ…?狼なんて街に出るわけないだろ」

 「……そちのそういうところが儂は好きじゃよ」


 ジギスさんが年相応の爽やかな笑みを浮かべるのを、俺は真意が掴めず首を傾げて見上げるしかできなかった。


 …なんのことだろう?今日は分からないことばかりだな…。



 **


 ジギスさんの見送りを受けた後、俺はなんとか頑張って歩いて市場の方の道を進んでいた。近道ルートは別にあるんだけどこの綺麗な服と歩きにくい靴で通るには辛く、だったら市場を通るのがいいかなということで。

市場もいつも通り賑わっていて、たくさんの人で溢れている。そこをこの慣れない格好で歩いて行くのはちょっと不安だけど…、ここの道が一番ヨーウェンさんの店まで近いんだよな。


 もうすぐ昼だし、と思いながら木靴を鳴らして歩く。時折町の人が振り返って俺を見るけど、…どうしてですかね。ひそひそと噂されてるのはよく分かるんだけど、誰も俺に話しかけてこない。

これはおかしいぞ?いつもなら『おい坊主!今日は安くするぜ!』とか『スティちゃん、元気そうね!』とか、うるさいくらい騒がれる町の人気者ステイトくんなんですよ?…なのに。


 どこか好奇の目と言うか、遠巻きに見られてると言うか。何だよ、ちょーっと服が変わって化粧されただけで遠巻きにしやがって!絶対に馬鹿にしてるだろ王都市民よ!

くっそー、やっぱ別の道通ればよかった、と俺がうつむいたとき。ドンッ、と誰かにぶつかって俺はよろめいた。うわ、危ねぇ!こけそうになるのを慌てて近くの店の柱につかまって持ちこたえ、俺は顔を上げた。


 「いったぁ…、あ、悪ぃ」

 「…おいテメェ、どこに目つけて歩いてんだ?あぁ?」

 「……ゴメンナサイ」


 …あらやだ。ちょっと今日の俺の運はよくないらしいぞ。見上げると明らかに異国から来たって感じのガラの悪そうな男がいて、俺を睨んでいた。

基本的にこの王都市場の常連客や店の連中はもめ事を嫌う。だから多少ぶつかっただけでこんなにイチャモンつけてくるのは…ここのルールを知らない奴だ。さっきまで俺を遠巻きに見てた周りの人が少し静かになる。

俺には全く注目してなかった人たちまで、ぶつかった男の低い声にそーっと視線を送り始めた。んげ、ヤな予感。


 俺は逃げ道がないかを目で探りながら、ぺこぺこと頭を下げた。


 「すんません、どこかケガは?」

 「…俺にケガはねぇけどよぉ…、この荷物!こりゃ、貴族に贈る上級の果実なんだぜ。てめぇがぶつかったせいでキズモノになっちまった。一つで銀貨がとぶ高級品だ、どうしてくれんだよ?」

 「……マジで?」


 さすがに男の言葉に俺は顔を上げた。んなバカな、そんなもん南のコットリアの高級果実じゃあるまいし…と男の抱えた箱を見ようとすると男がサッと箱を俺から遠ざける。


 「これ以上果実を汚すわけにもいかねぇんだよ。…どう弁償してもらおうか?」

 「……」


 こいつ、嘘つきやがったな。きっと箱の中身なんてたいしたものじゃない。ただ俺を脅してるだけか。おいおい、今俺一文無しなんだけど。荷物まとめて王城に置きっぱなしだ。

それにこの手の奴らはいくらでも金を搾り取ってくるからタチが悪い。もしかしたら俺がぶつかったんじゃなくて、わざと当たりに来たのかもしれない。チッ、と見えないところで俺は舌打ちした。

この服と木靴!動きにくいから逃げることもできない。木靴はしっかり固定されてるから脱ぐのに苦労するだろうし、…さすが礼服。実用的じゃねーなチクショウ。


 さすがに市場がザワザワとし始めた。いつもなら助けてくれる顔見知りの市場の人たちも、俺と男を慎重に見ている。おい、なんで助けてくれねーんだよ、…って、まさか俺だって気付かれてないのか!?

そこは皆の人気者ステイト君だと分からなくても可哀そうな少年を助けろよ!けど、何人かはフライパンなどをこそこそ装備してるからタイミングをうかがってるのかもしれない。


 気づけば市場では、俺と男の周りに円を描くように人だかりができてしまっていた。ニヤァ、とゲスい笑みを浮かべ、男が腰からナイフを抜く。武器持ってんのかよ!それを振りかざし、男が周りをけん制する。周りから小さく悲鳴が上がった。

 

 「ところでてめぇ、なかなか珍しい服と顔つきしてんじゃねぇかよ。そうだなぁ、金がないなら体で弁償してもらおうか?」

 「…」

 「知り合いの娼館を紹介してやるぜ、おとなしくついてくるんだな。嫌なら物好きの貴族に売り飛ばしてやる」

 「……いい加減に、」


 さすがの俺もそこまで言われると黙っておけない。一歩踏み出し、男の腕を掴んでリウで凍らせて…いや、ラエアでぷすぷすに焦がしてやる!


 そう思った時。俺の横を風が吹き抜け、そのすぐ後にドンッと鈍い音が響いた。


 ザワ、と周りがどよめく。俺も呆気にとられて目の前を見るしかできない。一歩踏み出した足と伸ばした手の向こう、あの男が砂の地面に倒れ伏している。箱が地面に投げ出され、その中から石ころが転がった。やっぱハッタリじゃねーか!

けど、皆がすぐに静かになっていく。そうだ、男が倒れたのはなぜか。…その答えは、俺の目の前にある。


 大きな背中だ。騎士の制服に縫い付けられているのは町警備隊の紋章。俺とあの男の間にいるそいつの背中は凛としていてたくましい。俺をかばうように立つその姿は…まさに、騎士。護る者、その姿だと言わざるを得ない。

剣も何も持ってないけど、さっき一瞬見えたのはこの騎士が男を思い切り殴り飛ばしたことだ。


 黒い風が吹いた。俺は呆然と、その騎士の後姿を見つめる。…黒髪は、今日も綺麗だ。


 「町の風紀を乱すのはどこのどいつだ」

 

 その声が響くと、町の人は活気を取り戻していく。俺はポカーンと見ているだけなんだけど、町の人たちは勢いづいたように拳を振り上げた!けど男が震える声で怒鳴り、ナイフを騎士に向ける。


 「お、お、おい、俺と問題を起こす気か!?俺は貴族の…そ、そうだ、シフィルハイド家の専属商人だぞ!!?一介の騎士が遠方から来ている巨大商会の俺にたてつくなんて、」

 「そうか…それは残念だ」


 騎士は低い声を響かせる。…怒ってる。すんごく怒ってる。ようやくこの辺りで俺も我に返り、事の成り行きを黙って見守ることにした。…だって、…こいつの邪魔はできない。

騎士の手に、ブオン、と音を立てて魔力が収束していく。やがて現れたのは巨大な剣だ。ギラリ、と刃が昼の日の光に輝く。そして騎士は男に剣を堂々と向けて言い放つ!


 「そのシフィルハイド家は、俺の家だが。生憎、貴様のような輩と商売を持つほど落ちぶれてはいない」


 ひぃ、と男が声を上げる。ほんとウソっぱちだらけだな、笑いそうになるぜ。騎士が剣を男に向け、低い声で吼えた!


 「王都騎士団第三隊!小隊長ニコラ・シフィルハイドの名を聞いても退かぬと言うなら容赦はせん!」

 「くそ……覚えてろ!」


 ぶっは!捨て台詞までテンプレじゃねぇか!箱もそのままに、男が情けなく逃げていくのを町の人たちは大歓声で見ている!中にはふざけて男を追いかけに行く人もいたし、遠方から来た客だろう人々は拍手をしていた。

やがて町の人は少しずついつもの持ち場に戻っていき、客の人たちも正午を知らせる鐘に慌てた足取りで市街地へ消えていく。俺は、騎士が剣をフォン、と消すのを黙って見ていた。


 ……騎士だな。ほんと、騎士だ。ちゃんとこいつ、仕事してるんだな。


 半ば失礼なことを考えながら、俺は思わず笑っていた。すると騎士が黒髪を揺らして振り返る。…あぁ、ニコラだ。その凛々しい表情も、ご立派な体格も。雰囲気も何一つ変わってない。…ニコラ・シフィルハイドだ。

振り返ったニコラは俺を見て、少し驚いた表情をしていた。けど、少し膝を折って俺と視線を合わせる。…しかし、バカニコラの次の一言に俺は笑い死ぬことになった。


 「…お怪我はありませんか、お嬢」

 「…ぶーっははっははっは!!誰がお嬢だこの節穴!あっはははははっははゲホッゴホッ…ひぃーあっははは!」


 今度は俺の奇妙奇天烈な笑い声に町の人や通りがかった人が顔を見合わせた。と、そこで町の人がまたざわつき始める!


 「って、よく見りゃ元盗賊少年じゃねぇか!」「あら本当に!どこのお嬢さんかと…道理で女の子にしては髪が短いと思ったのよ」「おい、マジかよステイトか!?」


 「…気づけよシューティヒア民共め…」

 

 俺もさすがに笑うのをやめて真顔。え、なに?そんなに顔つき変わってるの?つか、俺喋ってたじゃん。声で気づこうよ王都民共め。と、見上げるとニコラが凍っていた。あれ?

俺はニコラの顔の前でひらひらーっと手を振って見せる。ハイ無反応。次。ニコラの頬をつつく。ハイだめ。次。ニコラの制服のポケットにある謎のメモ帳を拝借………と思った瞬間俺の頭にゲンコツが一つ!


 「いってぇ!」

 「お前か!」

 「反応遅ぇよバカニコラ!」


 こいつマジで気付いてなかったのかよ!ニコラが横を向きながら気まずげにぶつぶつと何かをつぶやくけど、俺にはよく聞こえなかった。


 「……くそ………この……バカ」

 「おい今バカって聞こえたぞ」

 「バカステイト。なんて恰好してやがる」

 「…なんか、城に行ったらトルメルの民族衣装だって着せられたんだよ」


 ニコラが顔を険しくしたまま俺の服を睨むように見た。主に視線は足元へ…つまり、スカートやドレスみたいに丈が長いところを気にしてるんだろう。その後、その藍色の目がじっと俺の顔を覗き込んだ。

これは『化粧なんてしやがって全然似合ってねーぞクソガキ』ってくるパターンだな。俺がどう言い返してやろうかと頭を捻った時、ニコラが俺の顔を覗き込んだまま小さく口を動かした。


 「…ぎて、だ…バカ」

 「は?もう一回」

 「似合いすぎてるんだこのバカ」


 吐き捨てるように言ったニコラさんはもう目も合わせてくれないんですが。俺に背を向け、けど立ち去ろうとしない。……あ、もしかして…。俺はニコラの前に回り込んで少し背を伸ばしてニヤッとした。


 「褒めてくれんの?」

 「…けなしてはいないだろうが」

 「バカってけなしてるだろ」

 「…くそ。昨日、王が上機嫌だったわけはこれか」


 …どうやら俺は、ニコラにはこの民族衣装を着るって話をしてなかったらしい。けど、分からない。恥ずかしくなるはずなのは俺の方なのに何故ニコラの方が気まずそうなのか。

ひょい、ひょい、と顔を覗き込んでも逸らされる。通り過ぎる町の人は笑いながら歩き去り、市場の人も微笑ましく見ている。こうなると、さっきの凛々しい騎士はいったいどこに行っちまったのかって感じだ。

 ニコラが狼狽える理由はあまり分からないけど、これはチャンスだぞ!こいつのことだから、うっかり俺を女と間違えた恥ずかしさで死にそうになってるに違いない!


 俺はふざけてニコラの腕にしがみついて、笑いながら言ってみる。そうだ、いつもバカにされてる反撃だ!もっと狼狽えればいいんだよいつもスカした顔しやがって!


 「今日が何の日か教えてくださるかしら、若様?」


 ブツッとニコラが切れる音が聞こえた。いいだろう、と低い声が聞こえる。その瞬間、ニコラが俺に騎士流の礼を見せて俺の手をとり、強く握った。痛いほどのそれに顔を上げると、ニコラが最上級の『笑顔』を浮かべていた。あ…やべぇ。

これはだいぶキレてるな。からかいすぎたか、と思った時ニコラが俺の手を強く引く。


 「分かりました、遥か異国よりおいでくださったお嬢。それではその問いに、この私めがお答えいたします」


 え、と俺が呟いたとき。ニコラがそのまま俺の手を引いて歩き出した。ちょ、歩くの速い!こちとら慣れない靴で必死なんだぞうおぉぉこけるこけるこける!

俺がよろめいてこけそうになるたびにニコラがさりげなく俺を支え、また足早に歩く。お昼の市場の人の波を抜け、家の中から楽しげな声が聞こえてくる市街地を歩き、ニコラはどんどん進んでいく。

おいおいどこ行くんだよ!?声をかけたいけど、俺も歩くのに必死で話しかけるどころじゃない!無言のままニコラは俺の手を引いてずかずかと歩き、歩き、歩いて歩いて…。


 石畳のなだらかな坂を上った先に辿り着いたのは、街を一望できる高台だった。…こんなところ、あったんだ。確かに町の中なんだけど、小さな高台は細い路地や複雑な道を歩き続けた末にようやくたどり着いた場所だ。

王都のことなら知り尽くしてると思ってた俺も、思わず言葉を失った。展望台のようになっていて、古びた石のベンチがいくつか設置してある。ちょうど昼時だからか、それとも隠れスポットだからか、俺たちの他に人はいない。


 ニコラが手を離したことにも気づかず、俺はふらふらと柵の方へ近づいて手すりに手をかけ、身を乗り出す。…すげぇ!町が…このバカみたいに広い王都を綺麗に見渡せる!


 遠くには威厳を湛えてドッシリと構える城。市場も城下町も、大広場の噴水まで見える!あ、ヨーウェンさんの薬草屋も…んで、あっちが門で…!


 夢中になって町を見下ろす俺に、後ろから穏やかな声が聞こえた。


 「さすがのお前も、ここは知らないのか」

 「え、あ、ここ?知らなかった!へぇこんな高台があったんだな…町をまるっと一望!すげぇ眺め!」

 「…俺がガキの頃から何かあると来ていた、秘密基地みたいな所だ。滅多に人は来ない。これでもこの町では一番古い展望台だと聞くがな」


 …へぇ。ニコラを改めて振り返ると、ニコラは俺の隣に来て遠くの空を見つめる。その横顔に…なんでだろう。俺は懐かしさと安らぎを感じた。俺の視線に気づいたのか、ニコラが俺を見て…わずかに口元を緩めた。


 「…てめぇと出会って3年になるのか」

 「え?…何言ってんだよ、俺がお前に捕まったのはまだ2年前で、」

 「何を寝ぼけてやがる。昨日から騒いでいたのはどこのガキだ」


 馬鹿にしたようにニコラが目を細めるのを、俺はぽかんと見上げるしかできなかった。…そう、昨日。『昨日』を俺は全く思い出せないでいる。昨日って何だ?今日って、何だ?

すっかり黙り込んだ俺に、ニコラが呆れたように息をつく。


 「…お前が言ったんだろう。自分の誕生日は分からないが、自分が変わった日は俺に捕まった日だった、と。だから俺に捕まえられた日を自分の誕生日にする、と」

 「……そう、だっけ?」

 「呆れたやつだな。自分の言ったことも覚えてねぇのかバカステイト」

 

 ほんとに覚えてないんですもん、と俺は閉口した。けど…俺、そんなこと言ってたんだ。確かに俺の誕生日はない。年齢も推定、だ。

そういやヨーウェンさんの誕生日は普通に祝ってた。アリシアは、ヨーウェンさんに拾われた日を誕生日にしてた。俺はそんなこと考えず、誕生日なんてないまま過ごしてきた。


 …俺に何があったのか。どうやら俺が忘れてる『過去の俺』は、ニコラに捕まった日を…誕生日にするなんて言っちまったらしい。


 はは、と笑いが込み上げてきた。あはは、と我慢できずに笑う俺をニコラが怪訝な顔で見る。いや、だってさ、ほんとに……!


 「俺らしいな、って思ったんだよ!そっか、俺、それじゃ今日が誕生日ってわけなのか?」

 「俺のカレンダーが正しいなら、な」

 

 もうそんなになるのかよ、と笑いがようやく収まった俺に、ニコラがまたため息をつく。それからその藍の瞳が俺の顔をまっすぐに見つめ、…ふっと表情を柔らかくして言った。


 「誕生日おめでとう、テレステイア」


 「…………この、馬鹿野郎!」


 俺は慌ててニコラに背を向けた。な、何を真顔で…!しかも、俺の、名前…!な、な、なんか顔、熱い…!振り返られねぇんだけど!うわ、うわ!くっそバカニコラ変なこと言いやがって!

お前が俺におめでとうなんて言うキャラじゃねぇってことを俺はよぉく知ってるんですよ!いっそ気持ち悪いぞ!け、けど…。


 ゆっくり、少しだけ。そろーっと振り返った時、ニコラの大きな手が俺の頭にぼすっと置かれた。その拍子に俺の髪飾りが外れ、新緑色の若葉がひらひらと風に攫われて飛んでいった。


 「素直にありがとうぐらい言え」

 「……あ、…ありが………あーもうありがとうニコラ俺を捕まえてくれて!おかげで俺は、俺は!」

 「俺は?」

 「…ヨーウェンさんやアリシアに会えた。シルに会えた。いろんな国を旅した。俺が何者なのか、知ることができた!…全部…、」


 あー、自分でも何言ってるか分からなくなってきた。ニコラの手が俺の頭をガシガシと力強く撫でる。ぼやっと思い出したのは、こいつに捕まった時のこと。ムカつくヤローだとは今も思う、けれど…。

ばっと顔を上げると、ニコラは驚いたように少し手を離した。ちゃんと目が合ってることを確認してから、俺は………言える。言わないと、言わなきゃダメだ。


 「ニコラの、おかげだ。…ありがとう」


 「…ああ」


 昼の光は眩しい。風がニコラの黒髪をなびかせ、少しだけ乱していく。展望台の下に広がる王都の町は明るい声を風に乗せる。綺麗な景色は、俺が昔のままだったら絶対に知ることはなかった景色だ。

ニコラがす、と動いて展望台の端に群生していた白い花を一つ摘んだ。ふわ、と風に揺れた白い花は小さいけど生命力に溢れている。

 俺が何も言えず見ていると、ニコラはそれを俺の髪に挿した。…あ、さっきの若葉の飾りが飛んでいっちまったから…。


 見上げると、ニコラが笑った。


 「プレゼントは何も考えられなかった。それで許してくれ」

 「…許すも何も、祝わなくたって良かったのに……。…それに、」

 「それに?」


 今度はさすがに俺もニコラから顔を背けて、また展望台の柵に寄りかかった。眺める王都は…広い。広いけど、全部が手に取るようにわかる。俺はまた吹き出しそうになりながら、小声で言った。


 「この民族衣装で髪に花を飾るのは、女性の風習だぞ」

 

 ちょっとだけニコラの反応を見たくて、ちらっと様子を盗み見た。けど、ニコラの表情に俺が動けなくなった。…くっそ、あいつ!なんでそんな穏やかな顔してんだ!


 「…だが、似合っている」


 ニコラの言葉に俺は言葉を失った。頭が真っ白になってどう返事していいか躊躇う。そのとき、また一際強い風が吹いて…!



 **

 

 

 ―――…チュン、チュン…


 眩しい光が木陰から差し込む。寒さを感じて慌てて着ていたローブを体に巻きつけた。…あ、あれ?ここは?

ふと俺が気付くと、俺は大きな木の枝に寄りかかって寝ていた。地面から数メートル。木の枝と葉から差し込むのは朝日。…そうだ、俺、野宿したんだっけ。


 じわじわと思い出した俺の現状。そうだ、ネーディヤ帝国にきたんだ。エルフの里を下りて、ワイバーンと仲良くなって。ガラの悪いハンターを相手してたら倒せたけど、町に着く前に眠くなったから木を見つけたから登って寝たんだ。

くぁ、と体を伸ばして欠伸をする。いてて、やっぱりベッドで寝るのとは訳が違うな…体のあちこちが痛い。


 身軽に木の枝から飛び降りて地面に足をつける。さぁ、次の町は目の前だ。早いところ着いて、目指す先…氷の城・ザミグラッツの情報を集めないと。


 ――――それにしても。


 一歩踏み出すと、ジャリ、と砂の音がする。…何かを俺は忘れている、気がする。いや、…何だろう?


 ――――やけにはっきりとした夢を、見ていたような…。 


 …思い出せない。なら仕方ない、所詮は夢なんだからな!それより早く次へ進まないと。


 また一歩、一歩と足を動かす。曇りがちだった北のネーディヤの空は、今日はピカピカに輝いていた。ふと風が木の若葉を攫っていくのを見ながら、俺はなんとも言えない気持ちになった。


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