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192.沈没船引き上げで大艦隊ゲット

 侵略してきた敵軍の兵士たちを、結果としてかなり救助した。

 二千人を超える大規模な救助劇となったのだ。


 なぜこれほどの人数が助けられたのかと言うと……途中から大きな救助体制を作ったからだ。


 兵士を助けると決めた俺は、まずクラーケンたちに指示をして、海上及び海中の兵士たちを回収させた。


 艦隊の三分の二程度を沈めたところで、残りの撃沈を『ハーミットクラーケン』に任せ、『スクイードクラーケン』には、兵士の救助に当たらせたのだ。

 多くの腕が自由に動く『スクイードクラーケン』は、その手数の多さで救助においても大活躍だった。


 また途中で『天船(あまふね)』に乗って援軍としてやって来てくれた『カッパ族』の戦士たちと、『ハーピー』の戦士たちにも協力してもらった。


 彼らは、ちょうど良いタイミングで飛んできてくれたのだ。

 まさに飛んできた状態だったのは、少し笑えるが。


 『トブシマー』の族長シーアさんの考えで、念のため戦力を連れてきたとの事だった。

 結果としてナイス判断だった。


 『カッパ族』は泳ぎが得意なので海に入って救助を行い、『ハーピー』たちは上空から人を引き上げて救出してくれた。


 これにより迅速な救助ができ、思ったよりも多くの兵士たちを救うことができた。


 まぁそのせいで、捕虜への尋問が大変な作業になってしまうが。



 救助後は、一旦港付近で休ませた。


 何人かは戦おうとしてきたが、そういう者たちは制圧した。


 ほとんどの兵士たちは、クラーケン二体による攻撃になすすべもなく撃沈されたことで、戦う気力を完全に失っていた。


 怪我をしている兵士も多かったので、聖者の職業固有スキル『聖なる波動』を発動し、一気に回復させた。


 だがここでもまた奇跡の所業状態で、敵兵であるにもかかわらず俺を拝むように手を合わせ涙を流す者たちが多数にのぼった。


 この感じなら、移民してくれる人もいるかもしれないな。



 その後、クラーケンたちに沈んだ船を全て引き上げさせた。


 大型船五十隻、中型船百隻、小型船七十隻、合計二百二十隻になった。


 全て『大剣者』の『亜空間収納』に収納しておいた。


 これを後で『献身』スキルを使って修復すれば、あっという間に『ヤマダイ国』いや『カントール王国』も含めた『ヤマト超帝』の大艦隊の出来上がりだ。


 まぁ船があるだけで、操船できる乗組員は手配できないと思うが。

 操船技術がある者がいなければ、船の数がいくらあっても艦隊は作れないから、今のところ構想上の話でしかない。


 だが、『カントール王国』中から集めれば、もしかしたら船を動かすだけならできるかもしれない。

 威圧するだけのハリボテ艦隊なら、すぐに作れる可能性もある。


 練度の高い海兵はすぐには増やせないから、戦力としてはあまり期待できないが。


 それから、連鎖暴走(スタンピード)で沈んでしまっていたハコネゼル領の船も一緒に引き上げた。

 これも後で修復する予定だ。



 艦隊指揮官である大将軍を生きて捕らえることができたので、早速尋問して情報を引き出した。


 予想通りこの侵略行為は、魔物の連鎖暴走(スタンピード)に連動したものだった。


 『青の賢人会』の青賢人が、『キュウシュ連合国』の盟主国である『フク王国』の国王に提案した作戦だった。


 『フク王国』の現国王は、野心に溢れた人物らしく、青賢人の話に乗ったらしい。


 普通なら、どこの誰ともわからない者の提案に乗ることなど考えづらいが、そこはおそらく様々な魔法道具を見せるなどして、その力を示し取り入ったのだろう。


 実際、“不可思議な力を持つ御人”という認識を、この大将軍は持っていたようだ。


 背後には悪魔の存在があるかもしれないと考え、その点についても質問したが、大将軍はその点については知らないし、そんな気配も感じなかったと証言した。


 それから今回の侵略行為は、『キュウシュ連合国』の総意によるものではなく、盟主国である『フク王国』が、単独で起こしたことだったようだ。

 合議制という連合の手順を無視した暴走行為だったわけだ。


 それゆえに、派兵戦力も連合国のものではなく『フク王国』単独のもので、海軍の総戦力と精鋭兵士たちを動員したらしく、今回の壊滅で戦力としては致命的な打撃を受けたということだった。まぁ自業自得だ。


 侵略行為に対しては、明確な報復が必要であるが、『キュウシュ連合国』全体と言うよりは『フク王国』だけにしたほうが良さそうだ。


 野心的な発想で考えるならば、この機会を利用して『キュウシュ連合国』全体に攻撃をするんだろうが、俺にはそんなつもりはない。そんな余裕もないし。


 大きな島の集合体である『ジパン群島』は、陸続きでないので、こういう場合に報復するのも簡単ではない。


 報復するための艦隊を出すというのは、骨が折れるのだ。

 まぁ俺にはクラーケンたちがいるから、報復は簡単にできてしまうんだが。

 焦る必要は無いだろう。


 外交上なかったことにすることなどできないし、それなりの報復はするつもりだ。


 どういう報復にするかについては、これからみんなで相談して決めれば良いだろう。


 『キュウシュ連合国』がどういう状況なのかという情報も欲しいところだ。

 御庭番衆のハトリーたちに、情報をまとめさせよう。


 とにかく、一旦落ち着きたい。


 オダワールの謀反から始まって、海からの連鎖暴走(スタンピード)、『青の賢人会』の暗躍、そして大艦隊での侵略、もういい加減これで終わってほしい。


 そんなふうに思うと、また何か起こりそうだが……いやもう大丈夫だろう。そう信じたい……。



読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。

誤字報告も助かっています。ありがとうございます。


次話の投稿は、明後日の予定です。

少し遅れる可能性もありますが、その時はごめんなさい。


よろしくお願いします。


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